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2018/01/31

2018年1月のお仕事

あけましておめでとうございます。
2017年はこのサイトを楽しんでいただき、本当にありがとうございました。
2018年も昨年末から引き続き、バンバン更新していきます。また仕事のほうでも新しいことにバンバン挑戦していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

2018年1月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます。
(※1月21日更新)


[WEB] 1月21日、「リアルサウンド」にSKE48高柳明音、大場美奈、古畑奈和、北川綾巴インタビュー「SKE48 高柳明音、大場美奈、古畑奈和、北川綾巴が語る、“10周年までの歩み”と“新しい風”」が公開されました。

[WEB] 1月12日、「ぴあ映画生活」にて映画『あの頃、君を追いかけた』撮影レポートおよび山田裕貴&齋藤飛鳥インタビュー「山田裕貴&齋藤飛鳥『あの頃、君を追いかけた』撮影現場が公開、初共演を通して抱いた思いとは」が公開されました。

[紙] 1月10日発売「TV Bros.」2018年1月13日号にて、WANIMA『Everybody!!』、LINKIN PARK『ONE MORE LIGHT LIVE』アルバムレビューを担当・執筆しました。

[紙] 1月9日から全国のタワーレコードで無料配布中の小冊子「tower+062」にて、Little Glee Monsterのインタビューを担当・執筆しました。

[WEB] 1月7日、「リアルサウンド」にて新譜キュレーション記事「スラッシュメタル、ブラックメタル、ジェント……“エクストリームメタルの進化”示す新譜5選」が公開されました。

[WEB] 1月5日、「リアルサウンド」にてフルカワユタカ×LOW IQ 01×荒井岳史鼎談「フルカワユタカ×LOW IQ 01×荒井岳史 特別鼎談 「やっぱり人のつながりが一番だ」」が公開されました。

[紙] 1月4日発売「日経エンタテインメント!」2018年2月号にて、乃木坂46齋藤飛鳥インタビュー、白石麻衣インタビュー、および特別付録「乃木坂46 アンダーパーフェクトガイド」内の乃木坂46樋口日奈・寺田蘭世・渡辺みり愛インタビュー、アンダーメンバーパーフェクト名鑑、アンダーアルバム『僕だけの君 〜Under Super Best〜』全曲解説を担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 1月3日、「リアルサウンド」にてTHE YELLOW MONKEYのライブ評「THE YELLOW MONKEY、東京ドームで示した“再生”と“進化”」が公開されました。

[紙] 1月2日発売のDIR EN GREYベストアルバム『VISTIGE OF SCRATCHES』に関連した小冊子「勝手にDIR EN GREY」がCDショップなどで配布中。こちらにコメントを寄与しました。

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また、12月に当サイトで紹介したアルバム(Spotifyで配信している作品のみ)から各1〜2曲程度ピックアップして、40曲程度のプレイリストを制作しました。題して『TMQ-WEB Radio 1712号』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

投稿: 2018 01 31 12:00 午後 [「仕事紹介」] | 固定リンク

2018/01/22

KULA SHAKER『K』(1996)

1996年9月にリリースされたKULA SHAKERの1stアルバム。ブリットポップ全盛期から後期にかけたタイミングの1995年に登場した彼らですが、1996年に入ると「Grateful When You're Dead」のスマッシュヒット(全英35位)に続き、「Tattva」が全英4位まで上昇。続く「Hey Dude」も全英2位の大ヒットとなり、同タイミングに発表されたアルバム『K』も全英チャート初登場1位を記録。同年を代表する1枚となりました。

彼らがそれ以前に登場したブリットポップバンドたちと一線を画するのは、インディーズからのリリース(活動)なしに突然メジャーデビューを果たし、たった数枚のシングルで大成功を収めてしまったこと。ガレージロックとも伝統的な英国ひねくれポップとも異なる、インドからの影響が色濃いサイケデリックロックサウンドが新鮮かつ好意的に受け入れられた結果、ヒットにつながったと言えるかもしれません。

とはいえ、アルバムオープニングを飾る「Hey Dude」のドライブ感とダンサブルなビート、力強さを見せつつも適度に肩の力が抜けたクリスピアン・ミルズ(Vo, G)のボーカルと鋭いギタープレイには、一度聴いたら耳を奪われてしまうのではないでしょうか(そのルックスに目を奪われる、というのもあると思いますが)。

かと思えば、STOOGESを胡散臭くした「Knight On The Town」「Smart Dos」みたいなハードナンバーもあるのに、宗教的な色合いすら感じさせる「Govinda」(全英7位)もある。浮遊感漂うサイケポップ「Into The Deep」「Tattva」、ひたすらギターストロークがカッコイイ前半とダウナーなサイケサウンドの後半との対比がえげつない「Grateful When You're Dead / Jerry Was There」、どこか哀愁味の強い枯れたロックバラード「Start All Over」など、とにかく捨て曲が一切ない。そりゃあ画一的なシーンの中にこんなバンドが登場したら、耳の早いリスナーは飛びつきますよ。

たったアルバム1枚で国民的人気を獲得してしまった彼らですが、その正解感を追求したばかりに(そしてブリットポップブームが終焉を迎えたため)、続く2ndアルバム『PEASANTS, PIGS & ASTRONAUTS』(1999年)が全英8位まで上昇するものの前作ほどの結果は得られず、同年中に解散。2004年には再結成し、現在まで着実な活動を続けています。

そういえば、KULA SHAKERが日本デビューしたタイミングって、こういったインドテイストや宗教感を漂わせるバンドは若干微妙だったように記憶しています。だって、1995年にはあの団体による事件があったばかりでしたから……。まあ、それでも純粋な洋楽ロックファンは彼らを支持し、ソールドアウト連続のジャパンツアーは大成功したわけですけどね。よかったよかった。



▼KULA SHAKER『K』
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投稿: 2018 01 22 12:00 午前 [1996年の作品, Kula Shaker] | 固定リンク

2018/01/21

JUDAS PRIEST『RAM IT DOWN』(1988)

1988年5月にリリースされた、JUDAS PRIEST通算11枚目のスタジオアルバム。前作『TURBO』(1986年)でポップな作風、シンセやシンセサイズドギターを大々的に導入したサウンドメンが批判された彼らでしたが、続く本作では当初、当時ヒットを飛ばしまくっていたダンスミュージック・プロデュースチーム「STOCK AITKEN WATERMAN」がプロデュースを担当するという話もあり、メタルファンを驚愕させたのですが、残念ながら実現せず、結局はこれまで同様にトム・アロムを迎えて制作されました。

