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2017/07/17

ORGY『CANDYASS』(1998)

1998年晩夏にリリースされたLA出身のヘヴィロックバンド、ORGYのメジャーデビューアルバム。インダストリアルの要素を取り入れたそのサウンドについて、本人たちは“デス・ポップ”と呼んでいたようですが、正直どこまで定着していたかは不明です。ただ、“乱行パーティ”を意味するそのバンド名、KORN主宰レーベル「Elementree Records」からのデビュー、そしてNEW ORDERの名曲中の名曲「Blue Monday」をカバーしたことが大きな話題となり、本作は全米32位、100万枚を超えるヒット作になりました。

インダストリアル調のリズムとデジタルを同期させたバンドサウンドはどこかNINE INCH NAILSを彷彿とさせるものの、あそこまでのカリスマ性が感じられないのも事実。とはいえ、ところどころに引っかかりのあるメロディが散りばめられており、決して駄作とは言い切れない。陰鬱だけど耽美さも感じられる空気感は、同年に発表され大ヒットしたMARILYN MANSON『MECHANICAL ANIMALS』にも通ずるものがあるんじゃないでしょうか。そう考えると1994年頃を起点にスタートした新世代ヘヴィロックの波が、この1998年を境に新たな方向に進み始めたと言えなくもありません。

ちなみにこのバンド、元ROUGH CUTTのアミア・デラク(G)が参加しているというのも興味深いところ。L.A.メタルが生き絶え、グランジが世の中を席巻していた時期に、アミアは時代の波に乗ってこういうことを始めたんだなと思うと、なんとも涙ぐましいものを感じてしまいます。

そんなL.A.メタル界隈の人間が絡むバンドが、NEW ORDERの「Blue Monday」をカバーしているのも、非常に味わい深いものがあります。この時期、ヘヴィロックバンドが80年代のヒット曲をカバーするのは一種の流行りみたいなものでしたが、ORGYもその流れに乗ってヒットを手にするのですから、賢いというかなんというか。このカバーがまたド直球で、嫌いになれないんだよね(アルバムの中では比較的浮いている存在なんだけど)……。

アルバムにはこのほか、KORNのジョナサン・デイヴィス(Vo)も「Revival」で共作&ゲストボーカルで参加しています。かといって作品自体はKORN界隈の一派というよりも、「NINE INCH NAILSやFILTERといったバンドが好きな人なら気にいるかも」といった内容かも。当時はハイプ的存在だったかもしれないけど、今となっては悪くないんじゃないかな。10数年ぶりに聴きましたが、リリース当時よりも素直に楽しめましたよ。



▼ORGY『CANDYASS』
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投稿: 2017 07 17 12:00 午前 [1998年の作品, Korn, New Order, Orgy] | 固定リンク