LINKIN PARK『LIVING THINGS』(2012)
バンドの歴史上もっとも大きな変化を遂げた4thアルバム『A THOUSAND SUNS』(2000年)は全米1位という結果を残したLINKIN PARK。過去最大の賛否を引き起こした同作から2年経たずして発表されたのが、続く5枚目のオリジナルアルバム『LIVING THINGS』です。1年9ヶ月というリリースサイクルはバンド史上最短で、バンドが変化を遂げたことで得た刺激がそのまま続く今作にも反映されています。
コンセプチュアルな作風で全15曲で47分という聴き応えのあった前作から一変、今作はノンコンセプトで全12曲37分というコンパクトさ。また1曲1曲も非常にコンパクトで、そのどれもが2〜3分台。このあたりは、2ndアルバム『METEORA』(2003年)にも通ずるものがあります。
また、作風的にも前作『A THOUSAND SUNS』で手にしたエレクトロロック路線を軸にしつつも、初期2作のミクスチャーロック感、さらには3rd『MINUTES TO MIDNIGHT』(2007年)での王道ロック&歌モノ路線を取り込んだことで、『A THOUSAND SUNS』よりも聴きやすさが増している印象が強い。ノンコンセプトでさらっと聴けてしまうことから、イメージ的には『METEORA』にもっとも近いのかもしれません。
また、ラップボーカルやスクリームがさらに復活していることから、発売当時のキャッチコッピーにあった「新たな『HYBRID THEORY』」というたとえも納得できる。実際『A THOUSAND SUNS』よりもラウドさが戻ってきているし、ギターの存在感も復活している。でも、そのギターが主軸になるのではなく、あくまで各曲に色を添える程度の存在感で収まっている。そういう意味では本作で聴けるサウンドは、ニューメタルでもラップメタルでもない。ラウドロックからさらにはみ出し、独自の枠を作り上げたLINKIN PARKがデビューから12年でたどり着いた新たな場所。カテゴライズが好きな日本人には、当時このアルバムがどう映ったんでしょうね。
『A THOUSAND SUNS』がもっともお気に入りという自分にとっては、本作も当然お気に入りの1枚。また、『MINUTES TO MIDNIGHT』のような楽曲主体の方向性が好きという人にも、意外に受け入れられる1枚ではないでしょうか。
ちなみに、本作のプロデュースは三たびリック・ルービンとマイク・シノダが担当。『METEORA』から本作まで、4作連続で全米1位を獲得しています。
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