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2017/09/23

PEARL JAM『VS.』(1993)

1993年秋に発表された、PEARL JAMの2ndアルバム。デビュー作『TEN』(1991年)が想像を超えるメガヒットを記録したこともあり、本作はBillboard 200で初登場1位を獲得。しかも発売1週で100万枚近いセールスに達する、その後10年近く塗り替えられることのない大記録を達成するのでした。売り上げ的にも、1000万枚を突破したデビューアルバムに次いで700万枚というバンド史上2番目に売れた作品となりました。

デビュー作があれだけ売れて、実際バンドは相当なプレッシャーを感じていたことかと思います。しかし、PEARL JAMは前作を踏襲しつつも、攻めに転じたロックアルバムを完成させます。

リック・パラシャーをプロデューサーに迎えた前作は、全体的に“どこか作り込まれた”感のあるサウンドプロダクションでしたが、今作ではその後タッグが続くことになるブレンダン・オブライエン(AEROSMITHRED HOT CHILI PEPPERSなど)をプロデューサーに、より生々しくて尖った質感のサウンドへと変化。実際、このプロダクションのおかげでオープニングのアップチューン「Go」の攻めっぷりや、ワイルドなミディアムチューン「Animal」のダイナミックさから「前作までとは違うロックバンド感」が伝わるはずです。

楽曲的には「Daughter」や「Dissident」「Leesh」など『TEN』での大陸的アメリカンハードロック路線を引き継ぎつつ、前のめりな「Go」や「Blood」、アルペジオ調リフを用いた「Rearviewmirror」、軽やかな「Glorified G」、うねるベースラインが印象的な「Rats」など音楽性の広がりが感じられます。

バカ売れした作品の次だけにかなり苦労したことが見え隠れする内容ですが、そのプレッシャーをはね退け、前作でファンになったリスナー、そして純粋にアメリカンロックが好きなリスナー双方にアピールする力作を仕上げたんじゃないかと思っています。

ですが、歌メロなどの強さでいうと、前作のほうがちょっとだけ勝るかな。そういう意味では、アルバム全体の流れや雰囲気で勝負する作品なのかなと思いました。そう言いながらも、リリース当時はアホみたいに聴きまくった1枚なんですけどね。

ちなみに、本作ではミュージックビデオが1本も制作されていません。メジャーレーベルにいながら、こういったアンチメジャー、アンチプロモーション的な姿勢はここからしばらく続きます。



▼PEARL JAM『VS.』
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投稿: 2017 09 23 12:00 午前 [1993年の作品, Pearl Jam] | 固定リンク