POISON『OPEN UP AND SAY...AHH!』(1988)
1作目『LOOK WHAT THE CAT DRAGGED IN』(1986年)の大ヒットを受け、1988年5月に発表されたのが本作『OPEN UP AND SAY...AHH!』(邦題:初めての***AHH!)。先行シングル「Nothin' But A Good Time」がいきなり全米6位の大ヒット曲となり、アルバムも全米2位まで上昇。その後も「Fallen Angel」(全米12位)、「Your Mama Don't Dance」(全米10位)とヒット曲連発となり、中でも本作からの3rdシングル「Every Rose Has It Thorn」は初の全米No.1を獲得し、1989年のビルボード年間チャート3位に輝くメガヒット曲に。アルバム自体も最終的にはアメリカのみで500万枚を突破する、バンドにとって最大のヒット作となりました。
ツアーに次ぐツアー、そして1stアルバムとそれに伴うシングルが次々にヒット、さらに映画『レス・ザン・ゼロ』のサウンドトラック参加と、1987年はひたすら話題作りに事欠かなかったPOISON。そこから半年に満たないインターバルでこのアルバムが発表されたのですから、タイミングとしては最高だったはずです。しかも、1987年にはWHITESNAKE『WHITESNAKE』、MOTLEY CRUE『GIRLS GIRLS GIRLS』、DEF LEPPARD『HYSTERIA』、そしてGUNS N' ROSES『APPETITE FOR DESTRUCTION』がリリースされ、それぞれ年またぎで大ヒットを記録するという空前のHR/HMブームだったわけですから、ウケないわけがないのです。
そんなタイミングにリリースされたPOISONの2ndアルバム。プロデューサーにはMOTLEY CRUEの諸作を手掛けてきたトム・ワーマンを迎え、どこか“チャラさ”と“ナヨナヨ”したイメージのあった前作から“ナヨナヨ”の部分を完全排除。“チャラさ”を適度に残しつつ、バンドとしてのタフさ、男らしさ/男臭さを増量することで当時のMOTLEY CRUEやGUNS N' ROSESに急接近するわけです。それはケバさが抜けたヴィジュアルからも伺えるかと思います。「Every Rose Has It Thorn」のMVなんてカウボーイハットにカウボーイブーツという出で立ちで、やたらとセクシーなオネエさんが登場するあたりはGUNS N' ROSESのみならずWHITESNAKEからもアイデアを拝借してますしね(まぁこういう作風が当時の流行りだったわけですが)。
そういえば、本作にはカバー曲(LOGGINS & MESSINA「Your Mama Don't Dance」)が収録されているのも興味深いポイント。直近でKISS「Rock And Roll All Nite」がウケたというのもあるでしょうけど、本作はむしろプロデューサーのトム・ワーマンのアイデアかなと。MOTLEY CRUEがトム・ワーマンのプロデュース作で毎回カバーを試みてましたしね(「Helter Skelter」「Smokin' In The Boys Room」「Jailhouse Rock」)。それにQUIET RIOTも「Cum On Feel The Noize」「Mama Weer All Crazee Now」でヒットを飛ばしてますし、LAメタルにおけるカバーはひとつの文化だったのかな。さかのぼれば、VAN HALENなんて初期の作品はカバーが多かったですしね。
そういえばPOISONはこのアルバムを携えた来日公演で、ついに日本武道館のステージに立ちます。演奏力は相変わらず、しかもやたらと長いギターソロ&ドラムソロまでフィーチャーされ、いろんな意味で物議を呼んだのも懐かしい話です。
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