EUROPE『THE FINAL COUNTDOWN 30TH ANNIVERSARY SHOW: LIVE AT THE ROUNDHOUSE』(2017)
1986年に発表されたEUROPEの3rdアルバムにして最大のヒット作『THE FINAL COUNTDOWN』のリリース30周年を記念して、2016年秋にヨーロッパで行われたアニバーサリーツアーから、11月12日のロンドン公演を収録したライブ作品。国内盤、輸入盤ともにDVD+2CD、Blu-ray+2CDというフォーマットで発売(音源パートのみ配信版も)。少々お高いですが、名作が1曲目からラストまで完全再現された、ここ日本では実現しなかったツアーの模様をたっぷり楽しむことができます。
本稿ではこのうち、ライブ音源のほうにスポットを当てて取り上げたいと思います。
ライブは2部構成となっており、前半12曲(CDでいうディスク1)が現時点での最新アルバム『WAR OF KINGS』(2015年)を、曲順はバラバラだけど全曲演奏(日本盤ボーナストラックとして追加収録されたインスト曲「Vasastan」含む)。で、後半11曲(CDディスク2)が『THE FINAL COUNTDOWN』完全再現となっています。
本作と通して久しぶりに『WAR OF KINGS』の楽曲に触れたのですが……音源よりもライブのほうが生き生きしているように感じました。再結成後のEUROPEは常に2nd『WINGS OF TOMORROW』(1985年)や3rd『THE FINAL COUNTDOWN』の再現およびそれに近いサウンドを求められ続けており、非常に不幸だなと感じているのですが……個人的には再結成後に発表された7th『SECRET SOCIETY』(2006年)や続く8th『LAST LOOK AT EDEN』(2009年)はかなりの良作だと思っているので、残念でなりません。
復帰一発目『START FROM THE DARK』(2004年)からもわかるように、再結成後のEUROPEのベースにあるのは、80年代のRAINBOWやDEEP PURPLEだと思われます。その基本路線はそのままに、時にモダンに、時にプログレッシヴにと味付けを変えていますが、『WAR OF KINGS』では一周回って『START FROM THE DARK』でやりたかったことを新たなプロデューサーのデイヴ・コッブ(RIVAL SONSなど)を迎えて再構築した原点回帰の1枚だと思っていました。
改めてこのライブ音源を聴いて、その思いは間違ってなかったと確信できました。確かに80年代のジョーイ・テンペスト(Vo)と比べたら高音が出てないし、歌メロも平坦かもしれない。ジョン・ノーラム(G)のギターワークもレイドバックしすぎて面白みがないと感じるかもしれない。だけど、この歌声と、どこか“らしさ”を感じさせる歌メロを聴くと、僕はこのEUROPEも嫌いになれないし、むしろ(個人的趣味のせいもあり)この路線を愛せてしまうのです。
まぁ『WAR OF KINGS』スタジオアルバム自体については、別の機会に語るとして……。
気になる『THE FINAL COUNTDOWN』完全再現ですが、これはもう……言うまでもないでしょう。最近演奏されていないアルバムB面曲(「On The Loose」とか「Love Chaser」とか)が改めて聴けた喜びと、この慣れ親しんだ曲順。そして、何百万回聴こうが、半ばギャクと化そうが、「The Final Countdown」のイントロリフを聴けば、アガらずにはいられないのです。これは10代で80年代をリアルタイム通過したリスナーの性なのです。うん、今でも全曲歌えるもんな。
ダウンチューニングが気になるとか、ライブ前半パート(『WAR OF KINGS』全曲)との落差が気になるとかいろんな声があると思うけど、これが2017年現在のEUROPE。10月には早くも最新オリジナルアルバム『WALK THE EARTH』もリリースされるようで、こちらもおそらく『WAR OF KINGS』路線であることは間違いないと思うけど、それでも僕はこれからもEUROPEの新作を、再結成後の諸作とともに聴き続けると思います。

▼EUROPE『THE FINAL COUNTDOWN 30TH ANNIVERSARY SHOW: LIVE AT THE ROUNDHOUSE』
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