本作は『TURBO』の流れを汲む、ポップでシンセサイズドな作風と、その反動から生まれたハードエッジなメタルチューンが混在したもの。そもそも『TURBO』というプロジェクト自体がその両方を持ち合わせたものだったはずが、途中からポップサイドに特化した内容に変更されたため、ハードサイドの楽曲は保留されており、そのアウトテイクを本作では数曲使用しているようです。そういう意味では、本作は『TURBO』と併せて語るべき1枚かもしれませんね(腕をモチーフにしたジャケットしかり、関連性は大いにあるのではないかと)。

オープニングの「Ram It Down」は、当時のバンドの状況(ポップに成り下がったと揶揄され、さらに言いがかりにも近い裁判騒動など)もあってか、それらに対する怒りを冒頭のロブ・ハルフォード(Vo)のシャウト一発で表現しているようにも感じられます。でも、激しいファストチューンながらも、しっかりポップな要素が備わっているのがいかにも『TURBO』プロジェクトのアウトテイクといった印象。そのへんは、例えば『SCREAMING FOR VENGENCE』(1982年)や『DEFENDERS OF THE FAITH』(1984年)ともちょっと違ったイメージがあるかもしれません。

それから、本作は全体的にシンプルなイメージが強いのも特徴かな。曲タイトルのシンプルさはもちろん、大半の楽曲のアレンジもそこまで複雑ではなく、意外とあっさりめ。それをデジタルテイストでコーティングしているんだから、より異質な感触が強まっているんです。「Heavy Metal」や「Love Zone」のドラムのエフェクト感(トリガーを使ってるのかしら)もそうだし、プログレッシヴな名曲「Blood Red Skies」やヘヴィなミドルナンバー「I'm A Rocker」「Monsters Of Rock」あたりもそう。

で、その究極の1曲が「Johnny B. Goode」。そう、チャック・ベリーの代表曲ですよ。あれを映画のサウンドトラック用とはいえ、プリーストがカバーしてしまったんです。初めて聴いたときの何とも言えない感といったら……これが正解なのか失敗なのかすら理解できず、ただ流れ去っていくような気すらしましたもん。

という名作というよりは迷作寄りの1枚ですが、『TURBO』からのノリで聴くとそこまで悪くないので、まぁいいんじゃないでしょうか。僕は嫌いじゃないですよ。だって「Blood Red Skies」1曲あるだけで全然勝ってるし、そもそも彼らのポップセンス自体、決して悪くないですもん。まあ、そこをこのバンドに求めるのか?って話なんですよね、そもそもは(苦笑)。

リリースから今年で30年。もしかしてデラックス盤とか出たりするんですかね。だとしたら、当時来日公演が実現していないので、この時期のちゃんとしたライブ音源もしくはライブ映像を発表してほしいものです。

P.S.
本作を最後にバンドを脱退したドラマー、デイヴ・ホランドが亡くなったようです(参照:ソース)。晩年は少年への性的暴行などであれこれありましたが、今はご冥福をお祈りしたいと思います。

→これ、海外のフェイクニュースによるデマだったようですね。失礼いたしました(汗)。



▼JUDAS PRIEST『RAM IT DOWN』
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投稿: 2018 01 21 12:00 午前 [1988年の作品, Judas Priest] | 固定リンク

2018/01/20

DEF LEPPARD『ON THROUGH THE NIGHT』(1980)

DEF LEPPARDの過去のカタログが昨日1月19日から、デジタルデータでの販売およびサブスクリクションサービスでのストリーミング配信が開始されました。(参照:こちら

1980年のメジャーデビューから30年近く在籍したMercury/Island Records時代の音源に関しては、しばらくバンドのコントロールが効かない状況で、手元に取り戻した『SLANG』(1996年)以外は配信で手軽に聴くこともできず、バンドは苦肉の策として「Pour Some Sugar On Me」などいくつかの音源を再レコーディングして配信するなどしてファンのニーズに応え続けてきました。10年以上にわたり動いてきたこの件も、昨日で一件落着。個人的にもCDラックやハードディスクから彼らの音源を引っ張り出す手間が省けてありがたいですし、何よりも彼らの黄金期をリアルタイムで知らない若いリスナーにも手軽にDEF LEPPARDのカタログが楽しめるのは非常に大きな一歩だと思うのです。

ということで、今回は当初計画していた更新予定から、今月2枚目のDEF LEPPARDのアルバム紹介に変更することにしました。

今回紹介するのは、1980年3月に本国イギリスでリリースされたDEF LEPPARDのメジャー1stアルバム。彼らは前年の1979年1月に3曲入りEP『THE DEF LEPPARD E.P.』を自主レーベルから発売。同年にメジャー契約を果たすと、11月にはシングル「Wasted」でメジャーデビュー。当時はIRON MAIDENSAXONなどをはじめとする、イギリス出身の若手HR/HMバンドたちによる新たなムーブメント=New Wave Of British Heavy Metal(NWOBHM)が勃発し始めたタイミングで、サウンドのテイスト的にはヘヴィメタルとは異なるものの、DEF LEPPARDもこの流れに取り込まれて紹介される機会が増えていきました。

今このアルバムを聴き返すと、『HYSTERIA』(1987年)以降のデジタル色の強いポップなハードロックサウンドとは一線を画する、生々しくてアグレッシヴな印象を受けます。そりゃあリック・アレン(Dr)も健康体でしたし、当時はまだ16歳そこそこでしたし。メンバーの多くが20歳前後だったことを考えれば、この躍動感とフレッシュさは納得のいくものです。

また、王道ブリティッシュハードロックのスタンスを保ちながらも、「Rock Brigade」や「Hello America」などではアメリカナイズされた(と言われた)ポップさも積極的に導入している。もちろんこのへんもブリティッシュっちゃあブリティッシュなんですが、あの当時はこういったメジャー感に対して「アメリカかぶれ」なんて揶揄されたのかもしれませんね。今聴くとそんなにアメリカンな印象も受けないのですが。

上記のポップなハードロックはのちの彼らのヒット曲につながっていくと思うのですが、と同時に「It Could Be You」や「Wasted」「Rocks Off」のようなストレートなハードロックもあれば、「Sorrow Is A Woman」みたいに叙情的な楽曲、「When The Walls Came Tumbling Down」「Overture」といったプログレッシヴなハードロックも存在する。結局、次作以降の“らしさ”の原点がぎっしり詰まった、原点と呼ぶにふさわしい1枚なんですよね。彼らの代表作をすべて聴き終えてから本作に戻ると、非常に納得できる内容/作風なんじゃないかと思います。

今の彼らのこの勢いを求めようとは思いませんが、もしできることなら……今の彼らが表現する『ON THROUGH THE NIGHT』完全再現ライブというのも観てみたい気がします。実現しないものですかね?



