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2017/10/12

McAULEY SCHENKER GROUP『PERFECT TIMING』(1987)

UFOを除くマイケル・シェンカーの作品を最初に取り上げるのが本作でいいのか、という疑問をひとり感じているのですが、仕方ないです。だって、リアルタイムで初めてちゃんと聴いたマイケル・シェンカー関連のニューアルバムがこのMcAULEY SCHENKER GROUPの1stアルバム『PERFECT TIMING』(1987年)なんですから。

マイケル・シェンカーはつくづくシンガーに恵まれないギタリストでした。ゲイリー・バーデンは決してうまいタイプではないし、続くグラハム・ボネットはアルバム1枚のみと短命だったし、すると再びゲイリー・バーデンが出戻りするし。もっと華があって歌唱力のあるHR/HM系シンガーが入ったらアメリカでもブレイクできるんじゃないか……きっとそんなことを考えたことあるHR/HMファン、少なくないはずです。

そんなマイケルがロビン・マッコーリーという新たなシンガーを迎え、バンド名もMICHAEL SCHENKER GROUPの“ワンマンバンド体制”からMcAULEY SCHENKER GROUPという“二頭体制”へと改正。しかも海外では本格的なHR/HMブームに突入し、話題性十分で鳴り物入りの再デビューを飾ったわけでした。

リードシングルとなった1曲目「Gimme Your Love」を初めて聴いたとき、正直MSCにそこまで詳しくない自分でさえも「これは違うんじゃないか……」と若干モヤモヤした気持ちを抱えたものですが、とはいえ曲自体はよくできたアリーナロックで、ロビン・マッコーリーもこういった派手でキラキラした音に合った湿り気のある歌声なので気持ちよく楽しめたわけです。

で、アルバムを通して聴くと、確かに時流に合わせた産業ロック的な楽曲もいくつかあるものの、マイケルらしい泣きメロを持つ楽曲も含まれており(本作からの2ndシングル「Love Is Not A Game」はまさにそれ)、また初期MSGを思わせるロックンロールナンバー「No Time For Losers」やストレートな疾走HRナンバー「Get Out」、ファンキーなギターストロークが楽しめる「Don't Stop Me Now」など佳曲多し。楽曲クレジットを見ると、ベーシストのロッキー・ニュートンが関わった曲にポップなものが多いようで(シングル2曲やパワーバラード「Time」)、特に「Gimme Your Love」なんてマイケルがソングライティングに関わってないですからね。そういう意味でも、こちらのMSGは完全なる“バンド”だったのかもしれませんね。

それ以前のMSGと比較すると完全に別モノかもしれませんが、これはこれで意外と楽しめるんですよね。今から30年前のあの時代だったからこそ作り上げることができた、偶然の1枚。だけど侮るなかれ(全米95位とヒットはしなかったけど)。

あと、MICHAEL SCHENKER GROUPの音源はストリーミングサービスにもデジタル配信にもあるのに、なんでMcAULEY SCHENKER GROUPのアルバムは1枚もないんでしょうね……本当に勿体ない。本作とか続く『SAVE YOURSELF』(1989年)は聴いておいて間違いないアルバムなので、ぜひ配信のほうもお願いしたいものです。



▼McAULEY SCHENKER GROUP『PERFECT TIMING』
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投稿: 2017 10 12 12:00 午前 [1987年の作品, McAuley Schenker Group, Michael Schenker] | 固定リンク