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2017/11/30

HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』(1987)

カイ・ハンセン(G, Vo)、マイケル・ヴァイカート(G)、マーカス・グロスコフ(B)、インゴ・シュヴィヒテンバーグ(Dr)という布陣で1985年にデビューしたHELLOWEENが、新たに専任シンガーのマイケル・キスクを迎えて1987年春に発表した日本デビューアルバム(通算2枚目のフルアルバム)。このアルバムで彼らを知ったという40オーバーのHR/HMは多いかもしれません(耳の早いリスナーは前作『WALLS OF JERICHO』で知ったでしょうが)。

カイ・ハンセンみたいに不器用でまっすぐなシンガーは、バタ臭い正統派メタルには最適ですが、ドイツ国内から世界に飛び出そうとするともっと器用な歌い手が必要になる。しかも、ハンセンはリードギターも担当しているので、どうしても限界が生じる。こうしてキスクが加入するのですが、伸びやかなハイトーンを得意としながらも、ドスの利いた低音も聞かせられるし優しく柔らかな歌声も出せる、これぞメタルシンガーといった適任者でした。

また、器用に歌えるキスクの加入により、楽曲の幅も一気に拡大。「I'm Alive」のような彼ららしいドラマチックな楽曲もあれば、じっくり聞かせるバラード「A Tale That Wasn't Right」、ポップでキャッチーな「Future World」もある。そしてアルバム終盤には13分超の大作「Halloween」が控えている。この曲が本作のメインテーマであるかのように、それ以前の6曲がアルバムの流れを盛り上げる。しかも、この大作が非常に緩急に富んだプログレッシヴなナンバーで、まさに“メタルオペラ”と呼ぶにふさわしい仕上がり。

実は僕、初めて聴いたHELLOWEENの楽曲がこれなんですよ。当時、ラジオで流れたこの曲を聴いて一目惚れならぬ“一耳惚れ”をしたわけです。しかも、その直後に深夜にMVを流す番組で同曲のビデオを目にしたのですが……5分程度にエディットされているという(笑)。しかも、イントロがこのアルバムの1曲目「Initiation」からの引用で、最初に聴いた(観た)ときはてっきり別の曲かと思いました(この時点でアルバムはまだ聴いておらず。のちにアルバムをレンタルして、ようやく意味を理解したのでした)。

ラストの小楽曲「Follow The Sign」までを含めた全8曲。アナログだとA面5曲、B面3曲(実質A面4曲、B面2曲ですが)でトータル35分ちょっとというコンパクトな作風もあって、非常に聴きやすい。だからこそ、アルバムが「Halloween」という大作に向かって熱を帯びていくようで、聴き手をまったく飽きさせないんです。対となる次作『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART II』(1988年)は本作をさらに進化&深化させた力作で、この2枚でひとつの作品という解釈もできると思います(実際、当初は2枚組でのリリースを計画してましたから)。曲のバラツキは次作のほうがあるような気もするので、アルバム単位ではこちらの完成度は高いのかもしれませんが、個人的にはやっぱり2枚あわせて楽しみたい作品集という認識です。



▼HELLOWEEN『KEEPER OF THE SEVEN KEYS, PART I』
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投稿: 2017 11 30 12:00 午前 [1987年の作品, Helloween] | 固定リンク