OZZY OSBOURNE『THE ULTIMATE SIN』(1986)
1986年初頭にリリースされた、オジー・オズボーン通算4作目のソロアルバム。参加メンバーはオジー、ジェイク・E・リー(G)、フィル・スーザン(B)、ランディ・カスティロ(Dr)。プロデュースは当時SURVIVOR『VITAL SIGNS』(1984年)、HEART『HEART』(1985年)を手がけてヒットさせたロン・ネヴィソンが担当しており、過去3作の仰々しいブリティッシュヘヴィメタルサウンドがここで一気にアメリカナイズ&産業ロック化されてしまいます。
もちろん、これは当時オジー(やマネージャーであり妻のシャロン)がこれらの作品を気に入ったことで起用したわけですが、当時はファンから酷評された記憶があります。
が、しかし。僕自身初めて聴いたオジーのアルバムが本作。そんな酷評なんて知らなかったもんだから、純粋にMTVから流れてくる「Shot In The Dark」や「The Ultimate Sin」に心奪われ、アルバムに手を出したわけです。
確かに曲によってはやりすぎってくらいにシンセを重ねているし、どこか軽薄さの感じられるメロディも存在する。でも、アルバムを通して聴くと「そこまで気にするほどか?」と思ってしまうのも事実。過去との比較で音楽を聴いているわけではないので、これはこれで純粋に楽しめる作品集なんじゃないでしょうか。
ジェイクのギタープレイも前作『BARK AT THE MOON』以上に個性が確立されていますし、ギターをかじったことがある人なら思わずコピーしたくなるリフやフレーズも多いはずです。特に「Secret Loser」はその代表的な1曲だと思いますよ。このギターソロ、本当に難しいんだよね……。
ザック・ワイドル加入以降のオジーしか生で観たことない自分は、本作からライブで耳にしたことあるのは「Shot In The Dark」。その後もほとんど取り上げられることはないんですよね。それもあってか、本作は2000年代に入ってからのリマスター版カタログから、オリジナルアルバムとしては唯一外されているという。これは噂ですが、フィル・スーザンと揉めて彼に印税が行かないようにするためなんだとか(そういえば、1997年のベストアルバム『THE OZZMAN COMETH』も、ある時期から「Shot In The Dark」が「Miracle Man」に差し替えられましたしね)。
オジーのアルバムで唯一ダブルボーカル(同じ歌声を2つ重ねる手法)じゃないとか、そのほかにもいろいろ気になるトピックはありますが、リリースから30年以上経った今聴いても、良いものは良い。それでいいじゃないですか。個人的にはオジーの作品群でかなり好きな部類です。
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