ASIA『ASIA』(1982)
元KING CRIMSON/元UKのジョン・ウェットン(Vo, B)、元YESのスティーヴ・ハウ(G)、元EMERSON, LAKE & PALMERのカール・パーマー(Dr)、元THE BUGGLES/元YESのジェフ・ダウンズ(Key)が結成した“スーパーバンド”ASIAが、1982年初春に発表したデビューアルバム。イギリスの老舗プログレバンド出身の4人が一堂に会してどんな音楽を奏でるのかと思いきや、いきなり「Heat Of The Moment」みたいなポップロックを完成させたんですから、そりゃあ当時リアルタイムで聴いてたプログレファンには「裏切りだ!」って思うくらいショックだったんじゃないかと察します。
リアルタイムでは1985年の3rd『ASTRA』から入ったので、1枚目と2枚目『ALPHA』(1983年)は完全に後追い。たぶん中学3年か高校1年のときに聴いたのが最初じゃないかな。HR/HMに慣れた自分が聴いても楽しめる、プログレのテイストを残した“ポップでキャッチーでコンパクト”なロックチューンが並ぶデビュー作は、特にお気に入りでした。まず、オープニング「Heat Of The Moment」のシンセにやられて、耳障りの良いメロディに心が持っていかれた。そこから、よりプログレチックなポップロック「Only Time Will Tell」、アレンジこそプログレ風だけどサウンド自体はハードロック寄りの「Sole Survivor」、この冒頭3曲が特に大好きでした。
昨日のSTYXじゃないけど、こういうプログレポップって仰々しいプログレッシヴロックが好きな人からしたら、本当にどう映るんでしょうね。いや、特に答えはいらないですが。残念ながら自分はHR/HMを入り口に上記のようなUKプログレバンドに接し、さらにはSTYXやASIAのようなバンドも貪欲に聴いてきたクチなので、どれも偏見なく楽しめるんですよね。節操ないと言われたらそれまでですが。
こういう、各プレイヤーの技量を最良の形(なのかな?)でアレンジに組み込み、プレイヤーが陥りがちな“オナニー的プレイ”を排除してコンパクトに、かつポップに組み立てた楽曲は本家プログレよりも気楽に楽しめると同時に、曲の至るところにフックが仕込まれているから、変に聴き流すこともできない。気づいたらメロディの親しみやすさを通り越して、各プレイヤーのこだわりのプレイまで聴き込んでいる自分がいる。特にこの1stアルバムに関してはそいういうことが多いような気がします。
「Time Again」の“これぞ!”といった仰々しさも好きだし、「Wildest Dreams」のハードロック的壮大さも好きだし、「Without You」のAORバラードも嫌いになれない。とにかくよく出来たアルバムですよ。リリースから今年で35年? 驚きました。ロックとしてもポップスとしても機能する、本当に高性能な1枚です。
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