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2017/03/06

ALTER BRIDGE『THE LAST HERO』(2016)

アメリカのハードロックバンドALTER BRIDGEが2016年10月にリリースした、前作『FORTRESS』(2013年)から3年ぶり通算5作目のアルバム。アメリカではデビュー作『ONE DAY REMAINDS』(2004年)以来のトップ10入り(8位)、イギリスでは過去最高の3位を記録するヒット作となりました。

ご存知のとおり、ALTER BRIDGEはマーク・トレモンティ(G)、スコット・フィリップス(Dr)、ブライアン・マーシャル(B)の元CREED組が新たなシンガーのマイルズ・ケネディ(Vo, G)を迎えて結成したバンド。2009年にはCREEDが再結成しており、マーク、スコット、ブライアンは2バンドを兼任。マイルズはGUNS N' ROSESのスラッシュ(G)がソロで動く際、活動をともにしていることでALTER BRIDGEに対しても何となく“二足のわらじ”が強くて、食指が動かなかった。だから、このアルバムで初めてALTER BRIDGEというバンドにちゃんと触れました。

いやぁ……カッコいいのなんのって……なんで今まで聴かなかったんだろうと本気で後悔してます。これ、自分の好きな要素しかないじゃないですか。本当、百聞は一見に如かずとはまさにこのこと。

CREEDはなんとなく通過しているし、特に嫌いなわけではなかったけどそこまで入れ込む感じでもなかった。スラッシュのソロは……まぁほら、アクセルじゃないしね、ってことでこちらもそこまで真剣になってなかった。だけど、これは……確かにCREED的な部分もあるんだけど、もっとスタジアムロック的な要素が強くて、しかもちゃんとモダンな要素も兼ね備えている。彼らを指して“グランジ以降の音”と揶揄する声もあるみたいだけど、そもそも90年代半ば以降に誕生したバンドはみんな“グランジ以降の音”を少なからず内包しているわけで。単に“グランジ以降の音”に理解がないってだけでそれを理由にALTER BRIDGEを批判するのは問題外だと思うんです。

そういう“グランジ以降の音”にネガティブな感情がまったくない人にとっては、このアルバムは“ゼロ年代以降のHR/HM”以外の何者でもない。誤解を恐れずに言えば、NICKELBACKとDISTURBEDの要素を兼ね備えた、まさに“ゼロ年代以降のHR/HM”に必要な存在だと思うのです。

ヘヴィだけど過剰にメロディアスでドラマチック。そのヘヴィさもモダンヘヴィネスの色合いと旧世代的な様式美の両方が備わっている。アメリカのハードロックバンドらしくミドルテンポの楽曲が中心で、中には壮大なパワーバラードもある。80年代のHR/HMを好きな人にも絶対に引っかかるポイントがあると思うんです。

きっとCREEDが苦手だった人って、そのサウンド以上にスコット・スタップ(Vo)……具体的に言えば、彼の声がエディ・ヴェダー(PEARL JAM)やスコット・ウェイランド(STONE TEMPLE PILOTS)に近い声質、歌唱法ってことでグランジっぽくて苦手意識を持ったんじゃないでしょうか。そう考えると、マイルズ・ケネディのボーカルってモロにHR/HMの声質&歌唱法ですもんね。だってスラッシュのもとでGUNS N' ROSESやVELVET REVOLVERの楽曲を歌ってもカッコいいわけで、それが妙に似合ってたんだから。“グランジ以降のシンガー”だけどそれだけじゃ終わらない、HR/HMシンガーとしての実力がしっかり兼ね備わっている。改めて納得です。

この曲がこうで、この曲はここがカッコいいと細かく書いてみたいところですが、このバンドに関しては僕が解説するよりも、まずはYouTubeなりストリーミングなりで実際に聴いて感じてほしい。僕がまさにそうだったように。



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投稿: 2017 03 06 12:00 午前 [2016年の作品, Alter Bridge] | 固定リンク