▼DEF LEPPARD『ON THROUGH THE NIGHT』
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投稿: 2018 01 20 12:00 午前 [1980年の作品, Def Leppard] | 固定リンク

2018/01/19

THERAPY?『TROUBLEGUM』(1994)

北アイルランド出身のトリオバンドTHERAPY?が1994年初頭にリリースした、メジャー2ndアルバム(インディーズ盤含めると通算4作目)。『NURSE』(1992年)でメジャーデビューを果たした彼らでしたが、同作は全英38位止まり。が、本作『TROUBLEGUM』にも収録された「Screamager」がリード曲のEP『SHORTSHARPSHOCK E.P.』(1993年)が全英9位、続く『FACE THE STRANGE E.P.』(同年 / 「Turn」収録)が全英18位、『OPAL MANTRA』(同年 / アルバム未収録)が全英14位、さらにシングル「Nowhere」が全英18位と好状況を経てこのアルバムをドロップ。結果、全英5位という現在までの最高順位を獲得することとなりました。以降も「Trigger Inside」(全英22位)、「Die Laughing」(全英29位)とヒットシングルが生まれています。

本作では反復されるダンサブルなインダストリアルビートが魅力だった『NURSE』までの路線から一歩踏み出し、より直線的でエモーショナルな楽曲が増えた印象。オープニングのショートチューン「The Knives」や「Screamager」、「Nowhere」はまさにその代表例で、そういった新境地ナンバーが受け入れられた結果、ヒットにつながったのだから面白いものです。

かと思えば、前作までのダークな色合いを兼ね備えた「Unbeliever」「Lunacy Booth」、グランジやオルタナからの影響が強い「Femtex」「Unrequited」があったり、JOY DIVISIONのカバー「Isolation」もある。確かにリフの反復などには前作までの色合いが見え隠れしますが、全体的にはロックバンドとしての躍動感が強烈に強まった意欲作という気がします。

だからこそ、「Nowhere」や「Die Laughing」のようなメジャーキーのポップな楽曲が入っていても違和感なく楽しめるし、むしろそういった異色の楽曲が強い個性を放っているのだから不思議ですよね。ダークだけどエモーショナル、そしてキャッチーでポップ。このスタイルは次作『INFERNAL LOVE』(1995年)でさらに極まることになるわけです。

なお、本作は数年前にCD3枚組のデラックス盤も発売。シングルのカップリングやリミックス、ライブ音源などがまとめられています。このリミックスバージョンに、過去のインダストリアルテイストが生かされているので、この使い分けはさすがだな、わかってるなと思ったのは僕だけではないはずです。



▼THERAPY?『TROUBLEGUM』
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投稿: 2018 01 19 12:00 午前 [1994年の作品, Therapy?] | 固定リンク

2018/01/18

TERRORVISION『HOW TO MAKE FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE』(1994)

イギリス出身の4人組バンドTERRORVISIONが1994年春に発表した2ndアルバム。PIXIESやTHROWING MUSESなどを手がけ、のちにFOO FIGHTERSHONEYCRACKFEEDERなどにも携わるギル・ノートンをプロデューサーに迎え制作された本作からは「Oblivion」(全英21位)を筆頭に、「Middleman」(同25位)、「Pretend Best Friend」(同25位)、「Alice What's The Matter?」(同24位)、「Some People Say」(同22位)と5曲ものヒットシングルが生まれ、アルバム自体も最高18位と好セールスを記録。知名度を一気に上げる起爆剤となりました。

彼らのサウンドは非常にカテゴライズが難しく、ハードロックと言ってしまえば確かにそう聴こえるし、RED HOT CHILI PEPPERSあたりのヘヴィなファンクロックと言われればそうとも受け取れる。ブリットロックの中に入ってしまえばそれっぽいと思えるし、グランジと言われれば確かにそれっぽい。要するに、1曲1曲が独立して際立った個性を持っているため、いざアルバムで接するとバンド本来の顔が見えてこなかったりするのです。そこが良い点でもあると同時に、ここ日本のようなシーンでは弱点にもなる。ある意味、評価の難しい存在かもしれません。

事実、僕自身もリアルタムで最初に彼らの楽曲に触れたのは、ちょっとグランジがかったミディアムナンバー「Middleman」から。次にオールディーズテイストのポップロック「Oblivion」を聴いたら頭に「?」の文字が浮かび上がり、さらに風変わりなハードロック「Alice What's The Matter?」やミクスチャーロック風の「Pretend Best Friend」を聴いてさらに疑問は大きくなるばかり。

アルバムを聴くと、ファンクロック的な「Stab In The Back」があったりヘヴィなギターリフがカッコイイ「Descotheque Wreck」があったり、リフだけ聴いたら完全にメタルなファストチューン「What The Doctor Ordered」、アコースティックギターやストリングスをフィーチャーしたもの悲しげなヘヴィバラード「Some People Say」と、とにかく一貫性が感じられない。

でも、視点を変えれば、この一貫性のなさこそがTERRORVISION最大の武器であるわけで。何度も聴き込むとこのアルバム、かなり芯の通ったアルバムだと気づかされるわけです。要するにミクスチャーロックバンドなんですよね。ブリティッシュロックバンドがミクスチャーに挑戦するとこうなる、という好例なのではないでしょうか。そう考えると、このひねくれっぷりこそがイギリス人そのものなんだなと改めて実感させられるはず。こんなアルバム、アメリカ人にはなかなか作れませんよ。



▼TERRORVISION『HOW TO MAKE FRIENDS AND INFLUENCE PEOPLE』
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投稿: 2018 01 18 12:00 午前 [1994年の作品, Terrorvision] | 固定リンク

2018/01/17

THE YO-YO'S『UPPERS AND DOWNERS』(2000)

2000年夏にリリースされた、イギリスのポップパンクバンドTHE YO-YO'Sの1stアルバム。ダニー・マコーミック(Vo, G / 元THE WiLDHEATS)がTHE WiLDHEARTS解散後にトム・スペンサー(Vo, G / 元SUGARSNATCH、THE LURKERS)と結成したこのバンドは、BACKYARD BABIESなどとツアーを重ねながら自主制作EPを2枚発表。その結果、名門Sub Pop Rocordingsと契約することとなり、ワールドワイドデビューを飾ることとなりました。

