BOSTON『THIRD STAGE』(1986)
2ndアルバム『DON'T LOOK BACK』(1978年)以降は8年周期(2013年の最新作『LIFE, LOVE & HOPE』は11年ぶりでしたが。笑)でアルバムを発表することでおなじみのBOSTON。彼らが最初に前作から“8年ぶり”に発表した、1986年秋発売の3rdアルバムが本作『THIRD STAGE』。リリースにそれだけかかってしまって理由には、トム・シュルツ(G, etc)の完璧主義ぶりにより制作に時間がかかることと、それによる前レーベルからの契約不履行による訴え、およびそれに伴う裁判に時間を要したことも関係しているのですが(本作以降は完全にマイペースに作っているからなんでしょうね)。
前2作リリース時は小学生だった自分にとって、最初に触れたBOSTONのアルバム(=新譜)がこの『THIRD STAGE』でした。とにかく彼ら、MVを作らないもんだから当然MTVで曲が流れないし、『ベストヒットUSA』でチャートにランクインしてもワンフレーズ程度しかオンエアされない。よって、ラジオでオンエアされたヒット曲「Amanda」(全米1位)をエアチェック(懐かしい。笑)して聴くくらいしかできなかった。つまり、自分にとって当時のBOSTONはビジュアルもわからない、何人組かもわからない“未知の存在”だったのです。
しばらくして、地元の貸しレコード店に『THIRD STAGE』のアナログ盤が入荷して、中学生の少ない小遣いの中からちょっと高い新譜料金でレンタルして、ようやくアルバムまるまる聴けたわけですが……正直、当時はその良さがさっぱりわからなかった。バラードナンバー「Amanda」の良さはわかるのですが、全体的に古臭いというか“枯れた”空気が漂っている。彼らに派手な HR/HMを求めたのがそもそも間違いだったわけですが、正直「TOTOとかCHICAGOみたいだな」と思ったのをよく覚えています。
で、それから8年後の1994年。ようやく4枚目のアルバム『WALK ON』が発売され、それを機に過去3作をCDで買いそろえたのです。当時20代半ばに差し掛かろうというタイミングで、ここでHR/HM以外にもいろんな音楽を通過してきた耳にようやくBOSTONのサウンドが馴染んだのでした。
その頃にはQUEENが一番好きなバンドとなっていた自分なら、このギターオーケストレーションや組曲的な作風、ようやく理解できた。確かにAOR寄りのアメリカンロックなんだけど、この作り込みには正直狂気を感じました。当時15歳の自分には早すぎですよ、そりゃあ。
ハードロック的な豪快さは前2作のほうが勝りますが、本作ではジャンルの枠を超越した“BOSTONならではの、BOSTONにしかできない音”が成立している。もはや無法地帯ですわ。CDで聴くと曲の切れ目がわからず、あっという間にラストまで到達している、そんな不思議なアルバムです。
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