STONE TEMPLE PILOTS『CORE』(1992)
ALICE IN CHAINSが『FACELIFT』(1990年)でメジャーデビューをし、NIRVANAがメジャー第1弾アルバム(通算2枚目)『NEVER MIND』(1991年)、そしてPEARL JAMが『TEN』(1991年)、SMASHING PUMPKINSが『GISH』(1991年)という1stアルバムをそれぞれ発表し、SOUNDGARDENが『BADMOTORFINGER』(1991年)をドロップしたことで、1992年に入ると一気に盛り上がりが加熱したシアトルのグランジシーン。特にNIRVANA、PEARL JAMの大ヒットがその後のロックシーンを大きく変えていくことになるわけですが、この流れに呼応するかのようにカリフォルニアから1組のバンドがデビューします。それが今回紹介するSTONE TEMPLE PILOTSというバンドです。
……って説明、今更いらないと思いますが。スコット・ウェイランド(Vo)、ディーン・ディレオ(G)、ロバート・ディレオ(B)、エリック・クレッツ(Dr)の4人からなるこのバンドは、1992年9月にAtlantic Recordsからアルバム『CORE』でメジャーデビュー。日本盤リリースは確か翌1993年春頃だったと記憶しています。ちょうど1992年末から1993年初頭にかけて、FENなどのラジオ局でこのアルバムからのシングル曲「Sex Type Thing」を耳にするようになりまして、正直そのときは「PERAL JAMみたいな音、声だな。新曲か?」くらいに思ってたのですが、それがSTONE TEMPLE PILOTSという名前のバンドだと知ったのは、ちょっと時間が経ってからでした。
「Sex Type Thing」のALICE IN CHAINS+PEARL JAMな“グランジかぶれ”サウンドは評価よりも嘲笑の対象になりかねない1曲でしたが、アルバムを聴くとそのかぶれっぷりはさらにひどいもの……いや、東海岸で起こっていたムーブメントに対する西海岸からの回答と受け取れるような内容でした。
オープニング「Dead & Bloated」や「Where The River Goes」のタメを効かせたプレイや、「Wicked Garden」「Sin」あたりに漂うサイケデリック感はSOUNDGARDENにも通ずるものがあるし、「Creep」の枯れたアコースティックテイストはPEARL JAMともNIRVANAとも言えなくない。「Plush」のポップ感は……と、言い出したらキリがないのでこのへんに止めておきますが、とにかくあの時代の“良いとこ取り”なテイストはある意味卑怯でもあり、一周回って天才ですらあるなと。
ただね、どの曲もメロディやアレンジ、楽曲の作りは優れているんですよ。模倣からスタートしたのかどうかは別として、そこだけは素直に評価したい。結果、最初から最後まで素直に楽しもうとすれば最高のハードロックアルバムだと思いますしね。
また、本作の時点ではまだ露呈してなかったスコットの良くも悪くもカリスマチックな面は、作品を重ねていくごとに肥大しくことに。最終的にはそこがマイナスに働きバンド脱退〜オーバードーズでの急逝というバッドエンドへとつながるわけですが。
それと、すでに本作からも存分に感じられると思いますが、楽器隊の演奏能力の高さ、特にディーンのギタリストとしての非凡さはもっと評価されてもいいのではないかと思います。そのルックス含め、ジミー・ペイジ直系的印象が強いですし。
今ではそこまでネガティブに捉えられることはないと思う作品ですが、若い方々は偏見なく、そしてあの時代をリアルタイムで通過したおっさんおばさんたちは一度フラットな気持ちで本作に接してみてはどうでしょう。ほら、意外と良かったでしょ?
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