当時の編成はダニー、トムに加えてニール・フィリップス(Vo, G / B-MOVIES HEROES)、ブラッズ(Dr / 元SUGARSNATCH)という“あの界隈”の面々。サウンド的にはTHE WiLDHEARTSのポップさやパンキッシュな部分をそのまま残しつつ、メタリックな要素を排除したもので、イギリスというよりもアメリカのバンドに近い作風と言えます。ちょうどGREEN DAYやTHE OFFSPRINGなどのポップパンク全盛後期だったこともあり、うまくその流れに乗れたのではないかという気もします。

プロデュースはBAD COMPANY『DANGEROUS AGE』(1988年)、『HOLY WATER』(1990年)、FOREIGNER『UNUSUAL HEAT』(1991年)などを手がけてきたテリー・トーマスが担当しています。THE YO-YO'Sのスタイルとはおよそ結びつかない人選ですが、テリー・トーマス自身がミュージシャンでもあり、BAD COMPANYの諸作品ではギタリストやキーボーディストとしても参加していることから、ミュージシャン視点でアルバム作りに加わったのではないでしょうか。

その成果もあってか、アルバム自体は本当によくできた、しっかり作り込まれた楽曲がずらりと並んでおり、インディーズから発表した「Rumble(d)」や「Out Of My Mind」といった楽曲も再録音で収録。オープニングの「1000 Miles From Me」なんてYARDBIRDSやAEROSMITHでおなじみの「Train Kept A Rolln'」を彷彿とさせるリフとパンキッシュな疾走感をあわせ持つサウンドですが、そこに乗るメロディやハーモニーはTHE BEACH BOYSばりに甘ったるいもの。シングルカットされた「Time Of Your Life」や「Sunshine Girl」なんて、これがヒットしなかったら何を売れというの?ってくらいの名曲ですしね。そういう意味では、ダニーがTHE WiLDHEATSで学んだ経験を、自身が中心となって発揮させた最良の形=アルバムではないでしょうか。

残念ながら、2001年にTHE WiLDHEATSが再結成されることになってTHE YO-YO'Sは自然消滅。その後、ダニーがTHE WiLDHEATSを離れたあとに不定期ながらもTHE YO-YO'Sはライブを行っていたようで、2005年にはダニー&トムに新メンバーを加えた編成でEP『GIVEN UP GIVING UP』をリリース。こちらは現在でも入手可能です。



▼THE YO-YO'S『UPPERS AND DOWNERS』
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投稿: 2018 01 17 12:00 午前 [2000年の作品, Wildhearts, The, Yo-Yo's, The] | 固定リンク

2018/01/16

THE HAUNTED『THE HAUNTED』(1998)

スウェーデンのメロディックデスメタルバンド、AT THE GATESが1996年に解散したあと、元メンバーのアンダース・ビョーラー(G)、ヨナス・ビョーラー(B)、エイドリアン・アーランドソン(Dr)を中心に結成されたデスラッシュ(デスメタル+スラッシュメタル)バンドTHE HAUNTED。彼らが1998年初夏に発表したデビューアルバムが、本作『THE HAUNTED』。

デスラッシュというカテゴリーからもわかるように、本作で表現されているのは直線的なスラッシュメタルサウンドをデスメタル的解釈で表現したもの。ところどころでAT THE GATES時代の香りもするのですが、むしろあそこまでメロウな要素は薄く、SLYAERあたりの疾走ショートチューンに近い印象を受けます。

ボーカル(本作では初代シンガーのピータードルヴィングが担当)もデスメタルというよりもスラッシュメタルやハードコア的な歌唱法で、要所要所にメロディを感じさせる部分もある(とはいえ、メロディックデスメタルのそれとはまったく異なるもの)。そういった点もSLAYERに似てるのかな。

スラッシュメタルがオールドスクールとして捉えられ、メタルといえばヘヴィさとグルーヴ重視だった90年代後半にこういったスタイルのバンドが登場したことに当時驚かされたし、そこで展開されている内容も単なる焼き直しじゃなくてスラッシュ+デスという進化形だった。ああ、またメタルが新たな形で再編されていくんだなと感じさせられた1枚が本作でした。

とにかく1曲目「Hate Song」から、難しいことを考えずに頭を振れる(この曲、タイトルが最高じゃないですか)。アレンジもシンプルで、リズムチェンジなどの展開が変に加えられていない。もうバカみたいに突っ走るのみ。1曲1曲が2分台後半から4分台前半と、曲の長さからもその内容が想像できるというものです。

ちなみに本バンドのもうひとりのギタリスト、パトリック・ヤンセンはこのTHE HAUNTEDと同時期にWITCHERYというバンドも結成。こちらもTHE HAUNTEDに負けず劣らずのデスラッシュサウンドが展開されており、今日まで活動を続けております。WITCHERYに関しても後日、改めて紹介したいと思っているのでお楽しみに。

いやあ、こういうシンプルに楽しめるアルバムは頭をリセットするのに最適ですね。大音量で楽しみたい1枚です。



▼THE HAUNTED『THE HAUNTED』
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投稿: 2018 01 16 12:00 午前 [1998年の作品, Haunted, The] | 固定リンク

2018/01/15

FEAR FACTORY『DEMANUFACTURE』(1995)

FEAR FACTORYが1995年初夏にリリースした通算2枚目のスタジオアルバム。当時のHR/HMシーンはPANTERAを起点とするグルーヴメタルと、KORNなどのブレイクにより勃発したラップメタルに二分され、旧来のスラッシュメタルや王道スタイルは“オールドスークル”、あるいは時代遅れとして見放されていた時期した。

そんな中、そのどこにも属さないFEAR FACTORYはインダストリアルミュージックなどの要素を取り入れ、正確無比なビートの上でスラッシーなギターリフが刻まれ、さらに暴力的でどこか冷たさを持つボーカルが乗るという新たなスタイルを確立。その回答が、本作『DEMANUFACTURE』で示されていることは間違いないでしょう。

