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2018/01/10

DAVID BOWIE『BLACK TIE WHITE NOISE』(1993)

今から25年前の1993年春にリリースされた、デヴィッド・ボウイ通算18枚目のスタジオアルバム。80年代末から自身がフロントマンを務める4人組バンドTIN MACHINEでの活動を中心に、1990年にはソロ曲を封印するために大々的なソロライブをここ日本でも東京ドームで実施しましたが、結局TIN MACHINEの2枚目『TIN MACHINE II』(1991年)が大コケしたことで、ボウイは再びソロに戻らざるをえない状況に追いつめられるのでした。

とはいえ、当時のボウイは私生活では1992年にイマンと結婚して順風満帆。商業的に失敗作と捉えられてしまったTIN MACHINEから再びソロに戻れたのも、こうした好状況が後押ししたのかもしれませんね。

アルバムは『LET'S DANCE』(1983年)を手がけたナイル・ロジャースが再びプロデュースを担当。レコーディングにはかつてSPIDERS FROM THE MARSでの盟友ミック・ロンソン(G)がゲスト参加し、CREAM「I Feel Free」やモリッシー「I Know It's Gonna Happn Someday」、THE WALKER BROTHERS「Nite Flights」のカバーを収録など、話題に事欠かない1枚となっています。

実際、本作は56分という長尺ながらも非常にノリが良く、コンパクトで聴きやすい印象なんです。80年代中盤から後半のボウイ的なノリも残しつつ、それが悪い方向に進むことなく90年代前半当時の音楽シーンと見事にシンクロしている。そして、ブラックミュージックのテイストとジャズのフィーリングが至るところに散りばめられており、それによって全体がボウイらしい大人のサウンドへと昇華されている。このバランス感はぶっちゃけ、『LET'S DANCE』以降でもっとも優れているのではないでしょうか。

アルバム中随所に登場するインストナンバーも実験的な要素よりも、モダンなテイストのほうが強く、しっかり時代に寄り添っている。かといって、それが売れ線にどっぷり浸かったものでもない。このさじ加減が絶妙なのが、本作の魅力だと思います。だからこそ、本作は『TONIGHT』(1984年)以来となる全英1位を獲得できたんでしょうね。

この好調ぶりが、『OUTSIDE』(1995年)以降の諸作品へと続いていくと考えると、ボウイに再びメジャーのど真ん中で好き放題やることの楽しさを思い出させてくれた重要作品と受け取ることもできます。実際、僕は90年代のボウイ作品の中では本作と『HOURS...』(1999年)がめちゃめちゃ好きなんですよ。まったくタイプは異なるんですけど、ボウイ“らしさ”という意味では実験的な『OUTSIDE』や『EARTHLING』(1997年)よりも“らしい”内容ですものね。



▼DAVID BOWIE『BLACK TIE WHITE NOISE』
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投稿: 2018 01 10 12:00 午前 [1993年の作品, David Bowie, 「R.I.P.」] | 固定リンク