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2017/11/06

GREAT WHITE『ONCE BITTEN...』(1987)

1987年初夏にリリースされたGREAT WHITEの3rdフルアルバム。L.A.メタルの枠で括られることの多い彼らですが、他の同ジャンルのバンドと比較するとブルースフィーリングとメタリックさが程よくミックスされた個性的なサウンドを信条に活動し続け、本作『ONCE BITTEN...』でようやく本格的な成功を収めます。同作からは「Rock Me」(全米60位)、「Save Your Love」(全米57位)とシングルヒットも生まれ、アルバムは最高23位まで上昇し、100万枚以上を売り上げ、続く最大のヒット作『...TWICE SHY』(1989年)への橋渡し的1枚となりました。

それ以降の作品と比べたら、本作はまだメタリックな色合いも残っており、オープニングナンバー「Lady Red Light」はいきなり激しいギターの早弾きからスタートします。キラキラしたシンセも取り入れられ、ちょうどタイミング的にはBON JOVIの3rdアルバム『SLIPPERY WHEN WET』(1986年)のヒット後というのもあるんでしょうね。

かと思うと、次々作『HOOKED』(1991年)路線にも通ずる軽快なロックンロール「Gonna Getcha」もある。「何がしたいねん!」とツッコミを入れていると、有無を言わせぬブルースロックナンバー「Rock Me」の登場で前2曲のことなんでどうでもよくなってしまいます(苦笑)。ジャック・ラッセル(Vo)のブルースフィーリングに満ち溢れたボーカルワークに息を飲むだけでなく、アルバム冒頭でテクニカルなプレイを披露していたマーク・ケンドール(G)もここでは味わい深いギタープレイで聴き手をノックアウトさせるのですから。ちょうど時期的にLED ZEPPELIN再評価熱が高まっていたこともあって、WHITESNAKEやGREAT WHITEは良くも悪くも比較対象としてよく話題に上がっていたのを覚えています。

この7分以上におよぶ大作が終わると、従来の彼ららしい佳曲「All Over Now」で再び“普通のハードロック”タイムに突入。オープニングのアコギで「おっ!?」と思わせるも、途中から“普通のハードロック”へと変化する「Mistreater」、テクノロジーとブルースフィーリングをミックスしたハードロック「Never Change Heart」、ツーバスがドコドコ鳴り響くメタリックなファストチューン「Fast Road」、ヘヴィなリフが印象的な「On The Edge」と、「Rock Me」路線よどこへ……という構成が続きます。が、これはこれで悪くないので良しとしましょう。

そして、ラストは泣きのバラード「Save Your Love」でしっとり締めくくり。この曲の美しさときたら……「Rock Me」でのZEP路線にも通ずるものがありますが、結局本作ではそれっぽいのってこの2曲だけなんですよね。まあこの2曲が成功したからこそ、のちの路線があるわけですけど。そういう意味では、現在のGREAT WHITEを考える上で過渡期の1枚ということになるんでしょうか。メロディアスで適度にブルージーなハードロックという視点においては非常に優れた1枚だと思いますが、ZEP的ブルースハードロック路線を求める人にとっては少々物足りない内容に映るかもしれませんので、購入の際にはご注意を。



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投稿: 2017 11 06 12:00 午前 [1987年の作品, Great White] | 固定リンク