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2017年12月30日 (土)

CONVERGE『THE DUSK IN US』(2017)

前作『ALL WE LOVE WE LEAVE BEHIND』から実に5年ぶりの新作となる、CONVERGE通算9枚目のオリジナルアルバム。とはいえ、彼らはここ最近名作『YOU FAIL ME』(2004年)のリミックス盤『YOU FAIL ME REDUX』(2016年)や、同じく名盤『JANE DOE』(2001年)の再現ライブを収めた『JANE LIVE』(2017年)を連発していたので、そんなに待たされたという気がしていなかったし、特に今年に入ってからは「新作の準備をしている」的な発言もあったので、そこまで待たされることはないだろうと思っていたので……でも、まる5年も経ってたんですね。こうやって振り返ると、改めてその空白期間に驚きました。

1曲目「A Single Tear」のそのサウンドのクリアさに若干驚きを隠せませんでしたが、続く2曲目「Eye Of The Quarrel」、3曲目「Under Duress」からはいつもどおりのカオスなCONVERGEワールドが展開されており、ほっとひと安心。「Arkhipov Calm」でのたうち回るボーカル&ギター、「I Can Tell You About Pain」の冒頭で変拍子を刻むドラム、そこから無軌道に突っ走る展開など含め、「そうそう! これを待ってたんだよ!」と膝を叩きながらニヤニヤしたくなるノイジーなサウンドの洪水。最高じゃないですか。

ところが、アルバム中盤のタイトルトラック「The Dusk In Us」でその表情は一変。叙情的なアルペジオと囁くようなボーカル、ダークというよりも陰鬱と呼ぶ方がぴったりなその音世界は、それまでの高揚感にあふれる展開から一気に落とし穴に引きずり込まれたかのようで、背筋がゾッとします。

7分半におよぶこの曲がアルバム終盤ではなくど真ん中に置かれている意味を考えようとすると、いろんな想像が浮かんできて面白いんじゃないでしょうか。例えば、それまでのハイテンションを現実世界と表すなら、この表題曲で急にあの世に引きずり込まれた、とか……。にしても、この鬱展開。クセになりますね……。

7分半の臨死体験を経て、7曲目「Wildlife」から再びハイテンションが復活。続く「Murk & Marrow」もカオスそのものだし、キャッチーなベースラインでグイグイ引っ張るミドルヘヴィ「Trigger」、2分にも満たないエモーショナルハードコア「Broken By Light」、さらに激しさを増す1分少々の「Cannibals」と激しさが加速したところで、ラスト前「Thousands Of Miles Between Us」で再びハッとさせられる展開が登場。メロウさは先の「The Dusk In Us」以上で、ここではエモとかそういった表現では収まらないくらいの悲しさが押し寄せてきます。なんなんだ、この展開。そしてラストは不穏さをヘヴィな音像で強調した「Reptilian」で幕を降ろす。ただひたすら感情を揺さぶられまくる40数分。聴き終えたあとに軽くため息をつきながら、「そうだ、こういうアルバムをずっと待っていたんだ」という気持ちがよみがえってくる。そう、CONVERGEとは自分にとって何なのかを問いかけてくるのが、この最新アルバムではないでしょうか。

なんてカッコいいこと言ってますが、最初に聴いたときはとにかく震えました。震えまくり。そして二度、三度と聴き返していくうちに、このアルバムのカオスさはヘヴィさや速さ、無軌道さにあるのではなく、実は「The Dusk In Us」や「Thousands Of Miles Between Us」のような曲にこそ存在するのではないかという結論に達したのでした。これが、2017年という混沌の時代にCONVERGEが到達した結論なのだと。

そう思いたくなるくらいの力作。5年待った甲斐がありました。



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投稿: 2017 12 30 12:00 午前 [2017年の作品, Converge] | 固定リンク