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2017/07/23

ALICE IN CHAINS『BLACK GIVES WAY TO BLUE』(2009)

2002年4月、レイン・ステイリー(Vo)の急死をもって、その活動に幕を下さざるをえない状況に追い込まれたALICE IN CHAINS。それから4年後、彼らは新ボーカリストにウィリアム・デュヴァールを迎え再始動。オリジナルアルバムとしては1995年の3rd『ALICE IN CHAINS』から実に14年ぶりに発表されたのが、本作『BLACK GIVES WAY TO BLUE』です。

ミドルテンポで引きずるようにヘヴィで陰鬱なスラッジサウンドはそのままに、あの“聴いてるだけでどこか不安な気持ちになってくる”も健在。冒頭2曲「All Secrets Known」「Check My Brain」を聴けば、間違いなく「あのALICE IN CHAINSが帰ってきた!」と実感できるはずです。

3曲目「Last Of My Kind」に入り、ようやくウィリアムの本領発揮。レインのような“爬虫類的でカリスマチックな”歌声ではないものの、深みのあるパワフルな歌声を響かせてくれる。最初こそこのALICE IN CHAINSサウンドに別の声が乗ることに違和感があったけど、何度か聴き返しているうちにそれも慣れてくると思います。

全体的な構成は、前作にあたる『ALICE IN CHAINS』の延長線上にある作風。しかし、レインのドラッグ癖で思うように活動できず無理矢理仕上げた感も多少なりともあった『ALICE IN CHAINS』と比べると、本作はより整理されている印象が強い。もちろん、前作はその無理矢理感が良い方向に作用していたわけで、あれと同じもの、あるいはそれに近いものを再び作ることは不可能。そういう意味では、ここには前作で試みた挑戦の完成型が存在しているのではないでしょうか。あの当時は『ALICE IN CHAINS』こそがAICサウンドの究極型だと思っていたけど、その続きがあったとは(いや、その続きが聴けることになるとは)……長生きはしてみるものですね。

ジェリー・カントレル(G, Vo)がメインで歌う「Your Decision」なんて、まんまALICE IN CHAINSじゃないですか(当たり前の話ですが)。でも、そこには不条理さも混沌さも存在しない。それが聴く人によってはもの足りなさにつながるかもしれませんが、1枚のロックアルバムとしての完成度は非常に高い。グランジブームが終焉した1994〜5年頃から10数年経ち、ようやく本家のうちの1組が万全の体制で“あの頃”にけじめをつけた。この『BLACK GIVES WAY TO BLUE』はそういう、今後活動を続けていくために作らなくてはいけなかったアルバムなんじゃないでしょうか。

「Your Decision」のラストフレーズ“It's Over”を耳にするたび、そう思わずにはいられません(で、前作のラストナンバーが「Over Now」だったのにも、何かの因縁を感じるという)。



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投稿: 2017 07 23 12:00 午前 [2009年の作品, Alice in Chains] | 固定リンク