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2017/01/17

DON DOKKEN『UP FROM THE ASHES』(1990)

1989年にバンドの解散を発表したDOKKEN。最初の時点ではドン・ドッケン(Vo)と、ジョージ・リンチ(G)、ミック・ブラウン(Dr)、ジェフ・ピルソン(B)1対3に分かれ、そこからも当時のバンドの状況がなんとなく伺い知ることができました(のちにジェフが離脱し、ドン、ジョージ&ミック、ジェフの3分割することとなります)。

ドンは新たにバンドを結成しようと旧友ピーター・バルテス(B / 当時ACCEPTが解散したばかり)や、ミッキー・ディー(Dr / 元KING DIAMOND、のちにMOTORHEADに加入)、ジョン・ノーラム(G / EUROPE脱退後、ソロで活動していた)、ビリー・ホワイト(G / 元WATCHTOWER。現在は音楽業界を引退)という面々に声をかけ、アルバムを制作。その編成でDOKKENを名乗ろうとしますが、元メンバーの3人から訴訟を受け、結果DON DOKKENというバンド名なのかソロ名義なのか微妙な名前で活動することになります。

さて。いざ完成したアルバム『UP FROM THE ASHES』は1990年10月にリリース。奇しくもジョージ&ミックの新バンド、LYNCH MOBのデビュー作『WICKED SENSATION』とほぼ同時期に発売され、否が応でも比較されることとなってしまいます。

「ツインギター編成となったDOKKEN」「ギターがうるさくないDOKKEN」と表現できるDON DOKKENのサウンド。もっと言えば、DOKKENの3rdアルバム『UNDER LOCK AND KEY』(1985年)で目指した路線をさらにブラッシュアップし、より聴きやすくした楽曲を楽しむことができるわけです。“あの”DOKKENが好きだった人なら両手を上げて喜ぶ内容ではないでしょうか。また「ギターがうるさくないDOKKEN」とは言いながらも、ジョン&ビリーのギターソロは存在感の強いもので、随所にツインリードが取り入れられているのも好印象。こういった湿り気の強い泣きメロにピッタリなんですよね、ツインリードって。

曲作りにはビリー・ホワイトやジョン・ノーラム、アルバムのプロデューサーであるウィン・デイヴィス、職業作家のマーク・スピロといった面々も参加しており、中にはドンとグレン・ヒューズの共作「When Love Finds A Fool」といった泣きのバラードや、DOKKEN時代のアウトテイクと思われるドン&ミック・ブラウン作の「Stay」といった楽曲も収められています。「これぞDOKKEN」なミディアムテンポのマイナーチューンが中心ながらも、「Crash 'N Burn」や「Living A Lie」「The Hunger」のようなファストチューン、『BACK FOR THE ATTACK』(1987年)にはなかったスローバラードも含まれている。そういう意味でも、本来DOKKENが目指すべきだった形の究極系と言えなくもない内容です。『BACK FOR THE ATTACK』に続く作品と考えてしまうと若干の物足りなさを感じるかもしれませんが、ドン・ドッケンというボーカリストを軸に考えれば「これが本来の姿」と納得できるはずです。

残念ながらDON DOKKENとしてのアルバムはこれ1枚しか制作されず、メンバーは1人、また1人とバンドを離れていきます。そして時代は湾岸戦争に突入し、ロックバンドの大掛かりなワールドツアーが難しい状況に。さらにアメリカ国内ではHR/HMに替わりグランジが支持され始め、DON DOKKENは自然消滅してしまいます。そこから数年後、ドン、ジョージ、ミック、ジェフの4人が再集結し、DOKKENが再結成されるのですから、皮肉な話ですよね。



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投稿: 2017 01 17 12:00 午前 [1990年の作品, Dokken, Don Dokken] | 固定リンク