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2017/01/28

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』(1988)

80年代前半にSCORPIONSやACCEPTがドイツ出身ということだけで付けられた“ジャーマンメタル”というレッテルが大きな意味を持ち始めるのは、HELLOWEENが登場してからのこと。多くのHR/HMファンがイメージする“ジャーマンメタル”の音楽性を確立させたのが、「守護神伝」という邦題が冠された2部作でした。

そのうちの2枚目にあたる『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』は1988年に発売。マイケル・キスク(Vo)、カイ・ハンセン(G)、マイケル・ヴァイカート(G)、マーカス・グロスコフ(B)、インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)という黄金期メンバーでは本作と、その前作『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』(1987年)の2枚しか制作されておらず、『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』リリースから数ヶ月後にカイ・ハンセンがバンドを離れてしまうのです。なので、本作を携えた来日公演はカイを含む編成では実現しませんでした。

前作からの連作ということで、音楽性は基本的に同じ枠内にあるものと言えるでしょう。しかし、第2弾となる本作では楽曲の幅が前作から少し広がりが感じられます。オープニングのオーバーチュアー「Invitation」から「Eagle Fly Free」の流れは、JUDAS PRIESTにおける「The Hellion」〜「Electric Eye」に匹敵する“メタル古典組曲”。コミカルな「Rise And Fall」もあれば、アンセミックな「Dr. Stein」もある。仰々しいメタルバラード「We Got The Right」や、攻撃的な「March Of Time」、疾走感が気持ち良いパワーメタル「I Want Out」ときて、最後は13分もの大作「Keeper Of The Seven Keys」で幕を降ろす。ラストの大作に関しては前作の「Halloween」のほうが完成度は上ですが、これはこれで悪くないと思います。

曲によって前作を超えていたり前作に満たなかったりするものの、そこはあくまで“2枚でひとつ”の連作だからこそ、と目をつぶっておきましょう。とはいえ、アルバム単体としての完成度は並のメタル作品以上ですし、1988年という名盤揃いの1年の中でも歴史的価値が非常に高い1枚なのは間違いありません。

今年は現編成のHELLOWEENに元メンバーのカイ・ハンセン、マイケル・キスクが加わり、「PUMPKINS UNITED WORLD TOUR」と題して世界各国を回る予定。インゴ・シュヴィヒテンバーグは22年前に亡くなっているため黄金期編成が完璧な形で復活することはできませんが、それでも5分の4が揃うわけですから、来日した際にはこのアルバムの楽曲をオリジナルに近い編成で楽しむことができそうです。



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投稿: 2017 01 28 12:00 午前 [1988年の作品, Helloween] | 固定リンク