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2017/11/07

WHITE LION『PRIDE』(1987)

1987年初夏に発表された、WHITE LIONの通算2作目にしてメジャーデビューアルバム。前作『FIGHT TO SURVIVE』(1985年)はここ日本ではビクターから発売されましたが、本国アメリカではインディーズレーベルからのリリースということもあり、彼らの存在が本格的に知られるようになるのは本作『PRIDE』からでした。

本作はリリース時こそそこまで大きな話題となりませんでしたが、AEROSMITHKISSオジー・オズボーンAC/DCといったビッグネームのオープニングアクトとしてツアーを回ること、そして追ってシングルカットされた「Wait」のMTVでのヘヴィローテーションされたことで、アルバムは全米11位まで上昇。シングル「Wait」は翌1988年に全米8位を記録し、以降も「Tell Me」(全米58位)、「When The Children Cry」(全米3位)とヒット曲を連発することになります。

マイケル・ワグナーをプロデューサーに迎えた本作は、VAN HALENに通ずる軽快なアメリカンハードロックと、DOKKEN的な湿り気の強いヨーロッパ風ハードロック両方の良さを兼ね備えた、独特なサウンドを持つ良質なハードロックアルバム。ポップな「Wait」「Tell Me」、アコースティックバラード「When The Children Cry」に目が行きがちですが、「Hungry」や「Lady Of The Valley」のようなマイナー調でドラマチックなハードロックナンバー、「Sweet Little Loving」「All You Need Is Rock 'N' Roll」みたいな能天気なロックンロールにこそ彼ら本来の持ち味があるのではないかと思っています。

また、それらの楽曲上でテクニカルなギタープレイを披露しているヴィト・ブラッタ(G)のセンスも忘れてはなりません。WHITE LION解散後しばらくして第一線から退いてしまったようですが、今でも彼のトリッキーかつメロウなプレイは斬新だし、「Wait」のようなシンプルでポップな楽曲であそこまで印象的なギターソロを残せたのは彼ならではと言えるでしょう。あの曲での彼のギタープレイはオープニングのアルペジオからバッキング、ソロまですべてが完璧。個人的には80年代のアメリカンHR/HM史における名演のひとつとして、語り継いでいきたいものだと思っています。

そして、これらの楽曲を歌うマイク・トランプのヘタウマボーカルもこのバンドに欠かせない要素。うますぎてもダメ、下手くそだけどノリ一発!でもなんですよね、たぶん彼らの曲って。純粋なアメリカ人ではない、デンマーク人の彼がこういった楽曲を歌うからこその魅力は間違いなくあったはずです。

ちなみに彼らのアルバムでは、ほかにも4thアルバムにしてラスト作となってしまった『MANE ATTRACTION』(1991年)も名盤だと思っています。全然ヒットしませんでしたけどね。こちらについても、いずれ語れたらと思います。

なお、本作『PRIDE』ってデジタル配信されてないんですね。AppleMusicが始まったことはカタログにあったような記憶があるのですが(ベスト盤だったのかしら)。しかも、彼らのカタログ中もっともヒットした作品が唯一配信されていないというのは不幸以外の何ものでもないですよ? 契約的にいろんな問題があるんでしょうけど、勿体ないったらありゃしない。

SpotifyやAppleMusicでは『PRIDE』収録曲が多数含まれたベストアルバム『DEFINITIVE ROCK: WHITE LION』が配信中(M-3〜8の6曲。ライブテイクのM-19〜22、25〜28、30も収録曲)なので、スタジオ/ライブ音源問わずアルバムどおりの曲順でプレイリストを作れば雰囲気はつかめるはずです。この記事用にSpotifyで同様のプレイリストを作ってみたので、ご参考まで。



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投稿: 2017 11 07 12:00 午前 [1987年の作品, White Lion] | 固定リンク