MATT CAMERON『CAVEDWELLER』(2017)
SOUNDGARDEN、PEARL JAMのドラマーとして知られるマット・キャメロンがキャリア初となるソロアルバムをリリースしました。
本作ではプロデューサーとしてのみならず、ソングライターやシンガー、ギタリスト、ベーシストなどとしてマルチな才能を発揮しておりますが、ドラムは叩いておらず、デヴィッド・ボウイのアルバム『★ (BLACKSTAR)』(2016年)でプレイしていたマーク・ジュリアナと、同じく『★』に参加したティム・ルフェーブル(B)がリズム隊を担当しているそうです(ティムは一部楽曲のみで、他はマットが演奏)。
どんな音になるのかと思いドキドキしながら再生してみると、序盤は意外と普通のロック……と言っては語弊があるかな。まぁあれです、マットの現在のメインバンドであるPEARL JAMからイメージできる、オーソドックスなロックとでも言えばいいんでしょうか。SOUNDGARDENほどハード&ヘヴィではなく、どこか内向的な空気が漂う落ち着いたアメリカンロック。うーん、うまく言語化できませんが、PEARL JAMが好きな人なら気にいるサウンドだと思います。
曲によってはアコースティックギターが前面に打ち出されていたり、かと思えばシンセを軸にした楽曲もある。ちょっとフュージョンぽいインスト曲「Into The Fire」、アバンギャルドなギターソロが登場する「One Special Lady」、もっともSOUNDGARDEN的と言えなくもないラストナンバー「Unneccesary」と個性的な楽曲もあるにはあるけど、あくまで中心となるのは歌。そのへんはPEARL JAMのイメージから外れないと思います。マットの歌声も悪くないし、変に声を張り上げることなく大人な雰囲気。どの曲も2〜3分台で、全9曲でトータル29分という非常に聴きやすいトータルランニングも良いと思います。
なお、「One Special Lady」後半に登場するギターソロをプレイしているのは、アラン・ヨハネスというチリ出身のマルチプレイヤー。調べてみるとこの人、クリス・コーネルのソロアルバム『EUPHORIA MORNING』(1999年)とか、元PEARL JAMのドラマー、ジャック・アイアンズのソロアルバム『ATTENTION DIMENSION』(2004年)とかにも参加している、シアトル界隈ともそれなりに縁がある人みたいですね。
アルバム後半が意外とニューウェイブの香りをさせるあたりに意外性はあるものの、最初にも書いたように全体的には“PEARL JAMのメンバーが作ったソロ作品”らしい内容で、極端に逸脱はしてないはず。プログレポップが好きな人は、特に「Into The Fire」「Real And Imagined」あたりは気にいるんじゃないでしょうか。僕はこの2曲と、先に挙げた「One Special Lady」の3曲が気に入っています。
ちなみに本作、CDでのリリースは今のところないみたいです。各配信サイトでのダウンドロード販売やストリーミング、そしてPEARL JAMオフィシャルショップで販売されているアナログ盤(一部、Amazonでも販売予定)で聴くことができます。
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