MACHINE HEAD『BURN MY EYES』(1994)
1994年夏にリリースされた、MACHINE HEADのデビューアルバム。当時のメンバーはロブ・フリン(Vo, G)、ローガン・メイダー(G)、アダム・デュース(B)、クリス・コントス(Dr)。Billboard 200に入るようなヒット作ではないものの、その後のHR/HMシーンにおいて非常に重要な1枚として現在まで愛され続けています。
もともろロブは80年代後半から90年代初頭まで活動したスラッシュメタルバンド、VIO-LENCEのギタリストで、バンド解散後にローガンやアダムらと結成したのがMACHINE HEAD。ストレートなスラッシュメタルをやるかと思いきや、そこは時流に乗ったというか、METALLICAの“ブラックアルバム”やPANTERA以降の流れを汲むグルーヴィーで重々しいヘヴィメタルを展開しております。
なぜこのアルバムが“一時代を築いた”なんて言われているのか、それは起伏に富んだ楽曲アレンジもさることながら、ロブ&ローガンによるギターワークではないでしょうか。オープニングトラック「Davidian」のギターリフや、ハーモニクスなどを交えたプレイや音色は、例えばPANTERAにおけるダイムバッグ・ダレルのそれ同様に、当時のギターキッズたちが夢中になるようなものでした。特にグランジ以降、派手なギターソロを排除したシンプルなギタープレイが主流になっていましたが、カート・コバーン(NIRVANA)が亡くなった1994年春前後に登場したHR/HMの重要作品……本作『BURN MY EYES』やSEPULTURA 『CHAOS A.D.』やPANTERA『FAR BEYOND DRIVEN』、CARCASS 『HEARTWORK』あたりからは、派手なギタープレイを主軸に置いた新たなスタイルのHR/HMを感じることができるはずです。
楽曲のバラエティは次作以降、さらに幅広くかつクオリティが向上していくのですが、本作でのトーンの統一感やヘヴィさ、全体に漂う閉塞感などは以降の作品には感じられないものかもしれません。このへんはもしかしたら、グランジ一色だったロックシーンに対するアンチテーゼという意味もあったのかもしれません(勝手な想像ですが)。
PANTERAともMETALLCIAとも違うヘヴィさ、ダミ声だけど意外とメロウなロブのボーカル、そしてギター弾きなら真似したくなるリフワークやソロ。リリースから20数年経った今聴いても独創的ですし、「Davidian」や「Old」「None But My Own」「The Rage To Overcome」「Block」あたりは思わずコピーしたくなるくらいカッコいい。特に3rdアルバム『THE BURNING RED』(1999年)以降はアルバムごとに変化を繰り返しているバンドですが、軸になる部分はすでにこの時点から存在している。ぜひその原点をここで確認してみてください。
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