SEX PISTOLS『NEVER MIND THE BOLLOCKS HERE'S THE SEX PISTOLS』(1977)
SEX PISTOLS唯一のオリジナル・スタジオアルバム。実は今から40年前の1977年10月28日にリリースされたんですね。つい先日知りました。THE DAMNEDの1stアルバム『DAMNED DAMNED DAMNED』が1977年2月、THE CLASHの1stアルバム『THE CLASH』が同年4月に発売されたことを考えると、実はピストルズのアルバムデビューってだいぶ遅いんですよね。とはいえ、初のシングル「Anarchy In The U.K.」は前年1976年11月末に発売(英パンクロック初のシングルと言われるTHE DAMNED「New Rose」の1ヶ月後)。その後、所属レーベルEMIから契約解除などのすったもんだがあったため、アルバムまで1年を要したわけですね。まあ、らしいっちゃあらしいですが。
これまでもいろんなところで発言してきたと思いますが、僕はこのSEX PISTOLSのアルバム、パンクロックの名盤とは思っておらず、むしろ「パンキッシュなハードロックの教科書的1枚」と認識しています。
クリス・トーマスによるプロデュースは完全にハードロック的なものだし、なによりもギターのスティーヴ・ジョーンズによるリフ作りやギタープレイ、アレンジの組み立て方は完全にハードロックそのもの。楽曲自体もピストルズ以降のパンクバンドにありがちなチープさはないし、同期のTHE DAMNEDやTHE CLASHと比べてもサウンド的にふくよかで太さが感じられる。
特に爆音で聴き比べたときに、ピストルズのサウンドは他2組と異なる音のきめ細やかさに気づかされるんです。そこもパンクロックとは異質だと思うし、結局ここから数年後に勃発するNew Wave Of British Heavy Metalシーンに一番近いのがこのピストルズ唯一のアルバムなんですよね。
それもあってなのか、80年代以降のハードロックバンドの中にはピストルズの楽曲をカバーするバンドが多いこと、多いこと。サウンド的というよりもスタイル的にパンキッシュなハードロックバンドほど、ピストルズを自然とカバーしている。そうなんです、結局ピストルズって音楽的にパンク云々ではなく、生き方やファッションがパンクそのものだったんですよね(その戦略的な部分も含めて)。つまり、ジョニー・ロットン(Vo)とシド・ヴィシャス(B)がその役割を担っていたと。だって、ジョニーは絶対にハードロックの人じゃないですもんね(笑)。
あと、本作の大半でベースを弾いているのはシド・ヴィシャスではなく、かといって前任のグレン・マトロックでもない、実はスティーヴ・ジョーンズその人だという事実も忘れてはなりません(シドは「Bodies」、グレンは「Anarchy In The U.K.」のみプレイ)。このへんも、本作をハードロックたらしめる要因なんじゃないでしょうか。
僕自身が本作を初めて聴いてから30年近く経ちましたが、聴き返せば聴き返すほど、時間が経てば経つほど、純粋に「ハードロックアルバム」としての愛情が深まっていく1枚です。
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