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2017/04/17

HANOI ROCKS『ALL THOSE WASTED YEARS』(1984)

HANOI ROCKSがオールキャリア中唯一発表したライブアルバムが、1984年にリリースされた本作『ALL THOSE WASTED YEARS』。日本では『燃えるロンドン・ナイト』の邦題でおなじみの1枚です。

本作は1983年12月、イギリス・ロンドンにある有名クラブThe Marquee Clubにてライブレコーディングされたもの。ちょうど3枚目のオリジナルアルバム『BACK TO MYSTERY CITY』を発表したあとで、本国フィンランドのみならずここ日本やイギリスで知名度を上げていた時期の、バンドとして脂の乗った演奏&パフォーマンスを楽しむことができます。

『BACK TO MYSTERY CITY』からの楽曲はもちろんのこと、それ以前の楽曲……チープな録音技術と未熟な演奏力で表現された初期の名曲たちが、ライブレコーディングというバンドの持ち味をもっとも生かした形で再現されています。曲によっては原曲よりもテンポを若干落とすことで、よりルーズでワイルドな魅力が加わったものも多く、「Don't Never Leave Me」なんて後のアルバム『TWO STEPS FROM THE MOVE』収録の「Don't You Ever Leave Me」に近いテンポ&アレンジで生まれ変わっています。

それにしてもベンチャーズの「Pipline」カバーから始まり、そのまま「Oriental Beat」へとなだれ込むオープニングは何度聴いても鳥肌モノ。そこから狂気さえ感じさせる「Back To Mystery City」へつなぐ構成も、さすがの一言です。マイケル・モンロー(Vo, Sax)のボーカルもアルバム以上に野太くてワイルド、そこにアンディ・マッコイ(G)のヘタウマコーラスがかぶさることで生じる価格反応。聴いていて思わず“これぞロックンロール!”とガッツポーズを取りたくなってしまうほどです。

「Until I Get You」や先の「Don't Never Leave Me」といったバラードナンバーも独特の味を出してるし、のちにマイケル・モンローのソロライブでもお約束となった「Tragedy」〜「Malibu Beach Nightmare」のメドレー構成はロック史に残したい名演のひとつだと断言したい。そこからポップで味わい深い「Visitor」「11th Street Kids」へと続き、狂気に満ちたブルースナンバー「Taxi Driver」、聴いていて胸がチクチクするほどセンチメンタルな「Lightnin' Bar Blues」と本当に名曲・名演満載。ラスト2曲がカバー曲(アリス・クーパー「Under My Wheels」、THE STOOGES「I Feel Alright」、YARDBIRDSやAEROSMITHでおなじみ「Train Kept A-Rollin'」)で締めくくるのも、もはや鉄板。実際のライブとはセットリストは異なり、アルバム用に構成され直しているものの、ライブの臨場感やバンドの熱量、そしてアルバムとしての起承転結はきっちり保たれています。個人的にはAEROSMITH『LIVE! BOOTLEG』と並ぶ“死ぬまで聴き続けたいライブアルバム”のひとつです。

なお、本作には同タイトルのライブビデオも同時期にリリースされています。こちらはアルバムと比較的構成は似ているものの、収録時間は60分未満というちょっと物足りなさを伴う内容。途中でメンバーのインタビュー(短いコメント)が挿入されたりするという難はあるものの、あの当時のライブを映像でじっくり楽しめるという意味では非常に貴重な作品です。しかも、アルバムのほうではカットされた、マイケルがボーカルを務めラズル(Dr)がボーカルを担当する「Blitzkrieg Bop」(RAMONESのカバー)がラストに収録されているので、ぜひこちらも機会があったら観てほしいです。



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投稿: 2017 04 17 12:00 午前 [1984年の作品, Hanoi Rocks] | 固定リンク