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2017/05/04

LINKIN PARK『A THOUSAND SUNS』(2010)

『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)発表後、世界7都市で同時開催されたチャリティイベント「LIVE EARTH」にて、東京公演に出演したLINKIN PARK。その後も同年秋の来日ツアー、2009年夏の「SUMMER SONIC 09」ヘッドライナーなど定期的に日本公演を行い、改めてトップバンドとしての存在感を見せつけました。

また、その間にも定期的に新曲/企画アルバムを発表していきます。2008年春にはラッパーのバスタ・ライムスとのコラボ曲「We Made It」、同年秋にはライブアルバム『ROAD TO REVOLUTION: LIVE AT MILTON KEYNES』をリリース。2009年春には映画『トランスフォーマー:リベンジ』の主題歌として新曲「New Divide」を書き下ろし、ヒットさせます。2010年初頭にはハイチ地震支援のチャリティアルバムに新曲「Not Alone」を、同年4月にはゲームアプリ「エイト・ビット・リベリオン!」に新曲「Blackbirds」をそれぞれ提供し、ニューアルバムが発表間近であることを感じさせました。

そして2010年9月、ついに4thアルバム『A THOUSAND SUNS』が発売。プロデュースは前作から引き続きリック・ルービンとメンバーのマイク・シノダが担当。シンプルなバンドサウンドを前面に打ち出した前作『MINUTES TO MIDNIGHT』から一変し、本作ではPro Toolsを大々的に使用したエレクトロ色の強い1枚に仕上げられています。また、本作は核戦争を題材にしたコンセプトアルバムでもあり、歌詞も政治的なメッセージの比率が高くなっています。それにより、チェスター・ベニントン&マイク・シノダのボーカルワークも前作以上に攻撃的で、曲によっては“4 Letter Word”の使用、ラップボーカルやスクリームが増えています。

そして、ビートも打ち込みを多用したほか、ラウドなギターが登場する場面が減退。バンドスタイルで各楽器が鳴らされるのではなく、各プレイがひとつの素材として存在している。それらをPro Toolsを通じて再構築していることから、バンド色が過去4作中もっとも希薄かもしれません。そういう点においては前作『MINUTES TO MIDNIGHT』とは異なる意味で、ラウドロックからの脱却が図られています。

『HYBRID THEORY』(2000年)から10年。もはやLINKIN PARKはデビュー時とは別のバンドになってしまった……と嘆くファンも少なくなかったと思いますが、ちゃんと聴けば『A THOUSAND SUNS』には『HYBRID THEORY』での彼らを見つけることができますし、『HYBRID THEORY』にもこの『A THOUSAND SUNS』へとつながる布石がちゃんと散りばめられている。つまり、彼らは決していきなり変化を遂げたのではなく、デビュー時から持っていたさまざまな可能性のひとつをこの4枚目のアルバムで試しただけ。そう受け取ることはできないでしょうか?

他のインダストリアルロックバンドやエレクトロロックバンドと比べても聴きやすさがしっかり保たれているのは、ちゃんと『HYBRID THEORY』から地続きなんだという証明だと、個人的には解釈しています。そういった意味でも、LINKIN PARKの全作品中もっとも好きな1枚です。



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投稿: 2017 05 04 12:00 午前 [2010年の作品, Linkin Park] | 固定リンク