ANDY TAYLOR『THUNDER』(1987)
元DURAN DURANのギタリスト、アンディ・テイラーがバンド脱退後の1987年春に発表した初のソロアルバム。アンディは本作の前に2枚のソロシングル(「Take It Easy」「When The Rain Comes Down」。ともに1986年リリース)を、映画やテレビドラマのサウンドトラック絡みで発表していますが、アルバムには未収録。時期的にバンドを脱退後の発表だったのかな。ちょっと記憶が曖昧ですが。
アルバムはSEX PISTOLSのギタリスト、スティーヴ・ジョーンズをプロデューサー&ギタリストに迎えて制作。と聞くとパンキッシュな作風になるのかなと勝手に想像してしまいますが、THE POWER STATIONでのアンディのプレイから想像できるような、非常にハードロック寄りのアルバムに仕上げられています。
先の2枚のソロシングルが、どちらかというと陽気なアメリカンロックというイメージだったし、THE POWER STATIONもブラックミュージックの影響下にあるアメリカンロックという印象だったから、絶対にその路線だと思いますよね? でもアルバムのオープニング曲「I Might Lie」は、マイナーコードの疾走ハードロック。泣きメロといいギタープレイといい、ちょっと成長したアンディのボーカルといい、すべてが気持ち良く響く1曲です。そこから過去シングルの路線をよりワイルドにした「Don't Let Me Die Young」へと流れていく構成も、さすがの一言。さらにミディアムバラード「Life Goes On」へと続くのですから、この頭3曲で完全に心をわし摑みにされてしまうわけです。
全9曲中8曲がアンディ&スティーヴの共作。思えばスティーヴも“こっち”寄りの人だったよな、ってことはピストルズの1stアルバムやのちの復活ライブで十分納得できるのですが、本作リリース当時高校生だった自分はそんなこともわからぬまま、「これはこれでカッコいいよ!」とアホみたいにリピートしていたのでした。
で、あれから30年経った今聴いてもカッコいいんですよね。サウンドプロダクション的に時代を感じる部分は多々あるものの、楽曲的にはどれも悪くない。アンディやスティーヴのギタープレイ、その2人を支えるミッキー・カーリー(Dr)&パトリック・オハーン(B)という、わかる人にはわかるリズム隊の仕事ぶりもさすがの一言だし。のちにデヴィッド・リー・ロスのバンドに加わるブレット・タグル(Key)も参加してるしね。
どれか1曲選べといわれたら、やっぱり冒頭の「I Might Lie」なんだけど、イントロのギターリフにピストルズを重ねてしまう豪快なアメリカンロック「Thunder」も悪くない。あと「Life Goes On」「Bringin' Me Down」といった泣バラードや「Night Trai」みたいなきメロナンバーも良いんですよね。全体的に(なんとなくですけど)マイケル・モンローの『NOT FAKIN' IT』(1989年)と重なる部分も多いので、あのへんの作風が好きな人にはオススメです。
P.S.
アナログやCDで当時発表されたオリジナル版と、現在iTunesやSpotifyで配信されているバージョンは、収録曲は一緒ですが曲順が異なるのでご注意を。現行の配信版の曲順もこれはこれで好きですが。
« DURAN DURAN『ARENA』(1984) | トップページ | NEUROTIC OUTSIDERS『NEUROTIC OUTSIDERS』(1996) »
「Duran Duran」カテゴリの記事
- 2023年総括(2023.12.31)
- DURAN DURAN『BIG THING』(1988)(2023.01.02)
- DURAN DURAN『FUTURE PAST』(2021)(2021.10.30)
- DURAN DURAN『ASTRONAUT』(2004)(2021.02.27)
- THE POWER STATION『LIVING IN FEAR』(1996)(2021.02.25)
「1987年の作品」カテゴリの記事
- 「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説③(1991〜1995年)(2026.07.09)
- 「#プリンス三昧」プリンス全スタジオアルバム解説②(1984〜1990年)(2026.07.07)
- サブスクに存在する音源を通して1980年〜1994年のHR/HM(およびそれに付随するハード&ヘヴィな音楽)の歴史的推移を見る(2024.11.10)
- BLACK SABBATH『THE ETERNAL IDOL』(1987)(2024.04.09)
- STEVE JONES『MERCY』(1987)(2023.01.14)
「Power Station, the」カテゴリの記事
- ROBERT PALMER『RIPTIDE』(1985)(2024.03.04)
- ROD STEWART『OUT OF ORDER』(1988)(2021.02.28)
- THE POWER STATION『LIVING IN FEAR』(1996)(2021.02.25)
- ANDY TAYLOR『THUNDER』(1987)(2017.09.28)
- THE POWER STATION『THE POWER STATION』(1985)(2003.11.16)
「Andy Taylor」カテゴリの記事
- ROBERT PALMER『RIPTIDE』(1985)(2024.03.04)
- REEF『SHOOT ME YOUR ACE』(2022)(2022.05.03)
- ROD STEWART『OUT OF ORDER』(1988)(2021.02.28)
- DURAN DURAN『ASTRONAUT』(2004)(2021.02.27)
- THE POWER STATION『LIVING IN FEAR』(1996)(2021.02.25)
「Steve Jones」カテゴリの記事
- STEVE JONES『MERCY』(1987)(2023.01.14)
- IGGY POP『BLAH-BLAH-BLAH』(1986)(2023.01.13)
- JOHNNY THUNDERS『SO ALONE』(1978)(2021.09.26)
- CHEAP TRICK『IN ANOTHER WORLD』(2021)(2021.04.10)
- NEUROTIC OUTSIDERS『NEUROTIC OUTSIDERS』(1996)(2017.09.29)
