JON BON JOVI『BLAZE OF GLORY』(1990)
1990年8月にリリースされた、ジョン・ボン・ジョヴィ(BON JOVI)初のソロアルバム。本作は当時公開されたアメリカ映画『YOUNG GUNS II』(邦題『ヤングガン2』)にインスパイアされて制作したもの。当初、映画サイドはBON JOVIの「Wanted Dead Or Alive」を劇中で使用したいと申し出たのですが、これに対してジョンは新曲を多数用意し、このうち「Blaze Of Glory」と「Billy Get Your Guns」のみが劇中で使用されることになりました。
海外盤ジャケットを観ておわかりのとおり、本作はアルバムを通して『YOUNG GUNS II』の世界観が描かれており、先の「Wanted Dead Or Alive」や『NEW JERSEY』(1988年)で表現してきた“カウボーイソング”が一気に開花しております。
そもそもBON JOVIの楽曲使用を申請されたのに、なぜジョンのソロだったのかと申しますと、この時期BON JOVIは2年近くにわたるワールドツアーを終えたばかりで、バンドとしての動きが一切ないタイミング。ぶっちゃけ、バンド内の状況も決して良好とは言い難いものであり、それもあってジョンはソロという“もうひとつの手段”を試してみたんでしょうね。
なもんで、楽曲自体はすべてジョンひとりで書かれたもの。メロディセンスはさすがですが、ちょっとシンプルかつコンパクトなものが多いかな。そういった楽曲をプロデューサーのダニー・コーチマーや、ケニー・アロノフ(Dr)、ランディ・ジャクソン(B)、ジェフ・ベック(G)といった名手たちと色付けしていくのですが、BON JOVIのような高性能ハードロック色皆無の、完全にレイドバックしたカントリー寄りのアメリカンロックが完成するわけです。もうこれ、完全にジョンが憧れるブルース・スプリングスティーンですね。もしくはジョン・メレンキャンプとか、ああいった“枯れた”ロックを奏でる人たち。納得です。
ゲストも豪華でキース・リチャーズのバンドでおなじみのワディ・ワクテル(G)やRATTのロビン・クロスビー(G)をはじめ、エルトン・ジョン(Piano, Vo)、リトル・リチャード(Piano, Vo)などなど。エルトンは「Dyin' Ain't Much Of A Livin'」でジョンとハモっているし(聴けばすぐにわかりますよね)、リトル・リチャードは「You Really Got Me Now」でジョンとデュエットしており、ホンイキの歌声を聴かせてくれてます。
中でも、ジェフ・ベックの存在感が別格すぎ。ミック・ジャガーのソロアルバムでもかなり好き放題弾いてましたが、本作でもやってくれてます。この人、ロッド・スチュワートといい、やっぱり存在感のあるフロントマンと一緒に何か作ると、自分のソロとはまた違った個性を発揮するんですよね。本当に面白い存在です。
あと、久しぶりに聴いて思ったのですが、「Santa Fe」って「Always」以降のBON JOVIピアノバラードに通ずる世界観がすでに存在するんですよね。思えば「Always」もジョン単独で書いた曲だし、改めて腑に落ちるものがありました。
アルバムは全米3位で200万枚以上のセールス、シングル「Blaze Of Glory」は全米1位を記録し、今でもBON JOVIのライブで披露される機会が多い1曲になりました。この成功があったから、数年後の「Always」(1994年)そして『THESE DAYS』(1995年)につながっていくわけです。

▼JON BON JOVI『BLAZE OF GLORY』
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