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2017/08/01

SABATON『THE LAST STAND』(2016)

スウェーデン出身のパワーメタルバンド、SABATONが2016年8月に発表した通算8作目のオリジナルアルバム。前作『HEROES』(2014年)が本国で初のチャート1位を獲得し、イギリスでも過去最高の59位にランクイン。翌2015年10月には『LOUD PARK 15』で初来日を果たし、その圧巻のパフォーマンス(戦車を象った大型セットなどの演出含む)でここ日本のファンを虜にしたのも記憶に新しいと思います。実は自分もそのひとりで、それまでなぜかスルーしていたものの、あの日のライブで完全にノックアウト。帰り道、気づけば彼らの音源を可能な限り揃えていたのでした。

続く本作も本国スウェーデンで1位に輝き、イギリスでは17位という好成績を残しています。また、フィンランドとスイスで1位、ドイツ、オーストリア、ポーランドでは2位にランクイン。本作『THE LAST STAND』を携えた2016年の『Wacken Open Air』では初のヘッドライナーも務めるほどで、もはやヨーロッパ/北欧ではトップクラスの人気といっても過言ではありません。

彼らは世界中で過去に起こった戦争や争い、そこに携わった兵士たちをモチーフに作品作りを続けており、本作でも「Sparta」が紀元前の“テルモピュライの戦い”がテーマになっていたり、他にも神聖ローマ帝国によるローマ略奪を歌った「The Last Stand」、バノックバーンの戦い(イングランド対スコットランド)がテーマの「Blood Of Bannockburn」と歴史的に古いものから、第一次大戦や第二次大戦がテーマの楽曲(「The Last Battle」など)、日本の西南戦争・城山の戦いを歌った「Shiroyama」(ジャケットに武士が登場するのも、その影響か)のほか、1988年のアフガニスタン・3234高地の戦いを扱った「Hill 3234」と、近代史もピックアップされています。

……と、ここまで書いていて「もしかして、それを理由に難しいと感じて触れることに躊躇してしまうのでは?」と気づきました。ああ、それって以前の自分じゃないか、って。まさに自分も、そういった小難しさが先に立って、彼らの音を聴くまでに至らなかったのですが、皆さんそんな心配は無用です。北欧メタル、パワーメタル、クサメタルなどなど……そういったワードにピンときた人なら大丈夫。ここには男臭くてカッコイイ、みんなで大合唱できるようなパワフルなヘヴィメタルが満載ですから。

シンセを適度に用いた楽曲の数々は、時に壮大さを感じさせ、時に哀愁味を強め、時にポップでキャッチー、しかもシンガロングしたくなる。1曲1曲は4分前後とコンパクトで、変に演奏で引っ張った長尺曲に走ることもない。全11曲で37分程度というトータルランニングも潔い。ライブDVD付き仕様にはJUDAS PRIEST「All Guns Blazing」、IRON MAIDEN「Afraid To Shoot Strangers」などのカバーも収録。これらもすべて、戦にちなんだ選曲となっているのはさすがです。

本作リリースから1年強。いよいよ今年10月に『LOUD PARK 17』で再来日するSABATON。前回の来日からギタリストのチェンジがあったものの、今回も初来日と変わらぬハイパーアクティブなステージを見せてくれることでしょう。楽しみ楽しみ。



▼SABATON『THE LAST STAND』
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投稿: 2017 08 01 12:00 午前 [2016年の作品, Sabaton] | 固定リンク