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2017/11/12

STYX『KILROY WAS HERE』(1983)

1983年2月にリリースされた、STYXの11thアルバム。オープニングを飾る「Mr. Robot」の、ボコーダー越しの〈ドモアリガット、ミスターロボットー〉ってフレーズを覚えているオーバー40の皆様ならご存知の作品かもしれません。もしくは、この曲だけは知ってるけどアルバムは聴いたことがない、そんな人のほうが多いのかな。実際、僕もアルバム自体は20歳を超えてから初めて聴きましたから。

実は自分の小遣いで生まれて初めて買った洋楽シングルが、先の「Mr. Robot」でした。中学に上がる前だったから、まだ小学生だったかもしれませんね。MTVで知ったとかそういうことではなく、当時何かのCMソングに使用されていて、あのフレーズが気に入ったというのと、小2から6年間エレクトーンを習っていたので、もともとYMO以降のテクノポップに興味があったというのもあります。で、この曲ばかりをひたすら聴きまくったわけです。なので、僕の中ではその後数年間「STYX=Mr. Robot」だったわけです。

STYX自体は、本作リリース後のツアーをもって活動休止。なので、僕が本格的に洋楽ロックを聴き始めてから1990年の復活まで新作は一切発表しておらず、むしろソロアーティストとしてのデニス・デ・ヤング(Vo, Key)やトミー・ショウ(Vo, G)のほうに馴染みがあるくらい。トミーなんて“DAMN YANKEESの人”ってイメージのほうが強いですからね。

そのDAMN YANKEESの初来日公演で、トミーがSTYX時代の曲をいくつか披露しており、そこで初めて初期のベスト盤を聴いたのかな。オリジナルアルバムは名盤と言われる10th『PARADISE THEATER』(1981年)が最初だった記憶が。それで、しばらくしてから本作『KILROY WAS HERE』を手にしたのでした。

近未来SFをモチーフにしたコンセプトアルバムということで、シンセを全面的に使用したプログレロック/プログレポップ/産業ロックが展開されている本作。テクノポップ調なのは先の「Mr. Robot」程度で、以降はSTYXらしいバラードやハードロック、プログレポップが次々と飛び出します。ボーカルもデニスやトミーのほか、ジェイムズ・ヤング(Vo, G)も歌っているのかな。メンバー5人全員にアルバム内のストーリーに沿った役名が与えられていて、どこかミュージカルチック。しかも日本語フレーズ同様に東洋風のメロディやフレーズもところどころに取り入れられており、我々日本人には比較的親しみやすい作風なんじゃないでしょうか。

本作に関しては、ぜひ国内盤の歌詞カード対訳を目にしながら聴いてみてほしいですね。それによって、アルバムの印象も少しは変わると思うので。

というのも、何も知らずに聴いたら……プログレのわりに音が軽くてそこまで複雑じゃないし、むしろJOURNEYやNIGHT RANGERのほうが近いんじゃないかと思うほど。まあこれがアメリカンプログレポップと言われたらそれまでなんですが、普段HR/HMに慣れてしまっている耳にはちょっと軽く聴こえてしまうのも事実。やれ産業ロックだなんだと、そういう偏見を捨てて純粋に“ドラマチックな近未来コンセプトアルバム”として接したら絶対に楽しめる1枚だと思います。楽曲単位でも優れたものが多いですし、そのへんのバンドに興味がある人はぜひ一度チェックしてみてはいかがでしょう。



▼STYX『KILROY WAS HERE』
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投稿: 2017 11 12 12:00 午前 [1983年の作品, Styx] | 固定リンク