STONE SOUR『HYDROGRAD』(2017)
SLIPKNOTのフロントマン、コリィ・テイラー(Vo)による別バンド、STONE SOURの4年ぶり、通算6枚目のスタジオアルバム。
前々作『HOUSE OF GOLD & BONES - PART 1』(2012年)および前作『HOUSE OF GOLD & BONES - PART 2』(2013年)が連作かつコンセプチュアルな作品だったこともあり、無駄に小難しさを与えてしまった印象もなきにしもあらずですが、そういうこと抜きにしてもよくできたヘヴィロックアルバムだったんですけどね。ただ、個人的には半年というスパンで2枚のアルバムを出す理由がいまいち掴めなかったというか。だったら2枚同時か2枚組にしてほしかったなと。1年ぐらい間が空けば1枚1枚をじっくり楽しめたと思うんですが、そこまで体に馴染む前に新しいのが出ちゃって、結局そこまで両方楽しめなかったというのが本音なので。
で、STONE SOURとしてはその後、HR/HMの名曲たちをまんまカバー(というかほぼコピー)した2枚のEP(『MEANWHILE IN BURBANK…』『STRAIGHT OUTTA BURBANK…』)を2015年に発表し、そこから1年半経った今年6月末にこの『HYDROGRAD』というオリジナルアルバムを発表したわけです。
えーっと、最初に聴いたときはとにかく驚きました。いや、驚いたというよりもぶったまげた、と言ったほうが正しいか。良い意味で予想を裏切ってくれた、清々しいまでにまっすぐなHR/HMアルバムなんですよこれが。
SLIPKNOTと比べれば存分にメロディアスなんだけど、やはり餅は餅屋というか、特に前2作にはヘヴィさや重苦しさがつきまとっていたわけです。ところが、HR/HMの名曲コピーに勤しんだこともあり、今作では自らのルーツに立ち返ったと言わんばかりに、シンプルでど直球なストリングスタイルのHR/HMを聴かせてくれるんです。もちろんアレンジにおける味付けには現代的なフレイバーが散りばめられていますが、それは許容範囲内。30〜40代のリスナーが進んで楽しめる要素が芯にしっかりあるから、問題なく楽しめるわけです。
コリィの歌唱スタイルやメロディの運び方、そしてメロディアスかつフラッシーなギタープレイ含め、ここにあるのは間違いなく80年代の黄金期の影響下にあるHR/HM。スタート時こそ90年代のオルタナロック〜グランジからの影響が強かったものの(もちろん本作にもその要素はしっかりありますが、それ以上に王道色のほうが強い)、ここで一気に開き直ったというか先祖返りしたというか。ホンモノが求められるこんな時代だからこそ、彼らのようなバンドがこういう音を鳴らしてくれるのは本当に嬉しい。これを聴いたからって、別にSTONE SOURがNICKELBACKになったとは誰も思わないって(笑)。
70分近くもある大作(全15曲入り)ですが、珍しく最後まで飽きずに楽しめる1枚でした。しかも日本盤にはさらにボーナストラックとして、VAN HALEN「Unchained」のカバーを追加。これも先のカバーEPの名残りですね。おまけとしては十分。ぜひ日本盤で購入することをオススメします。
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