« GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION I』(1991) | トップページ | HALESTORM『REANIMATE 3.0: THE COVERS EP』(2017) »

2017/01/20

GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION II』(1991)

アクセル・ローズ(Vo)、スラッシュ(G)、ダフ・マッケイガン(B)を含む編成でのGUNS N' ROSES来日公演が明日1月21日からスタートということで、昨日から『USE YOUR ILLUSION I』および『USE YOUR ILLUSION II』の全曲解説を行っております。今日は『USE YOUR ILLUSION II』のほうを紹介していきます。

青&紫を基調としたジャケットの『USE YOUR ILLUSION II』は、デビュー作『APPETITE FOR DESTRUCTION』(1987年)に続く全米1位獲得作品。現在までにアメリカだけで600万枚近いセールスを記録しています。

M-1. Civil War
アルバム発売前年の1990年、コンピレーションアルバム『NOBODY'S CHILD: ROMANIAN ANGEL APPEAL』に初収録された8分近いヘヴィな大作。制作時期的にこの曲のみ、前年ドラマーのスティーヴン・アドラーが叩いています。スラッシュのアルペジオとアクセルの口笛から始まるこの曲は、のちの『USE YOUR ILLUSION』での変化を告げる予告編的楽曲で、ディジー・リード(Key)が初参加したナンバーでもあります。すべてはここから始まったんですね。なお、この曲は日本や一部の国でシングルカットされました。

M-2. 14 Years
『〜ILLUSION I』収録の「Dust N' Bones」に続く、イジー・ストラドリン(G)がボーカルを務めるレゲエ調ミディアムチューン。この軽やかなノリはHANOI ROCKSあたりにも通ずるものあり。イジー脱退後はライブで披露されることはありませんでしたが、たまにイジーがゲスト参加した際には演奏されたりもします。

M-3. Yesterdays
アーシーなノリを持つミディアムナンバー。アメリカでは「November Rain」に続く、『〜ILLUSION』から最後のシングルカットとなり最高72位を記録しました。特筆すべき点はないんですが、まぁアクセルのボーカルがすべてかなと。

M-4. Knockin' On Heaven's Door
デビュー時からライブでたびたび演奏されてきたボブ・ディランの名曲カバー。80年代はもうちょっとアップテンポでストレートなアレンジでしたが、新たにレコーディングするに伴いゴスペルテイストのアレンジが加えられています。ライブでは長めのコール&レスポンスが入り、演奏が10分近くに及ぶことも。この曲が始まると、ライブもそろそろエンディングかなと気づかされるという、終盤に欠かせない1曲。ライブではスラッシュがギブソンのダブルネックギターを弾くことでもおなじみです。

M-5. Get In The Ring
アクセル、スラッシュ、ダフの3人のみで書かれた珍しい1曲。とはいえ、歌詞はアクセルによる音楽評論家に向けた恨みつらみを並べた非常にアレなナンバー。ライブでは演奏されたことはない……はず。まぁこんなパーソナルな曲をライブで披露されても、お客はポカーンですよね(笑)。

M-6. Shotgun Blues
「Get In The Ring」からの熱いノリを引き継ぐ、アップチューン。ちょっとAC/DCっぽくもあり、アクセルとダフのツインボーカルもいい感じ。非常にライブ向きにも関わらず、こちらも実際に披露される機会はほぼゼロ。惜しい。

M-7. Breakdown
カントリーっぽい雰囲気がある、60年代末のROLLING STONESっぽさもある7分もあるダイナミックなナンバー。スローに始まったかと思えば、バンド演奏が加わるとテンポが倍になる小気味良さがたまらない。それまでのガンズにはなかったタイプなだけに、このへんはライブでも演奏してもらいたいんだけど……その機会もほぼゼロ。勿体ない。

M-8. Pretty Tied Up
イジー単独で書かれた、どこか東洋っぽさが漂う1曲。シタール風ギターサウンドと刻む系のリフ、前曲「Breakdown」から引き継ぐ60年代末STONESっぽさと、アルバムとしてもこのへんはすごくいい流れだと思います。演奏される頻度は意外と高めなので、覚えておくといいかも。ただ、サビを一緒に合唱するタイプの楽曲ではないけどね。

