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2017/09/10

HANOI ROCKS『SELF DESTRUCTION BLUES』(1982)

海外では1982年夏にリリースされた、HANOI ROCKS通算3作目のスタジオアルバム……ということになってますが、正確には1980〜82年にシングルのみで発表された楽曲を寄せ集めたコンピレーションアルバム。とはいえ、正式なスタジオアルバムと言われても納得してしまうほど、このバンドらしさに満ち溢れた1枚と言えるかもしれません。

例えば1stアルバム『BANGKOK SHOCKS, SAIGON SHAKES, HANOI ROCKS』(1981年)よりも前に発表された事実上のデビューシングル「I Want You」(1980年)や「Desperados」(1981年)、「Dead By X-Mas」(同年)のほか、当時の最新シングル「Love's An Injection」といった楽曲が含まれているほか、シングルのB面(カップリング)曲として発表されたもののライブではすでに人気の高かった「Taxi Driver」「Beer And A Cigarette」「Problem Child」など意外と重要な曲も収録されており、ファンならずとも聴き逃せない作品集となっています。

音楽的にもバラエティに富んでおり、ストレートなパンクチューン「Problem Child」やピアノを効果的に用いたポップな「Love's An Injection」「Café Avenue」「Dead By X-Mas」、ディスコビートを導入したパーカッシブな「Kill City」、のちにマイケル・モンロー(Vo)のソロ作や再結成HANOI ROCKSなどで何度かセルフカバーされる表題曲「Self Destruction Blues」、シンセの導入によりどこかニューウェイブ色が感じられる「Whisper In The Dark」、レゲエテイストの「Desperados」など、とにかく一筋縄でいかないこのバンドの個性がもっとも強く表れた内容ではないでしょうか。

ライブバンドとしては非常に“真っ直ぐ”なイメージの強い彼らですが、実は音楽的にはここまで雑多なロックバンドだということを知る上で、本作は非常に重要な作品集だと思います。特に解散後はこういったコンピレーション盤がいくつもリリースされましたが、このバンドをよく知る上では本作のほか、後期シングルにのみ収録されたレア曲とラズル(Dr)急逝後に制作されたデモ音源を含む『LEAN ON ME』(1992年)はぜひとも聴いておきたいところです。

そういう意味ではこのアルバムは、初期HANOI ROCKSの“裏ベスト”とも言えるのではないでしょうか。個人的には非常にお気に入りの1枚です。



▼HANOI ROCKS『SELF DESTRUCTION BLUES』
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投稿: 2017 09 10 12:00 午前 [1982年の作品, Hanoi Rocks] | 固定リンク