レイモンド・ヘレーラ(Dr)が生み出す機械的なドラミングはどこか打ち込み的で、どこか冷たさを感じさせる。なのに、聴いていると気持ち良くなってくる。そこにディーノ・カザレス(G)のヘヴィなギターリフが乗ることでモダンメタルの色合いが増すのですが、効果的に用いられるデジタルサウンドやシンセの音色、インダストリアルノイズなどの装飾により同時期に活躍したどのバンドとも違うカラーを打ち出すことに成功。バートン・C・ベル(Vo)のボーカルもただデスボイスでがなるだけでなく、淡々とメロディを歌ったりもする。そのどこか非人間的で感情を排除した歌唱法が先の機械的なビート&正確に刻まれるギターリフと相まって、より機械的な要素が強まるわけです。

この『DEMANUFACTURE』はコンセプトアルバムであり、機械文明に対する人間の怒りや闘争が描かれています。曲間がつながった大作志向ではないものの、歌詞で綴られている世界観はすべてひとつのテーマに沿って表現されているので、ぜひ国内盤(現在廃盤状態ですが)の対訳などを目にしつつ聴いてもらえるといいんじゃないかと。

本作の基盤となるのは、先にも書いたような機械的でひんやりしたモダンメタルなのですが、それ以外にも個性的な楽曲が多く含まれています。例えば「New Breed」あたりはのちのTHE MAD CAPSULE MARKETSに通ずるものが感じられるし(この曲名をバンド名にそのまま用いた国内バンドもいますし)、「Dog Day Sunrise」(80年代に活動したイギリスのメタルバンド、HEAD OF DAVIDのカバー)や「A Therapy For Pain」あたりからはゴシックメタルの香りもする。かと思えば「Body Hammer」のビートはエフェクトがかけられてマシンビートみたいで、MINISTRYとの共通点も見受けられる。いやいや、本当に面白い。

これが20数年前のアルバムなんだと考えると、いかに彼らが挑戦してきたサウンドが時代を先取りしたものだったかが伺えるのではないでしょうか。とにかく、今聴いても十分にカッコいいし、大きなブームは作れなかったかもしれないけど、いろんな形でフォロワーを生み出したという意味では、本作は90年代のメタルシーンを語る上で絶対に外せない1枚だと思います。



▼FEAR FACTORY『DEMANUFACTURE』
(amazon:国内盤CD / 国内盤CD / MP3

投稿: 2018 01 15 12:00 午前 [1995年の作品, Fear Factory] | 固定リンク

2018/01/14

SOULFLY『SOULFLY』(1998)

1998年春にリリースされた、マックス・カヴァレラ(元SEPULTURA)による新バンドSOULFLYのデビューアルバム。SEPULTURAを実質追い出されたマックスは、そのSEPULTURAの直近作『ROOTS』(1996年)で試みたトライバルなヘヴィロックをさらに進化させた音楽をこのバンドで表現。つまり、傑作と言われる『ROOTS』の直系の続編と呼べる内容が本作ということができるわけです。

プロデュースは『ROOTS』と同じくロス・ロビンソンが担当。この頃にはKORNでひと山当て、さらにLIMP BIZKITのデビュー作なども当てて知名度を高めたあと。そのロス・ロビンソンとマックス本人の人脈もあり、本作にはFEAR FACTORYのバートン・C・ベル&ディノ・カザレス、LIMP BIZKITのフレッド・ダースト&DJリーサル、DEFTONESのチノ・モレノ、SKINDREDのベンジー・ウェッブなどヘヴィ/ラウドロックシーンの著名アーティストたちがゲスト参加しています。

オープニングの「Eye For And Eye」のアグレッシヴさに、本作は『ROOTS』以上に激しいアルバムになるんじゃないか?とワクワクすることでしょう。「Tribe」「Bumba」のようなトライバルなビートを用いた楽曲もあれば、「First Commandment」のようにダンサブルな楽曲もある。そしてバンド名を冠した「Soulfly」では民族音楽に接近したインストゥルメンタルナンバーを楽しめる。確実に『ROOTS』の延長線上にあるのですが、そことは違う香りもする。

例えば『ROOTS』がヘヴィさという点に重きを置いたとするならば、この『SOULFLY』はもうちょっと軽やかさが重視されているように感じます。それはテンポ的なこともそうだし、リズムの取り方ひとつにしても『ROOTS』にはないものを感じる。もちろんマックス以外のメンバーが違うんだから、そのへんが変わってくるのは当たり前の話なのですが、ここからまた新しい何かが始まる。そういう変化の兆しを強く実感させる序章的作品集なのかもしれません。

事実、本作を起点にSOULFLYはさらなる変化を遂げていきますし、気づけばSEPULTURAとは異なる道を進み始めていた。一方のSEPULTURAも新たなシンガーを得たことで以前とは異なる道を歩み始める。良い意味で、誰ひとりとして『ROOTS』を引き継ごうとしていない。つまり視点を変えると、マックスにとって本作は『ROOTS』を引きずりつつも決別しようとしている、そんな転換期の1枚とも受け取ることができるわけです。

『ROOTS』が出来すぎたアルバムだっただけに、そこからどう進化させていくか。その問いかけとひとつの回答が、このアルバムの中に示されているのではないでしょうか。リリースから20年経った今、このアルバムを聴くと改めてそんなことを考えてしまいます。



▼SOULFLY『SOULFLY』
(amazon:国内盤CD / 国内盤CD / MP3

投稿: 2018 01 14 12:00 午前 [1998年の作品, Deftones, Fear Factory, Limp Bizkit, Sepultura, Soulfly] | 固定リンク

2018/01/13

THIN LIZZY『LIVE AND DANGEROUS』(1978)

1978年初夏にリリースされた、THIN LIZZY初のライブアルバム。本作は1976年のロンドン公演、および1977年のフィラデルフィア&トロントでのライブから抜粋された音源(一部、1978年にパリのスタジオで録り直されたものも収録)が、アナログ盤では2枚組として、CDになってからは1枚にまとめられリリースされております。

時期的には名盤『JAILBREAK』(1976年)から『JONNY THE FOX』(1976年)、『BAD REPUTATION』(1977年)といったアルバムが連発された期間のライブ録音であり、バンドとしては非常に脂の乗ったタイミングだったことは間違いありません。もちろん、だからこそ音源として残しておこうという思いも少なからずあったはずですから。特にイギリスでは当時の最新スタジオ作『BAD REPUTATION』が全英4位という過去最高位を記録したあとだけに、ここで過去の楽曲をひとまとめしたカタログ的1枚を作っておこうという思いもあったことでしょう。しかも、録音時期や状態が異なる楽曲の数々を勢いに乗ったバンドのライブ演奏で表現することで、このバンドの魅力が最大限に伝わるはずですしね。

