DIO『HOLY DIVER』(1983)
ロニー・ジェイムス・ディオがBLACK SABBATH脱退を経て結成した、自身のリーダーバンドDIO。そのディオがサバス時代の盟友ヴィニー・アピス(Dr)、ディオとRAINBOWで活動をともにしたジミー・ベイン(B)、のちにDEF LEPPARDに加入するヴィヴィアン・キャンベル(G)という編成で1983年に制作したのが、DIO名義でのデビューアルバム『HOLY DIVER』です。
展開されているサウンドは、直近のサバスでのアルバム『HEAVEN AND HELL』(1980年)や『MOB RULES』(1981年)をよりメタリックにしたもの。もちろん、ディオが在籍した時代のRAINBOWの作風にも近いものがありますが、基本的にはサバスでの2枚のアルバムでの経験がそのまま活かされていると言っていいでしょう。
また、歌われている歌詞もディオがRAINBOWやサバスで表現してきた、中世のファンタジックな世界観が軸になっており、彼が描いたこういった幻想的な詩世界は後続のHR/HMバンドたちの大きな影響を与えました。一方で、(アートワーク含む)こういったテイストが他ジャンルから揶揄の対象になったのもまた事実で、これを受け入れられるかられないかでDIOの楽しみ方は大きく変わってしまうかもしれません。
とはいえ、そのサウンドやディオのボーカルは歌詞の内容とは関係なく、パワフルな王道HR/HMとして純粋に楽しめるはずです。ディオの演歌じみたボーカルは言うまでもなく、それ以上に特筆すべきなのがヴィヴィアンのよる若々しいギタープレイでしょう。DEF LEPPARD以降しか知らないリスナーにとっては、ここで表現されているアグレッシヴなプレイは驚きの対象かもしれませんが(まあ、最近のDIOトリビュートから始まったLAST IN LINEとかありますけどね)、1曲目「Stand Up And Shout」での前のめりなギターリフはリリースから35年近く経った今聴いてもカッコ良いの一言。続くヘヴィなミドルチューン「Holy Diver」やキャッチーな「Caught In The Middle」でのギターソロは必聴です。
また、楽曲自体が意外とバラエティに富んでいて、優れものばかりなのも本作の特筆すべきポイント。シンセを前面に打ち出した「Rainbow In The Dark」や、アコースティックギターをフィーチャーしたヘヴィメタルバラード「Don't Talk To Strangers」(ヘヴィになってからの展開、およびヴィヴィアンの攻めのギターソロも含め最高です)など、聴きどころ満載なのです。人によって好みはあるのかもしれませんが、基本的には捨て曲なしの1枚だと思っています。だからこそ、DIOは本作を再現するツアーも2000年代半ばに行ったのでしょうし(その模様は、2006年発売のライブアルバム『HOLY DIVER LIVE』で確認できます)。
2010年5月16日にディオが亡くなり、残念ながら今後新作を期待できないDIOですが、だからこそ彼が残した名作の数々をこういう形で後世に伝えていけたらなと……そう思いながら、今夜もこのアルバムを爆音で聴くわけです。
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