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2018年1月 1日 (月)

DIR EN GREY『UROBOROS』(2008)

『Withering to death.』(2005年)と続く『THE MARROW OF A BONE』(2007年)で本格的な欧米進出を図り、KORN主宰『The Family Values Tour』への参加や『Wacken Open Air』など大型メタルフェス出演と着実にステップアップを重ねるDIR EN GREY。その決定打となる作品としてリリースしたのが本作『UROBOROS』です。

海外メタルコアバンドからの強い影響を感じさせるヘヴィなサウンドをヴィジュアル系バンドらしくスマートに解釈した過去2作の音楽性から、この『UROBOROS』ではさらに一歩踏み込んだ奥深さを漂わせるスタイルに進化/深化を果たします。それはアメリカ進出を意識したかのようなモダンな『THE MARROW OF A BONE』とは相反する、中東的なメロディや日本人としてのアイデンティティを感じさせる土着的なテイストを強めた点からも感じ取れるはずです。

本作は単尺インスト曲「SA BIR」から始まったかと思えば、いきなり9分半にもおよぶこのプログレッシヴな大作「VINISHKA」に突入する。フォークメタル的な土着性が強いこの曲はOPETHにも通ずるものがありますが、この実験作はある意味ではここまでの活動の集大成でもあり、と同時に本作の“キモ”の部分にもなっています。そんな楽曲をアルバム冒頭パートに置くことにある種の突き放した感も見え隠れしますが、それだけこの曲に、そしてここから次々と展開される数々の楽曲に対する強い自信の表れではないでしょうか。

メタルコアというよりもデスメタルやドゥームメタルをフォークメタル的なテイストで包み込んだサウンドを、カオティックコア的スタイルで演奏・表現。ボーカル京の表情も過去の作品とは比較にならないほど多彩で、高低差の激しいシャウト/グロウルのみならず、終始クリーントーンで儚げに歌うもの、さらには民族音楽的な怪しさが強い歌唱など、1曲1曲でコロコロ変わります。ところどころでメタル期〜フュージョン期のKING CRIMSONにも通ずる要素も感じられ、こういった面は確実にメタルやラウドロックファンにも引っかかるはず。本作が全米114位にランクインしたのも頷ける話です。

なお、同作は2012年に次作『DUM SPIRO SPERO』のミックスを手掛けたチュー・マドセンによるリマスター&リミックス盤としても再リリース。オリジナル盤とは異なる音の分離の良さが堪能できるだけでなく、一部楽曲が別テイクに差し替えられているので、ぜひ比較しながら楽しんでもらいたいところです。

 


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