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2017/01/13

OZZY OSBOURNE『NO REST FOR THE WICKED』(1988)

オジー・オズボーンにとって通算5枚目のオリジナルアルバム『NO REST FOR THE WICKED』は、1988年に発表されました。前任ギタリスト、ジェイク・E・リーの脱退を経て、1987年春にランディ・ローズ時代のライブ音源を収めた『TRIBUTE』を発表。そういったブランク期間に行われたオーディションを経て加入したのが、加入当時20歳だったザック・ワイルド。今ではいかついオッちゃんになっちゃいましたが、当時はポスト・ランディと言わんばかりの美少年だったんですよ(ただし、ルックスのみ)。

そんなザック加入後、初のアルバムには前作から引き続きランディ・カスティロ(Dr)、古くからの付き合いとなるボブ・ディズリー(B)、ジョン・シンクレアー(Key)が参加。レコーディング終了後にはBLACK SABBATH時代の盟友ギーザー・バトラーが加わり、ツアーではサバスの1/2が揃ったことでも話題になりました。

クラシックがルーツのランディ・ローズ、日本人の血を引くジェイク・E・リー(2人の間にはNIGHT RANGERのブラッド・ギルスなどもいましたが、ここでは割愛)に続くギタリスト、ザック・ワイルドは2人とも違ったカラーの持ち主。尊敬するギタリストとしてランディの名を挙げつつも、ブルースやカントリーからの影響も強く、その色合いは作品を重ねるごとに強く表れていきます。

しかし、本作ではまだその独特な個性は完全に発揮されているとは言いがたく、あくまで「オジーが主役のアルバム」の中で、与えられた見せ場の中だけで暴れている印象。とはいえ、そのギターソロやリフワークが尋常じゃないくらいカッコいいんですけどね。オープニング「Miracle Man」冒頭のリフだけで心を持っていかれた本人(私)が言うんですから、間違いない。そこから、あのギターソロ。ああ、すげえ奴が現れたぞ、と。正直、音源だけ聴いてたらオジーの存在を忘れてしまうくらいです(いや、そんなことはないけど)。

やたらとポップで「LAメタル版オジー」と言わんばかりの前作スタジオアルバム『THE ULTIMATE SIN』から一変、そして初期2作とも異なる攻撃性を持った楽曲&サウンドはBLACK SABBATH時代のそれとも異なり、1988年という時代に非常にマッチしたものでした。そういう意味では本作、ザックという若い未成熟な個性、そしてオジーのことを熟知したランディ・カスティロ、ボブ・ディズリーなど熟練メンバーのサポートが融合することで生まれた、奇跡的な1枚なのかもしれません。

頭3曲(「Miracle Man」「Devil's Daughter (Holy War)」「Crazy Babies」)の怒涛の構成、「Bloodbath in Paradise」「Fire in the Sky」の中盤、そして「Tattooed Dancer」「Demon Alcohol」の攻めまくりな後半。とにかく空きのない構成です。だからこそ、CDでボーナストラック的なポジションの「Hero」と「The Liar」は蛇足かなという気も。楽曲自体は悪くないけど、このアルバムの中では置きどころが難しいかなと。そこだけが勿体ないと思ってます。

オジーとザックの蜜月期は、続く1991年の6thアルバム『NO MORE TEARS』でピークを迎えますが、それはまた別の機会に。



▼OZZY OSBOURNE『NO REST FOR THE WICKED』
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投稿: 2017 01 13 12:00 午前 [1988年の作品, Ozzy Osbourne, Zakk Wylde] | 固定リンク