« GARY MOORE『AFTER THE WAR』(1989) | トップページ | THE HELLACOPTERS『HIGH VISIBILITY』(2000) »

2017/02/07

BAD ENGLISH『BAD ENGLISH』(1989)

1989年デビューのスーパーバンドつながり、なおかつ現在JOURNEY来日中ということで、今日はBAD ENGLISHの1stアルバム『BAD ENGLISH』を紹介します。

BAD ENGLISHはJOUNEYを活動休止させたニール・ショーン(G)とジョナサン・ケイン(Key)が、元THE BABYSのフロントマンで「Missing You」を全米No.1ヒットさせたソロシンガーのジョン・ウェイト、同じく元THE BABYSのリッキー・フィリップス(B)、トニー・マカパインやCACOPHONYで活躍したディーン・カストロノヴォ(Dr)と結成した5人組バンド。一部からは“JOUNEYの再編”と呼ばれたほか、ジョナサン・ケインもJOURNEY加入前はTHE BABYSのメンバーだったこともあり“新生THE BABYS”なんて声もありました。

JOURNEYの活休前ラスト作『RAISED ON RADIO』(1986年)がハードロックというよりもAOR的なアメリカンロックアルバムだったこともあり、このBAD ENGLISHのデビュー作にはハードロック寄りの楽曲が比較的多く含まれています。ニール・ショーンも曲を殺さない程度に弾きまくってますし、ジョナサン・ケインのキーボードも80年代半ばの産業ハードロックそのものといったテイスト。そしてなにより、スティーヴ・ペリー(JOURNEY)ほどキーは高くないものの哀愁味の強い枯れた歌声が魅力のジョン・ウェイトが、暑苦しすぎないボーカルで聴き手を楽しませてくれます。リードトラックとなった「Forget Me Not」なんてまさに、各メンバーの個性が存分に生かされたロックチューンですしね。

しかし、「Open Arms」の大ヒットが生んでしまった“JOURNEY=バラード”という公式を、このBAD ENGLISHも引き継いでおり、全13曲中バラードタイプの楽曲が4曲(「Possession」「When I See You Smile」「Price Of Love」「Don't Walk Away」)と比較的多く含まれています。中でも「When I See You Smile」は全米1位、「Price Of Love」は全米5位と立て続けにシングルカットされ大ヒット。これに導かれるようにアルバム自体も最高21位まで上昇、100万枚を超えるセールスを記録しました。バラードバンドのレッテルを剥がしたかったはずのニール・ショーン、ここでもその呪縛から離れられなかったわけですね。

とはいえ、職業作家のダイアン・ウォーレンが書き下ろした「When I See You Smile」も、ジョン・ウェイト&ジョナサン・ケイン作の「Price Of Love」も間違いなくいい曲ですし、JOURNEYの香りがするマイナーキーのハードロック「Tough Times Don't Last」、激しいドラムに引っ張られるようにニール・ショーンのギターが唸る「Ready When You Are」、豪快なハードロック「Lay Down」や「Rockin' Horse」など聴きどころの多い1枚なのは確か。60分超えの収録時間はちょっとアレですけど、純粋にいい曲がたくさん詰まったアルバムと考えればマイナスにはならないはず。

それにしてもスーパーバンドってどこも基本的に短命なんですよね。BAD ENGLISHも1991年に2ndアルバム『BACKLASH』をリリースして解散してますし。そりゃあこれだけの大物たちだもん、みんなエゴが強かったわけです。それと90年代に入り湾岸戦争を境に不況に突入、ロックもグランジをはじめとするダークなものが主流になっていき、こういったHR/HMは前時代的なものになってしまいます。もう5年早かったら、どのバンドももう1枚くらいアルバムを作れたのかもしれませんね。



▼BAD ENGLISH『BAD ENGLISH』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 02 07 12:00 午前 [1989年の作品, Bad English, Journey] | 固定リンク