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2017/07/10

THE CULT『SONIC TEMPLE』(1989)

リック・ルービンをプロデューサーに迎えた1987年の3rdアルバム『ELECTRIC』で、ゴシックテイストのニューウェイブサウンドからハードロック路線へとシフトチェンジし、それなりに成功を収めたTHE CULT。続く1989年の4thアルバム『SONIC TEMPLE』では時代の寵児ボブ・ロックをプロデューサーに迎え、より硬質なサウンドへとビルドアップさせます。

初期の『DREAMTIME』(1984年)や『LOVE』(1985年)のイメージは完全に払拭され、音だけ聴けば同時期に制作されたBLUE MURDERの1枚目MOTLEY CRUE『DR. FEELGOOD』、あるいはBON JOVI『NEW JERSEY』AEROSMITH『PERMANENT VACATION』にも通ずるものがあります。もちろんそこを狙っての起用なんでしょうけど、リック・ルービンらしさ満載のスカスカなハードロック(『ELECTRIC』)とはある種対局の作品を完成させたなという印象があります。

それは楽曲の構成にも端的に表れており、3分前後の楽曲が中心だった前作から一変、今作では4〜5分台の楽曲が中心で、オープニングの「Sun King」は仰々しいオープニングを含む6分超え、「Soul Asylum」に至っては7分半もあるのですから驚きです。

もちろん、ただ長くすればいいってわけじゃないい。そこはボブ・ロックが絡んでいるので問題なし。過剰なまでにドラマチックなアレンジが施されたことによって、THE CULTというバンドが本来持ち合わせていた“湿り気”が強調される結果となりました。むしろ前作のカラッとしたサウンドが異質なわけで、本作で聴ける音/アレンジのほうが実は本来の彼らに近いのでは……という錯覚に陥ってしまうのですから(笑)、さすがとしか言いようがない。

イアン・アストベリー(Vo)のボーカルも絶好調だし、なによりもビリー・ダフィー(G)のギターの暴れっぷりといったら。その後も印象的なギタープレイが聴ける作品はいくつかありますが、「American Horse」みたいにハードな曲ではグイグイ攻め、「Edie (Ciao Baby)」のような聴かせる曲では引きのプレイで印象づける、バランスの良いギタープレイを楽しむという点においては本作が随一ではないかと思います。

当時MTVや『PURE ROCK』(TBSで日曜深夜に放送されていた、HR/HM専門プログラム)で「Fire Woman」のMVが頻繁に流れていた印象があり、「ああ、THE CULT売れてるなぁ」なんて思ってましたが、実際に本作は全米10位という最大のヒット作になったんですよね。「Fire Woman」自体も全米46位とバンド史上最大のヒット曲になったし、他にも「Edie (Ciao Baby)」が全米93位まで上昇。後にも先にも、Billboard TOP100にランクインしたのはこの2曲のみ。

あ、本作のレコーディングではブライアン・アダムスのバンドでおなじみのミッキー・カリー(Dr)がドラムを叩いてますが、ツアーではのちにGUNS N' ROSESに加わるマット・ソーラムが参加していたのも、この時期の特筆すべきポイントです。



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投稿: 2017 07 10 12:00 午前 [1989年の作品, Cult, The] | 固定リンク