REEF『GLOW』(1997)
ブリットポップ全盛のイギリスで、無骨でオールドスクールなハードロックとダンサブルなビートを取り入れたデビュー作『REPLENISH』(1995年)が全英トップ10入りを果たすなど、いきなり好成績を残したREEF。彼らが1997年1月に発表したのが、今回紹介する2ndアルバム『GLOW』です。
デビューアルバムでは古臭さとモダンさがミックスされた、非常に“イマドキ”感を匂わせた存在で、当時は音源自体は好きだったけどそこまでのめり込むほどではなかったんですが……この2ndアルバムに先駆けてリリースされたシングル「Place Your Hands」によって、それまでの印象を一新されてしまったのでした。
本作のプロデュースを手がけたのは、THE BLACK CROWESの諸作品やPRIMAL SCREAM『GIVE OUT BUT DON'T GIVE UP』(1994年)、RIDE『CARNIVAL OF LIGHT』(1994年)などで知られるジョージ・ドラクリアス。アルバム全体はこれらのアーティスト、作品から想像できるアーシーで生々しい、ストロングスタイルのロックアルバムに仕上げられています。
デビューアルバムではどこか線の細さが感じられたゲイリー・ストリンガー(Vo)の歌声も、「Place Your Hands」を聴けばわかるように非常に骨太に進化しているし、「Consideration」のようなゴスペルバラードではファルセットを駆使した艶やかな声も聞かせてくれる。楽曲自体もどれもよく練り込まれたものばかりで、「Yer Old」みたいな高速ナンバーから、『STICKY FINGERS』(1971年)期のROLLING STONESを彷彿とさせる「Summer's In Bloom」、モダンなダンスミュージック色を導入した「Robot Riff」など単なるロックンロールアルバムでは済まされない、バラエティ豊かな1枚となっています。このへんはうまく時流に乗った、と受け取ることもできるでしょうけど、デビュー作の時点で持ち合わせていたモダンさが単に後退しただけでなく、見えないところでエッセンスとして効いていると理解するのが正解かもしれません。
「Place Your Hands」(全英6位)や「Come Back Brighter」(全英8位)など4曲のシングルヒットを生み出した本作は、アルバム自体も初の全英1位を獲得。当時のムーブメントの影響もあるとはいえ、こういう土着的なロックは90年代後半のイギリスで受け入れられたという事実は今考えると、非常に興味深いものがありますね。
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