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2017/06/10

HAREM SCAREM『UNITED』(2017)

今年で結成30周年を迎えるカナダのHRバンド、HAREM SCAREMが4月にリリースした通算14作目のスタジオアルバム。2008年に一度解散し、2013年に再結成を果たした彼らは同年に名作2ndアルバム『MOOD SWING』のリテイクアルバム『MOOD SWING II』を発表し、翌2014年には新曲のみのオリジナルアルバム『THIRTEEN』を制作と再始動後も順調に活動を重ねています。

3rdアルバム『VOICE OF REASON』(1995年)でダークなサウンドに傾倒し始め日本のファンをがっかりさせ、5th『BIG BANG THEORY』(1998年)あたりからパワーポップ寄りの楽曲にも着手し始めたHAREM SCAREMですが、再結成後は多くのファンが望む“1st〜2ndアルバム路線”を踏まえつつ大人になったバンドの姿を見せています。この最新作でもその方向性は変わっておらず、むしろその純度がより高くなっているように感じられました。

前作『THIRTEEN』も決して悪いアルバムではなかったし、むしろ好きな作品ではあったんですが、今作はとにかく1曲1曲の完成度が無駄に高い。アルバムによっては1曲くらい「う〜ん、個人的に好みじゃなけど、こういう曲が好きなリスナーもいるしな……」という曲が入っていてもおかしくないところを、今作はどの曲も両手をあげて大歓迎したくなる良曲ばかり。適度にハードで適度にポップ、そしてメロディやサウンドから爽快感が感じられるハードロックと表現すればいいのでしょうか……90年代の彼ら(主に1st〜2ndあたり)に感じられた“ビッグプロデュース”はそこにはなく、地に足のついた等身大のサウンドで、ファンが求めるサウンドと「大人になった今だから表現できるサウンド」をバランス良く融合させている。そこには攻めのハードロックもあれば、パワーポップ調のゆるやかな楽曲もあり、無駄にバラードで水嵩を増すようなこともしない。11曲全45分という適度な長さも功を奏し、何度もリピートしたくなる極上のハードロックアルバムに仕上げられているのです。

イントロの時点で若干ダークで激し目の楽曲なのかと不安にさせておいて、メインリフが入ると豪快かつ爽快感のあるキャッチーなハードロックで聴き手を喜ばせてくれる「United」から、続く「Here Today Gone Tomorrow」「Gravity」と、とにかく頭から心を鷲掴みにされっぱなし。その後もこのテンションを崩すことなく、ドラマチックなラストナンバー「Indestructible」で締めくくる。個人的には2000年代に入ってからの彼らのアルバムでもっとも気に入っています。こういう良質なアルバムがジャンルの分け隔てなく、もっといろんなリスナーに「いいね!」と言ってもらえるような時代が戻ってくるといいな。



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投稿: 2017 06 10 12:00 午前 [2017年の作品, Harem Scarem] | 固定リンク