MOTLEY CRUE『SHOUT AT THE DEVIL』(1983)
1983年秋に発表された、MOTLEY CRUEの2ndアルバムにしてその名を世に知らしめた出世作。ちょうどアメリカのHR/HMブームと重なったこともあり、本作は全米17位という高順位を記録し、現在までにアメリカだけで400万枚以上を売り上げる最初のヒットアルバムとなりました。
1982年にアルバム『TOO FAST FOR LOVE』(1981年にインディーズから発表されたアルバムをリミックス&曲順を変えたもの)でメジャーデビューを果たした彼らでしたが、当初は“間違った方向のグラムロック”的なイロモノ/キワモノと捉えられていたようです。ですが、楽曲自体はキャッチーだったこともあり、それが全米77位という小ヒットにつながったのでしょう。
続く今作では、プロデューサーにCHEAP TRICKなどで知られるトム・ワーマンを迎えて制作。どこか軽さとB級感が伴っていた前作から一変し、本作では硬派でメタリックなサウンドと楽曲を聴かせてくれます。
オープニングSE「In The Beginning」からタイトルトラック「Shout At The Devil」へと流れていく構成は、リリースから35年近く経った今聴いても最高に震えますし、その表題曲のカッコ良さたるや……活動後期〜末期のヴィンス・ニール(Vo)がこれくらい歌えていたら、もっと伝説に……(以下略)。
シングルカットされた「Looks That Kill」や「Too Fast To Fall In Love」のキャッチーさ、「Bastard」「Red Hot」みたいな攻め攻めのメタルチューン、「God Bless The Children Of The Beast」「Danger」みたいに泣きメロを伴うバラード(のちの「Home Sweet Home」とは異なる、ヘヴィメタルバラード)、そしてTHE BEATLES「Helter Skelter」のヘヴィメタル版カバーなど、とにかく今聴いてもカッコ良いし、2017年でも前々通用するハードロックナンバー満載の1枚だと思います。
完璧さを求めるのであれば、最大のヒット作となった5th『DR. FEELGOOD』(1989年)のほうが上かもしれませんが、適度な隙があってA級とB級の間にいるこの感じは、それ以前にもそれ以降にも同じような作品がないだけに、本当なら比較のしようがないのですが……うん、個人的には彼らのキャリア中でもっとも好きな1枚です。
90年前後になると、古くからのファンの間で本作と『DR. FEELGOOD』、どっちが名盤か?なんて議論もあったのですが、結局はこの『SHOUT AT THE DEVIL』と『DR. FEELGOOD』がその後のモトリーにとって、良くも悪くもベースになってしまったような気がします。まぁ『DR. FEELGOOD』でやりすぎてしまった、というのもあるのかもしれませんが……。
ヴィンスの声が出まくりなのはもちろん(笑)、トミー・リー(Dr)のドラミングもミック・マーズ(G)のリフワーク&ソロプレイも、ニッキー・シックス(B)のソングライティングもすべてが冴えまくった、「こりゃ売れるわ」という1枚。もはや叶いはしませんが、一度は本作の完全再現ライブなんてのも観てみたかったもんですね。
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