LIVING COLOUR『SHADE』(2017)
2017年9月にリリースされた、LIVING COLOUR通算6枚目のオリジナルアルバム。再結成後3作目、前作『THE CHAIR IN THE DOORWAY』からは実に8年ぶりの新作となります。
ヴァーノン・リード(G)は本作について「ブルースのパイオニア、ロバート・ジョンソンのスピリットから影響を受けている。ブルースとメタルのブレンドが新しい方向性への指針となった」、コリー・グローヴァー(Vo)も「『SHADE』は最終的な結果として、ブルースを解釈したのではなく解体したものとなった」とそれぞれ語っています。
確かにブルースの影響下にあるコード進行、テイストを持った楽曲も多いですが、そこはメンバーが言うとおり、あくまで“LIVING COLOURとしてブルースを独自の解釈で表現したら、結果として今までの自分たちらしいハードロックもありつつ、これまでになかったタイプの楽曲も生まれた”といった程度の影響というのが正しいでしょう。ブルースの一言でちょっと後ずさりして聴き逃してしまったとしたら、非常にもったいない1枚ですよ、これは。
冒頭の「Freedom Of Expression (F.O.X.)」を聴けば、本作がいつもどおりのLIVING COLOURだとご理解いただけるはず。ブラックテイストをまぶした豪快なハードロックは、彼らのイメージそのままですしね。それは続く「Preachin' Blues」もしかり。たしかにブルースの影響下にある楽曲ですが、この流れで聴けば何ら違和感ないし、逆にLIVING COLOURがこういうテイストの楽曲をやるんだ、とちょっと新鮮に感じられるんじゃないでしょうか。
ところが、リードトラックとなっている3曲目「Come On」には少し驚かされるかもしれません。RED HOT CHILI PEPPERSあたりがやりそうなこの曲、途中でエレクトロっぽいテイストも飛び出すのですから。ただ、これも味付け程度で、前面に打ち出すことはないのでご安心を。
以降はファンク、ブルース、ハードロック、そしてときどきヒップホップが入り乱れたLIVING COLOURらしい展開が続きます。クリストファー・ウォレス「Who Shot Ya?」のカバーや、マーヴィン・ゲイ「Inner City Blues」のカバーも、両方とも原曲のテイストを残しつつ、しっかりLIVING COLOUR色に染め上げられており、好印象。“泣きのブルース”を彼ら流に仕上げたラストナンバー「Two Sides」もグッとくる仕上がりで(この曲のみ、ロバート・ジョンソンというよりもジミヘンのイメージが強いかも)、アルバムとして非常によくまとまった1枚だと思います。
正直、再結成後のアルバムはこれ1枚として聴いてなかったので不安があったのですが、そんな心配無用でした。80〜90年代の彼らが気に入っているリスナー、そして初期〜中期のレッチリが好きな人なら間違いなくツボに入りまくりの力作ではないでしょうか。
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