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2017/01/12

WINGER『WINGER』(1988)

そもそもWINGERってバンド名がズルい。カナ表記すれば「ウインガー」ですよ。「ウイング(=羽)」に「ガー」ですから。メタルばかり聴いてるボンクラ高校生からしたら「ヤベエ奴らが出てきたぞ!」とまず思うわけですよ。そこにきて、あの半裸に近いビジュアル(「Madalaine」や「Seventeen」のMVにて確認)とBON JOVIをやたらとムサくしたようなルックス。RATTっぽさがありつつも、あそこまでとっつきにくくない。そりゃ売れるわけですよ。

というわけで、1988年(またかよ……)という時代の恩恵をもっとも受けたバンド、WINGERのデビュー作です。アリス・クーパーのバンドに在籍したキップ・ウィンガー(Vo, B)とポール・テイラー(Key, G)、のちにDOKKENやWHITESNAKEでも活躍するレブ・ビーチ(G)、そしてDIXIE DREGSなどに在籍したロッド・モーゲンスタイン(Dr)という凄腕4人が繰り出すバンドサウンドはとにかくテクニカルなもので、「Hungry」や「Headed For A Heartbreak」などで聴けるアンサンブルは一瞬「プログレかよ!」と突っ込みたくなるようなもの。かと思えばRATT的な「Seventeen」や「Hangin' On」もあり(とはいえ、前者のバンドアンサンブルも非常にテクニカル)、楽器好きリスナーにも存分にアピールする内容ではないでしょうか。

さっきからやたらと「RATTっぽさ」「RATT的な」と書いてますが、それも納得、プロデューサーがRATTの諸作を手掛けてきたボー・ヒルですから。いわゆる「ボー・ヒル・サウンド」なるものがあるのかと問われると少々疑問ですが、でも彼がプロデュースしたRATTのアルバムやWINGERの本作、そしてWARRANTの2ndアルバム『CHERRY PIE』には少なからず共通点があるのは確か。各バンドともタイプは異なりますが、サウンドの質感やアレンジにその共通点は見つけられるはずです。

そんな「RATTサウンド」ならぬ「ボー・ヒル・サウンド」の恩恵を受け、なおかつ各メンバーの持つ地力や裏方生活で養った作曲&自己プロデュース能力のすべてを費やしたのが、このデビューアルバムだったのではないでしょうか。1988年という時代やプロモーションの力もあったと思いますが、本作は全米21位まで上昇し、100万枚以上のセールスを記録。シングルカットされた「Seventeen」が全米26位、「Headed For A Heartbreak」が全米19位、「Hungry」が全米85位と好成績を残しています。とはいえ、シングルカットされていない「Without The Night」や「State Of Emergency」「Time To Surrender」といった楽曲の完成度も侮れず、結局全曲捨て曲なしと言える1枚です(唯一のカバー曲、ジミヘンの「Purple Haze」は多少蛇足感が否めませんが)。

ということで、やっぱり今口にしてみても、WINGERってバンド名の響きはズルいと思います。



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投稿: 2017 01 12 12:00 午前 [1988年の作品, Winger] | 固定リンク