だって、冒頭からいきなり「Jailbreak」「Emerald」の2連発ですよ。ライブのオープニングにふさわしいワイルドな「Jailbreak」から、このバンドの本質的部分が端的に表れた「Emerald」へとつなぐ流れは圧巻ですし、そこからポップで心地よい「Southbound」、ライブバンドTHIN LIZZYの魅力が遺憾なく発揮された「Rosalie (Cowgirl's Song)」、レゲエビートを導入したダンサブルな「Dancing in the Moonlight (It's Caught Me in Its Spotlight)」と、本当に序盤5曲の流れは完璧。さらにそこから、中盤には名バラード「Still In Love With You」があったり、以降もドラマチックな「Cowboy Song」、さまざまなアーティストにカバーされてきた代表曲「The Boys Are Back In Town」、グルーヴィーな「Don't Believe A Word」など名曲が目白押しなわけですよ。

さらに、終盤にはアッパーな「Are You Ready」、軽快なブギー「Suicide」、コール&レスポンスが気持ちいい「Baby Drives Me Crazy」、ストレートなロックチューン「The Rocker」と続いて終了。ちなみに「Baby Drives Me Crazy」で登場するハーモニカは、かのヒューイ・ルイスが吹いていることで有名だったりします(HUEY LEWIS & THE NEWS結成前のヒューイが参加したCLOVERが当時THIN LIZZYのオープニングアクトを務めていたため実現)。

すでに『BAD REPUTATION』では3曲しかレコーディングに参加していなかったブライアン・ロバートソン(G)にとって、最後の参加作品となってしまった本作。そのサウンドからも当時のバンド内の緊張感が伝わってくるような気もしますし、だからこそ生み出すことができたバンドマジックも存在している、真の意味での絶頂期の1枚と言えるでしょう。もしTHIN LIZZYのアルバムをどれから聴いていいか迷ったら、まずは本作を手にすることをオススメします。



▼THIN LIZZY『LIVE AND DANGEROUS』
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投稿: 2018 01 13 12:00 午前 [1978年の作品, Thin Lizzy] | 固定リンク

2018/01/12

MOTÖRHEAD『ACE OF SPADES』(1980)

“ファスト”・エディ・クラークが亡くなりました。「へっ、誰?」という人もいるかもしれないけど、僕にとってはレミー・キルミスター(Vo, B / 2015年12月没)、フィルシー・“アニマル”・テイラー(Dr / 2015年11月没)、そして“ファスト”・エディ・クラーク(G)という黄金トリオは決して観ることができなかった布陣ということもあって、かなり憧れの強いラインナップでもあります。

MOTÖRHEADに対する思いは過去のテキストでも散々書いているので、ここでは割愛。今晩は急遽、このアルバムを爆音で聴きながら本作の魅力について触れてみたいと思います。

『ACE OF SPADES』はMOTÖRHEADが1980年晩秋にリリースした、通算4作目のスタジオアルバム。前年に発表した2枚のアルバム『OVERKILL』『BOMBER』がそれぞれ全英24位、12位と好記録を伸ばし続けるなか発表された、決定打的1枚が本作『ACE OF SPADES』であり、実際このアルバムは最高4位まで上昇するヒット作となりました。また、同作からのシングル「Ace Of Spades」も最高15位を記録し、バンドは名実ともに人気者の仲間入りを果たしました。

このアルバム、何が良いって、まずはそのジャケットでしょう。それまでのMOTÖRHEADのアートワークは牙をむいた豚(=War Pig)のキャラクターがデザインされていましたが、本作ではメンバー3人が砂漠だか岩場だかで佇む姿が収められています。もうね、これだけで最高じゃないですか? 革ジャンにタイトなパンツ、ハット、そしてガンベルト。この姿を目にしただけで、どんな音かが伝わってくる。

で、実際に1曲目さから再生すると、あのゴリゴリに歪みまくったベースリフ……名曲「Ace Of Spades」からスタートするわけですよ。最高ったらありゃしない。その後も速い曲、ミドルテンポのブギー、渋いロックが目白押し。メタリックだけどヘヴィメタルではなく、ハードロックかと言われるとそういうわけでもない、そしてパンキッシュなのにパンクとも違う。このMOTÖRHEAD以外の何者でもない証明がこの12曲でなされているわけですよ。

1980年というとパンクムーブメントも終わり、本国イギリスではニューウェイブが流行りだしたと同時に、それまで死にかかっていたヘヴィメタルが新たな波に乗って再編され始めた頃。New Wave Of British Heavy Metal(NWOBHM)と呼ばれるムーブメントが勃発したタイミングですね。その時期に発表された『ACE OF SPADES』やMOTÖRHEADというバンドに対して「NWOBHMのオリジネーター」なんて声が多いのは、そういったいろんなタイミングが合致したのも大きいんでしょうね。

とにかく頭を無にして、ただひたすら大音量で楽しみたいアルバム。どのアルバムも最高だけど、今晩だけは「Ace Of Spades」から「The Hammer」までを通して聴いて、3人の鬼気迫るプレイに浸りたいと思います。



▼MOTÖRHEAD『ACE OF SPADES』
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投稿: 2018 01 12 01:00 午前 [1980年の作品, Motorhead, 「R.I.P.」] | 固定リンク

RAINBOW『DEFFICULT TO CURE』(1981)

リッチー・ブラックモア率いるRAINBOWが1981年初頭にリリースした、通算5枚目のスタジオアルバム。前作『DOWN TO EARTH』(1979年)から参加したグラハム・ボネット(Vo)、そして初期から屋台骨としてバンドを支えてきたコージー・パウエル(Dr)が脱退し、新たにジョー・リン・ターナー(Vo)、ボブ・ロンディネリ(Dr)を迎え、リッチー、ロジャー・グローヴァー(B)、ドン・エイリー(Key)という布陣で制作。全英3位、全米50位を記録したほか、シングル「I Surrender」は全英3位という好成績を残しました。

『DOWN TO EARTH』で「Since You Been Gone」「All Night Long」といった、今までになかったポップでコンパクトなシングル志向の楽曲が加わったことにより、プレイヤー至上主義的な初期のスタイルが少しずつ後退。そこにジョーというポピュラリティの強いシンガーを得たことで、前作のスタンスがさらに強まったのがこの『DEFFICULT TO CURE』というアルバムになります。

確かに「Spotlight Kid」やインストの2曲「Vielleicht Das Nächste Mal (Maybe Next Time)」「Difficult to Cure (Beethoven's Ninth)」には初期のスタンスが見え隠れしますが、歌モノである「Spotlight Kid」のメロディは以前のRAINBOWと比較すれば、やはりポップで親しみやすさが増していると言わざるをえません。そこを良しとするか否かで、本作に対する評価は変わってくるのかなと思います。

