Björk『UTOPIA』(2017)
今年7月のフジロック最終日でのヘッドライナー公演も記憶に新しいビョークが、9月に突如新曲「The Gate」を発表。続いて11月にアルバムと、ここ10年でもっとも軽いフットワークでニューアルバムが届けられた印象が強いが、それもそのはず、前作『VULNICURA』(2015年)完成後には今作の制作に着手していたという。来年でソロデビュー25周年という節目を前にしてのこの創作意欲に、ただ驚かされるばかりだ。
前作から引き続きアルカを制作陣に交えた今作は、70分オーバーの大作。エレクトロニカとオーガニックなサウンドを融合させた小難しさ漂う方向性は近作の延長線上にあるのだが、不思議とここ数作の中でもっとも聴きやすい印象が強い。そのせいもあってか、70数分があっという間に感じられるのだから不思議でならない。
もちろんこれまでの作品も実験音楽の側面が強いながらもポップソングとして成立していたが、今作に関してはそのポップネスの強度が鉄壁なのだ。もしかしたらこのタイミングに、彼女はキャリア最高傑作を完成させてしまったのかもしれない。ただただ、圧巻の一言だ。
※このレビューは本作リリース時、『TV BROS.』に掲載されものを加筆・修正して掲載しています。
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