HARRY STYLES『HARRY STYLES』(2017)
「人は見かけによらない」。いや、「人を見た目で判断してはいけない」のほうが正しいかな。自分にとってこの言葉が最適なのが、今回紹介するONE DIRECTIONのハリー・スタイルズが発表したこの初ソロアルバム。多くの“外野”同様、筆者自身も彼のことをボーイズアイドルグループの一員という偏見で見ていたけど、それによって彼が本来持ち合わせていた才能にまったく気づけなかったとは。ホント、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
本作収録曲の大半はジャマイカで書かれたとのこと。そのせいもあってか、「新しい時代の兆し」と命名された1stシングル「Sign of the Times」含め、どの曲もオーガニックで、どこかサイケデリックな香りがする。時にそれはKULA SHAKERが醸し出すインドテイストのロック/ポップソングのようでもあり、不思議と耳に、体に馴染んでいく。うん、シンプルに気持ち良いサウンドと歌なんですよ。
特に頭2曲(「Meet Me in the Halfway」「Sign of the Times」)で内省的な雰囲気を与えつつ、続く「Carolina」では中期ビートルズ的なサイケデリックロックでさらに自分の懐へと惹きつける。いわゆる「ボーイズアイドルグループがやりそうな仰々しいラブバラード」は皆無で、それこそ本作が1Dメンバーによるものだと知らなかったら、超個性的な男性シンガーがデビューしたと歓喜していたのかも……そう思うと、本当に先入観ってよくないですね。ごめんなさい。
歌詞も単なるラブソングから一歩踏み込んで、自身の内面と対峙するかのようにディープなものばかり。ロビー・ウィリアムズしかりジャスティン・ティンバーレイクしかり……もっと言えばジョージ・マイケルもしかり……彼らは大ブレイクしたグループを飛び出して個を主張することで、思いもしない方向へと到達し、新たな支持層を獲得してきましたが、きっとこのハリーも先人たち同様にここから一気に確変するはず。ロックもポップもソウルも全部飲み込んだこのアルバムは、間違いなくその最初の一歩になるはずです。
※このレビューは本作リリース時に『TV BROS.』に掲載されものを、加筆・修正して掲載しております。
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