BORN OF OSIRIS『THE ETERNAL REIGN』(2017)
アメリカ・シカゴ出身のデスコア/プログレッシヴメタルバンド、BORN OF OSIRISの最新EP。本作は2007年に発売されたバンド初の一般流通音源『THE NEW REIGN』の発表10周年を記念して制作されたもので、『THE NEW REIGN』収録曲8曲を現メンバーで再録&再構築。さらに、当時の未発表曲「Glorious Day」も含まれており、単なる焼き直しでは終わらない現在進行形の彼らの姿が伝わってくる好盤に仕上がっています。
シンセを効果的に用いたプログレッシブメタルサウンドと、低音を効かせた2本のギターとリズム隊が織り成すジェントサウンド、その上に乗るデス声がミックスされることで生まれる不協和音的不穏な世界観。ドラマチックなのにホラー映画的な怖さが漂うそのテイストは、もはやお家芸と言えるでしょう。
昨今の楽曲と比べると、本作で展開されているサウンドはドラマチックさが薄く、むしろ不穏な空気感のほうが強い。そこが良いという人もいるし、近作から入った僕のような人間には新鮮にも映るので、もしかしたら評価が分かれる1枚かもしれません。
とはいえ、すでに10年前からBORN OF OSIRISはこのスタイルを確立させていたとう事実にまず驚かされますし、それを現代的に再構築することで完全に“今の音”、“今の楽曲”として再生されていることにも驚かされる。改めて、奥深いジャンルだなぁ……と感慨深さを覚えました。
そういえば、全体的にBMPが速めなのもこの頃の特徴でしょうか。最近の曲のほうがもっとテンポがスローで重々しいイメージがあるので。ちなみに、どの楽曲も2分台から3分台前半と短め。シンセも前面に出るというよりは味付け程度といった印象ですし、プログレッシヴメタルというよりはジェントを取り入れたメタルコアといったほうがわかりやすいかもしれませんね。
3rdアルバム『TOMORROW WE DIE ALIVE』(2013年)からこのバンドに入った身としては、最初はとっつきにくさがあった盤ですが、慣れていくとこの無感情な感じがクセになる(初収録の「Glorious Day」が、むしろ最近のスタイルに近いので、ここを入り口するとわかりやすかも)。改めてすごいことをやってきたバンドなんだなと気づかされました。その後の彼らの躍進を考えると、習作としては十分すぎる内容。温故知新という意味でも、ジェントというものを理解する上でも最適な1枚でしょう。
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