アルバム冒頭を飾る「I Surrender」はそれ以前のRAINBOWと比較したら完全に別モノですし(まあ曲自体が「Since You Been Gone」同様、ラス・バラッド作品ですからね)、「Magic」「Freedom Fighter」も産業ロック的な香りがするし、「Can't Happen Here」なんて軽すぎますからね。でも、以降の2作(1982年の『STRAIGHT BETWEEN THE EYES』、1983年の『BENT OUT OF SHAPE』)と比較すれば、本作でやっていたことなんてまだまだ序の口。今となっては中途半端だったと言わざるをえません。

そういう意味では、後期RAINBOWの完成形となる『BENT OUT OF SHAPE』への習作であり、さらにDEEP PURPLE 『PERFECT STRANGERS』(1984年)以降に続くリッチーのスタイルへの橋渡し的作品だったのかもしれませんね。

個人的にはRAINBOWの作品はどれも好きですが、一番好きな作品として挙げる機会がまずない本作は不思議と忘れた頃に聴きたくなるんですよね。最近も昨年末から年明けにかけて、何度も聴き返した1枚だったりします。



▼RAINBOW『DEFFICULT TO CURE』
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投稿: 2018 01 12 12:00 午前 [1981年の作品, Rainbow] | 固定リンク

2018/01/11

DEEP PURPLE『PERFECT STRANGERS』(1984)

1984年秋に発表された、DEEP PURPLE通算11枚目のスタジオアルバム。当時のメンバーはイアン・ギラン(Vo)、リッチー・ブラックモア(G)、ロジャー・グローヴァー(B)、イアン・ペイス(Dr)、ジョン・ロード(Key)という第5期編成(70年代の第2期と同じ)で、同編成としては『WHO DO WE THINK WE ARE』(1973年)以来11年ぶり、バンドとしても『COME TASTE THE BAND』(1975年)以来9年ぶりの新作となります。

当時RAINBOWでアメリカでも成功を収めていたリッチーが、元パープルの関係者から再結成を持ちかけられ、1984年4月には再結成が正式決定。あれだけ不仲だったリッチーとイアンが再びうまくやれるのか誰もが不安視しましたが、「Perfect Strangers」のMVで握手する姿が見られるように(あれは撮影用のポーズでしょうけどね。笑)2人は和解を果たし、その末に本作が完成したわけです。

作風的には「Mean Streak」のように70年代初頭の第2期時代を思わせる楽曲も含みつつ、全体的にはリッチーが後期RAINBOWで培ったポップなスタイルがそのまま踏襲されています。アルバム冒頭を飾るリード曲「Knocking At Your Back Door」やエルガー「威風堂々」が引用された「Under The Gun」、後期RAINBOWにありがちなアップテンポの「A Gypsy's Kiss」、タイトルトラック「Perfect Strangers」あたりは、RAINBOWの作風を受け継ぎつつも、パープルらしいリードプレイ(久しぶりにギターを自由に弾きまくっていたり)が大々的に含まれており、「本当にあのパープルが戻ってきたんだ」と実感させられます。

ただ、ボーカルがジョー・リン・ターナーでないため(当たり前ですが)、センスがイマイチといいますか。楽器隊のプレイやアレンジは文句なしなんですが、イアンの歌がなんとも頼りなくて。「Knocking At Your Back Door」も「Perfect Strangers」も「A Gypsy's Kiss」、グラハム・ボネットやジョー・リン・ターナーが歌メロを考えて歌っていれば、もっと違ったものになったはずなのに(それも当たり前の話ですが)。ここに関してはもう、好みの問題なんでしょうね。

とはいえ、そういったマイナス要素を含みつつも本作は非常にクオリティの高い1枚だと言いきれます。もうね、続く『THE HOUSE OF BLUE LIGHT』(1987年)と比較したら……おっと、その話題はまた別の機会に。

ちなみに上記の「ジョー・リン・ターナーが歌メロを考えて歌っていれば」に関しては、ここから6年後に『SLAVES AND MASTERS』(1990年)で現実のものとなり、よりRAINBOWへの回帰が進むことなるなんて、当時は考えもしませんでした。

なお、僕が初めて聴いたパープルのアルバムは本作でした。ちょうどリアルタムで体験できたわけですが、当時はそこまでのめり込むことはありませんでした(苦笑)。中学生にはオッさん臭すぎたんですよ……。



▼DEEP PURPLE『PERFECT STRANGERS』
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投稿: 2018 01 11 12:00 午前 [1984年の作品, Deep Purple] | 固定リンク

2018/01/10

DAVID BOWIE『BLACK TIE WHITE NOISE』(1993)

今から25年前の1993年春にリリースされた、デヴィッド・ボウイ通算18枚目のスタジオアルバム。80年代末から自身がフロントマンを務める4人組バンドTIN MACHINEでの活動を中心に、1990年にはソロ曲を封印するために大々的なソロライブをここ日本でも東京ドームで実施しましたが、結局TIN MACHINEの2枚目『TIN MACHINE II』(1991年)が大コケしたことで、ボウイは再びソロに戻らざるをえない状況に追いつめられるのでした。

とはいえ、当時のボウイは私生活では1992年にイマンと結婚して順風満帆。商業的に失敗作と捉えられてしまったTIN MACHINEから再びソロに戻れたのも、こうした好状況が後押ししたのかもしれませんね。

アルバムは『LET'S DANCE』(1983年)を手がけたナイル・ロジャースが再びプロデュースを担当。レコーディングにはかつてSPIDERS FROM THE MARSでの盟友ミック・ロンソン(G)がゲスト参加し、CREAM「I Feel Free」やモリッシー「I Know It's Gonna Happn Someday」、THE WALKER BROTHERS「Nite Flights」のカバーを収録など、話題に事欠かない1枚となっています。

実際、本作は56分という長尺ながらも非常にノリが良く、コンパクトで聴きやすい印象なんです。80年代中盤から後半のボウイ的なノリも残しつつ、それが悪い方向に進むことなく90年代前半当時の音楽シーンと見事にシンクロしている。そして、ブラックミュージックのテイストとジャズのフィーリングが至るところに散りばめられており、それによって全体がボウイらしい大人のサウンドへと昇華されている。このバランス感はぶっちゃけ、『LET'S DANCE』以降でもっとも優れているのではないでしょうか。

