FIVE FINGER DEATH PUNCH『WAR IS THE ANSWER』(2009)
アメリカ・ラスヴェガス出身の5人組バンドFIVE FINGER DEATH PUNCHが2009年秋に発表した2ndアルバム。本作はBillboardアルバムランキングにて最高7位を記録し、100万枚以上を売り上げる出世作となりました(チャート的には以降の作品のほうが上位入りしてますが、セールス的には本作がもっとも売れた作品)。
いわゆる“2000年代のメタルコア”以降のサウンドの持ち主で、非常に“現代のアメリカ的なヘヴィメタル”と呼ぶことができると思います。事実、本作もヘヴィだけど適度にハネたリズムを持ち合わせており、聴けば「PANTERAスタート、LINKIN PARK経由」みたいな印象を受けるんじゃないでしょうか。
しかし、彼らが他のUSメタルコア勢と若干異なったのは、アイヴァン・ムーディー(Vo)の歌唱力と、ハンガリー出身のゾルタン・バソリー(G)の個性が反映されたメロディセンス。アイヴァンはデスボイスだけでなく、メロウなパートでも野太くて嫌味のない、男臭い歌声をしっかり聞かせており、特に「Far From Home」や「Walk Away」といったスローナンバーでその魅力を全力でアピールしています。
楽曲も先に挙げたようなグルーヴメタル的要素を軸にしつつも、至るところから王道ハーロドック的な臭いがプンプンしてくる“新しいのにどこか懐かしい”作風。1曲1曲がコンパクト(基本3分前後)なのも良いし、とにかくスルスル聴き進められるんだけど、聴き流しできないようなフックもそこらじゅうに仕掛けられている。歌メロやギターちょっとしたフレーズやソロプレイからは泣きの要素も感じられ、叙情的なバラードもあればギターが泣きまくりのインストナンバーも登場するので、ヘヴィさ一辺倒なモダンメタルに苦手意識を持っている高齢メタルファンにも引っかかるんじゃないでしょうか。
さらに、そういった層にうってつけなのが、「Bad Company」のカバー。そうです、かのBAD COMPANYのデビューアルバムに収録されていた、あのミディアムテンポのブルースロックナンバーです。リリース当時、MVの影響もあってこの曲はそこそこのヒットになったらしく、事実僕もこのMVを観て聴いてみようと思ったのでした。
ちなみにこのMVは、彼らがイラクに駐在している米兵のために行ったツアーの様子を、ドキュメンタリータッチにまとめたもの。アルバムタイトルである『WAR IS THE ANSWER』というタイトル含め、いろいろ考えさせられるものがありますね……。
この手のバンドに偏見を持っている人にこそ知ってもらいたいバンドのひとつ。だって、近作ではロブ・ハルフォード(JUDAS PRIEST)と共演も果たしてしまっているんですから(まあロブのことだし、って返しはなしな)。

▼FIVE FINGER DEATH PUNCH『WAR IS THE ANSWER』
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