LINKIN PARK『ONE MORE LIGHT』(2017)
LINKIN PARKの3年ぶり新作『ONE MORE LIGHT』リリースに先駆けて、本サイトでは1stアルバム『HYBRID THEORY』から前作『THE HUNTING PARTY』までの全6作品を紹介してきましたが、ようやく真打登場です。
リードトラック「Heavy feat. Kiiara」を筆頭に、新曲が公開されるたびに今まで以上に賛否を呼び集めたLINKIN PARK。もはやバンドという形態すら放棄してるし、聴く人が聴けば「流行・売れ線に走りやがって」と思うことでしょう。そういう方はこんな駄文など読むのをすぐ止めて、自分が正しいと思う音楽を今後も聴き続けることをオススメします。ぶっちゃけ、時間の無駄ですから。
「Heavy feat. Kiiara」自体「いい曲じゃん。何が悪いの?」と思っていた自分のような人間にとって……いや、そもそもLINKIN PARK=『HYBRID THEORY』みたいな強いこだわりや固定観念がない人間には、今回も前と違うことやってるのね、程度のリアクションしかなく、アルバムはどうなってるんだろうな〜と呑気に考えていたのですが。やっぱり叩かれますよね、特に今回は。だって、すでにロックですらないんですから。
過去のレビュー6本のまとめ的記事として、本作のリリース日にリアルサウンドさんのほうに下記のコラムを寄稿しました。この『ONE MORE LIGHT』に関しても、基本的にはそちらにすべて書かれているのであわせて読んでいただけるとありがたいです。
Linkin Parkがアップデートした“自身の理論” 新作『One More Light』をバンドの変遷から紐解く(リアルサウンド)
さて。じゃあここでは何を書こうかといいますと……当然のように、毎回試聴会に参加するときはメモを残すのですが、今回もそのメモを晒してみようかと思います。過去にはMETALLICAやMASTODONなどで試みてますね。はい、今回もまったく一緒です。
基本的にはリアルサウンドさんのコラムの中に完璧なレビューを書いたので、そちらで十分なんですけど、こちらは副読本的ポジションでいいのかなと。はい。
M-1. Nobody Can Save Me
ゆったりとしたミドルテンポのロック。おおらかさ、優しさの中にエレクトロの香りも。オープニングからここまで多幸感を強く匂わせるLINKIN PARKのアルバムは初めてでは。若干EDMの匂いも。
M-2. Good Goodbye (feat. Pusha T & Stormzy)
先行公開曲その3。ヒップホップ色の強いダウナーなビート。バンドサウンドを完全放棄した、楽曲至上主義。
M-3. Talking To Myself
出だしがキラキラしたエレクトロサウンドだが、そのまま力強いバンドサウンドへ。歌に入るとダウナーなヒップホップのテイストも飛び出し、サビで再びロックバンドの主張強まる。まさに“ハイブリッド”な1曲。
M-4. Battle Symphony
先行公開曲その2。賛美歌をエレクトロで表現したかのような癒しのメロディ。気持ち良く楽しめるナンバー。
M-5. Invisible
先行公開曲その4。若干抑揚を抑えたメロディが前曲との対比を強める(リードボーカルはマイク)。ポップソングとしての究極型。ピアノのアウトロ含め最高。
M-6. Heavy (feat. Kiiara)
先行公開曲その1。公開と同時に今までにない賛否を呼んだ、現代的ダウナーR&BをLINKIN PARK流に解釈した1曲。にしても、これのどこが悪い? ロックじゃない? 冗談じゃない、LINKIN PARKはこの曲でしっかり“ロック”してるじゃないか。女性シンガー・キアーラとの歌声の絡みも絶妙。
M-7. Sorry For Now
現代的なヒップホップ+R&B×ロックをLINKIN PARK流に解釈した楽曲、その2。これもマイクのボーカルか。チェスターのエモーショナルなボーカルとはひと味違ったこのカラーも、今や完全にバンドの個性。落ちサビでチェスターも加わり、より2人の個性を際立たせている。
M-8. Halfway Right
アルバム全体に一本筋が通るように流れるビート感の統一性は圧巻。この曲も本当によくできたポップソングといった印象。そこにシンガロングパートが加わると、ゴスペルのごとく一気にスケールが大きくなる。チェスターらしいメロディ運びは、やっぱりLINKIN PARKそのもの。
M-9. One More Light
終始癒しの音色が響き渡るバラード。チェスターの声とブラッド・デルソンのギターを前面に打ち出した、まさにこのアルバムの肝。
M-10. Sharp Edges
アコースティックギターをフィーチャーした軽やかなナンバー。前曲で夜明けを迎え、ここで完全に朝になり活動し始める、そんな生命力を感じさせるラストにふさわし1曲。
※総評
これこそ『HYBRID THEORY』というタイトルがぴったりのアルバムでは。前作『THE HUNTING PARTY』が「バンドのルーツにあるアンダーグラウンドなラウドミュージックを、大人になった6人が今の解釈で表現したもの」だとしたら、今作は「現在シーンのど真ん中にあるサウンドを、6人が今の感性で表現したもの」。また前作が薄暗い地下室をイメージさせる1枚なら、今作は深夜から夜明けを迎える数時間を捉えたような構成。対極にある作品だからこそ、方向性も表現方法もまったく異なるのは納得。散々ロックが売れない、ロックは終わったと叩かれるのなら、ロックバンドが「“ロック以外の音楽”を使ってロックを表現」してもいいんじゃないか。このアルバムはそのとっかかりになるような気がする。
▼LINKIN PARK『ONE MORE LIGHT』
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