« AEROSMITH『TOYS IN THE ATTIC』(1975) | トップページ | AEROSMITH『DRAW THE LINE』(1977) »

2017/04/06

AEROSMITH『ROCKS』(1976)

『TOYS IN THE ATTIC』(1975年)が全米11位まで上昇するヒット作となり、一流バンドの仲間入りを果たしたAEROSMITH。彼らは精力的なツアーへ経て、前作から1年で続く4thアルバム『ROCKS』を1976年5月にリリースします。

プロデュースは前作、前々作から引き続きジャック・ダグラスが担当。サイケながらも音の太い2nd『GET YOUR WINGS』(1974年)、楽曲の幅が一気に広がったキャッチーな3rd『TOYS IN THE ATTIC』を経てバンドが向かった先は、なんと“純度の高いヘヴィロック”。1音1音のヘヴィさは『GET YOUR WINGS』とは質感が異なり、今作のほうがより音の密度が高い印象を受けます。それはより大きな音で今作を聴いたときに、よりご理解いただけるのではないかと。ぜひ一度、ヘッドフォンではなくスピーカーを通して、爆音で聴き比べてみてください。本当に違うので。

オープニングを飾る「Back In The Saddle」の不穏なイントロ、その空気を切り裂くかのように響き渡るスティーヴン・タイラーのシャウト、あえて6弦ベースを使ってヘヴィさを表現したジョー・ペリーのプレイ、どれもが過去3作とは異なる気迫を感じさせます。続く「Last Child」はイントロでこそバラードかと思わせておいて、すぐに引きずるようなファンク&ヘヴィなロックへと一変。そこから間髪入れずに攻撃的なファストチューン「Rats In The Cellar」へと続きます。この曲も同じアップテンポなのに、前作における「Toys In The Attic」とはまったく異なる輝きを見せます。「Toys〜」がキラキラ輝く宝石だとしたら、「Rats〜」は鈍い光を放つ鉱石……というのは言い過ぎでしょうか。

もちろんその後も「Combination」「Sick As A Dog」といったラフでルーズなロックンロール、ヘヴィメタルと呼んでも差し支えのない「Nobody's Fault」、ハネ気味のリズムが心地よい元祖ファンクメタル「Get The Lead Out」、軽快かつストレートなロックチューン「Lick And A Promise」、エモーショナルなピアノバラード「Home Tonight」と名曲目白押し。前作とはカラーは異なるものの、今作も捨て曲なしのロックアルバムと断言できます。

地を這うようなリズム隊と、鋭いソロプレイを聴かせるジョー・ペリー&ブラッド・ウィットフォードのギタリストチーム、そこに激しいシャウトを乗せていくスティーヴン・タイラー。まさにここがAEROSMITHの臨界点と言わんばかりに、目が離せないほどの眩い光と危うさが同居しているのが、この『ROCKS』という傑作の魅力ではないでしょうか。“ロックってアブナイものなんだよ”というのを体現した、70年代を代表する1枚です。事実、この時期からメンバーはドラッグまみれだったようですしね……。



▼AEROSMITH『ROCKS』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD

投稿: 2017 04 06 12:00 午前 [1976年の作品, Aerosmith] | 固定リンク