CHEAP TRICK『CHRISTMAS CHRISTMAS』(2017)
今年6月に発売されたオリジナルアルバム『WE'RE ALL ALRIGHT!』からたった4ヶ月というハイペースで届けられた本作は、CHEAP TRICK初の全曲クリスマスソングで構成されたアルバム。全12曲中オリジナル曲は3曲(M-1「Merry Christmas Darlings」、M-11「Our Father Of Life」、M-12「Christmas Christmas」)と、その内容はカバーアルバムと呼んでも差し支えないものですが、だからといってスルーするには勿体ないほどの完成度。これ、季節を問わず聴いておきたい強力なパワーポップアルバムですよ。
カバーで取り上げられているのは「Silent Night(きよしこの夜)」といったトラディショナルナンバーもありますが、それ以外はRAMONESやTHE KINKS、WIZZARD、SLADE、チャック・ベリー、ハリー・ニルソン、チャールズ・ブラウンなどその筋の人なら知らない者はいない大物ばかり。どれもポップでパワフルな「CHEAP TRICKらしい」アレンジに仕上げられており、本当に“企画モノ”で終わらせるには惜しい、いや、贅沢すぎる内容なんです。
1曲目「Merry Christmas Darlings」のアレンジなんて“いかにも”ですし、「I Wish It Was Christmas Today」「Run Rudolph Run」の疾走感あふれるロッキンぶり、「Merry Xmas Everybody」での力強いビートとパワフルなボーカル、「Please Come Home For Christmas」での渋みを増したスタイル、あのスタンダードをCHEAP TRICKスタイルでカバーするとこうなるんだと思わずニヤリ笑ってしまう「Silent Night」、そしてパンキッシュに突っ走る「Christmas Christmas」……うん、捨て曲なし(当たり前ですが)。
原曲は知らなくても、例えばキース・リチャーズのカバーでおなじみの「Run Rudolph Run」、BON JOVIも取り上げた「Please Come Home For Christmas」など、他アーティストのカバーで耳にしたことがある曲がひとつはあるはず。そういったカバーとの比較も面白いけど、ここは……昨年の『BANG, ZOOM, CRAZY...HELLO』から多作ぶりの目立つCHEAP TRICKの何度目かの絶頂期を素直に楽しみたいと思います。このアルバムを聴きながら街に繰り出せば、きっとひとりでも寂しくないはず!(笑)
最後に余談ですが……季節モノというのもあるけど、本作が国内リリースされないこのご時世……悲しいものがありますね。こういうアルバムほど、原曲がこうで、とかライナーノーツで専門家の方が解説してくれるのが楽しいのに。
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