M-9. Locomotive (Complicity)
イントロのベースラインが「Locomotion」のリフに似てること、SLを彷彿とさせるるギターリフからこういうタイトルになったのかな。実は9分近くもあるこの曲のダーク&サイケさ、サビでの調子を狂わされるリズムの刻み方がクセになるんですよね。『〜ILLUSION』2作の中でも1、2を争うお気に入りナンバーです。せっかくダフが復活したのだし、このへんも久しぶりに演奏してほしいなぁ。

M-10. So Fine
ダフがメインボーカルを担当するパンクバラード。イジー脱退後、「Dust N' Bones」「14 Years」の代わりにダフがこの曲と、のちに『THE SPAGHETTI INCIDENT?』(1993年)に収録される「Attitude」(MISFITSカバー)を歌ったのも今は昔。この曲はまた復活してもいいんじゃないかなと思ってるんですが、どうでしょう?(アルペジオが「Knockin' On Heaven's Door」に似てるのだけは玉に瑕だけど)

M-11. Estranged
「November Rain」にも通ずる劇的なアレンジを持つ、9分半もの大作。序盤はアクセルがピアノを弾きながら歌い、演奏が盛り上がるにつれてステージを動き回ることでもおなじみ。異なる楽曲の断片をいくつも合体させたような奇妙な楽曲で、個人的にはそこまで印象に残るものではないかな。ただ、ライブでは毎回必ずといっていいほど演奏されるので、予習しておくといいかと。

M-12. You Could Be Mine
アルバムに先駆けてシングルリリースされたナンバーで、映画『ターミネーター2』の主題歌に採用。「Civil War」以来の新曲、シングルとしては2年以上ぶりということもあってかなり期待されていたのですが、結果は全米29位という中ヒットで終わりました。曲調自体は「Nightrain」の延長上にあるカッコいいものだったので、たぶん歌詞がいけなかったんだと思う。元嫁に対する怒りをそのまま歌詞にしただけだもんなぁ……このアルバム、そんなアクセルの個人的感情がストレートに表現された楽曲が多いのも特徴。だからなのか、リリース後も演奏されない楽曲が多いんですよね。

M-13. Don't Cry (Alternate Lyrics)
『〜ILLUSION I』収録の「Don't Cry」を、歌詞と歌メロを変えた別バージョン。原曲自体が活動初期から存在するものなので、気分転換に別バージョンを作ってみました的なノリなのかなと。こちらのバージョンでライブ演奏されることがないことから、そこまで気に入ってないことが伺えます。

M-14. My World
アクセルの歌と打ち込みのみで表現される、1分半のショートナンバー。ヒップホップに挑戦してみました的軽いノリで制作された、完全にお遊び曲。「Don't Cry」の中途半端な別バージョンと、中途半端なお遊びヒップホップで終わる構成からも、「アルバムの曲順、本気で考えてねーだろ?」ってことが見え見えですね。


以上、CD2枚で30曲、トータル2時間半というボリュームですが、これは2枚組にしないで正解だったのかな。曲調のバランスがまちまちで(『I』にパンキッシュな疾走ナンバーが集まり、バラード寄りが『II』に集まった)、聴く人によって好みが分かれるかも。そういう意味では、2枚組にすればバランス良かったのかもしれない。でも、リリース当時に2枚続けて一気に聴いたときに感じた熱量と興奮は、今でもよく覚えてます。あの感覚を1991年9月に味わえたことは、自分にとって大きな宝だと思ってます。

さて、今回の来日公演では『〜ILLUSION』2枚から何曲演奏されるのか。レア曲は飛び出すのか。今から楽しみにしておきましょう。

P.S.
この記事はずいぶん前に書いたものなのですが、昨日の『〜ILLUSION I』全曲解説公開後に、『〜ILLUSION』および本作のミックスを担当したビル・プライスの逝去が発表されました。昨年12月22日にお亡くなりになっていたとのこと。改めて72歳という年齢にも驚かされました。故人のご冥福をお祈りいたします。



▼GUNS N' ROSES『USE YOUR ILLUSION II』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 01 20 12:00 午前 [1991年の作品, Guns N' Roses] | 固定リンク