アルバム中随所に登場するインストナンバーも実験的な要素よりも、モダンなテイストのほうが強く、しっかり時代に寄り添っている。かといって、それが売れ線にどっぷり浸かったものでもない。このさじ加減が絶妙なのが、本作の魅力だと思います。だからこそ、本作は『TONIGHT』(1984年)以来となる全英1位を獲得できたんでしょうね。

この好調ぶりが、『OUTSIDE』(1995年)以降の諸作品へと続いていくと考えると、ボウイに再びメジャーのど真ん中で好き放題やることの楽しさを思い出させてくれた重要作品と受け取ることもできます。実際、僕は90年代のボウイ作品の中では本作と『HOURS...』(1999年)がめちゃめちゃ好きなんですよ。まったくタイプは異なるんですけど、ボウイ“らしさ”という意味では実験的な『OUTSIDE』や『EARTHLING』(1997年)よりも“らしい”内容ですものね。



▼DAVID BOWIE『BLACK TIE WHITE NOISE』
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投稿: 2018 01 10 12:00 午前 [1993年の作品, David Bowie, 「R.I.P.」] | 固定リンク

2018/01/09

BERNARD BUTLER『PEOPLE MOVE ON』(1998)

SUEDEのギタリスト、バーナード・バトラーが1998年春にリリースした初のソロアルバム。本作ではギター、ソングライティグのみならずボーカルやプロデュースも手がけており、マルチアーティストぶりが存分に発揮された力作に仕上がっています。

SUEDEで2枚のアルバム(1993年の『SUEDE』、1994年の『DOG MAN STAR』)に携わったあと、1995年にMcALMONT AND BUTLER名義でも活動を行うものの、シングル2枚を発表したあとに分裂(解散後にアルバム発売)。しばらく音沙汰がなかったものの、1998年に入ると1月にシングル「Stay」(全英12位)、3月に「Not Alone」(全英27位)を連続リリースし、4月にこのアルバムを発表。アルバムは全英11位とまずまずの成果を残しました。

楽曲的はSUEDEなどで聴けたエモーショナルさが凝縮されたものが多く、ギタープレイは“あの”バーナード・バトラーそのもの。時に泣きまくり、時にのたうち回る。けど、楽曲のトーンが全体的に抑えめであることから、派手に暴れることはなく、あくまでこの世界観の中でできる最大限の派手なプレイを聴かせてくれます。中でも9分近い「Autograph」は圧巻の一言。緩急を効かせたアレンジの上で、ボリュームを巧みにコントロールしたギタープレイを聴かせるバーニー、最高です。

一方のボーカルですが、これが意外と悪くない。抑揚を抑えることで無駄にエモくなりすぎず、落ち着いて楽しむことができる。むしろ、ギターが泣きまくっているので、歌まで感情的になることがない……そこでバランスを取っているんでしょうかね。

とにかく、曲が良い。先行シングル「Stay」「Not Alone」がともに名曲すぎるのです。ストリングスを効果的に取り入れた「Not Alone」なんて、時代を超えたスタンダードナンバーとして愛されるべき1曲だと思いますし、歌メロのみならずスライドギターも泣きまくりな「A Change Of Heart」(本作からの第3弾シングル)も良いし。この人、本当にすごいソングライターですね。

ということで、本作はいわゆるギタリストのソロアルバムとしてではなく、ギターのうまいブリットポップ寄りシンガーソングライターの作品として楽しんでもらいたい1枚です。

ちなみに彼のソロステージは1999年夏のフジロックと、翌2000年2月の単独公演を観ているのですが、どちらも素晴らしかった記憶が残っています。また、1999年秋にリリースした2ndソロアルバム『FRIENDS AND LOVERS』も本作に負けず劣らずの内容。こちらも機会があったらチェックしてみてください。



▼BERNARD BUTLER『PEOPLE MOVE ON』
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投稿: 2018 01 09 12:00 午前 [1998年の作品, Bernard Butler] | 固定リンク

2018/01/08

祝ご成人(1997年4月〜1998年3月発売の洋楽アルバム20枚)

新成人の皆さん、おめでとうございます。2014年度に初めて執筆したこの“洋楽版成人アルバム”企画、今回で4回目を迎えます。この1月に成人式を迎えたの皆さんが生まれた年(学年的に1997年4月〜1998年3月の期間)にリリースされた洋楽アルバムの中から、個人的思い入れがある作品のうちSpotifyやAppleMusicで試聴可能な作品を20枚ピックアップしました。どれも名盤ばかりなので、もし聴いたことがないという作品がありましたら、この機会にチェックしてみてはどうでしょう。

作品の並びはすべてアルファベット順です。(2014年度の新成人編はこちら、2015年度の新成人編はこちら、2016年度の新成人編はこちらです)


Björk『HOMOGENIC』(Amazon

THE CHEMICAL BROTHERS『DIG YOUR OWN HOLE』(Amazon

CORNERSHOP『WHEN I WAS BORN FOR THE 7TH TIME』(Amazon

DEFTONES『AROUND THE FUR』(Amazon

EMPEROR『ANTHEMS TO THE WELKIN AT DUSK』(Amazon)(レビュー

FAITH NO MORE『ALBUM OF THE YEAR』(Amazon

FOO FIGHTERS『THE COLOUR AND THE SHAPE』(Amazon)(レビュー

LIMP BIZKIT『THREE DOLLAR BILL, Y'ALL$』(Amazon)(レビュー

MADONNA『RAY OF LIGHT』(Amazon

METALLICA『RELOAD』(Amazon)(レビュー

MOGWAI『YOUNG TEAM』(Amazon

OASIS『BE HERE NOW』(Amazon)(レビュー

PORTISHEAD『PORTISHEAD』(Amazon

PRIMAL SCREAM『VANISHING POINT』(Amazon

THE PRODIGY『THE FAT OF THE LAND』(Amazon

RADIOHEAD『OK COMPUTER』(Amazon)(レビュー

RAMMSTEIN『SEHNSUCHT』(Amazon

SPIRITUALIZED『LADIES AND GENTLEMEN WE ARE FLOATING IN SPACE』(Amazon

THE VERVE『URBAN HYMNS』(Amazon)(レビュー

THE WiLDHEARTS『ENDLESS, NAMELESS』(Amazon)(レビュー


残念ながらセレクトから漏れた作品も多いです。以下、主だった作品をざっと羅列します。

ARTENSION『PHOENIX RISING』
BLACK GRAPE『STUPID STUPID STUPID』
THE BRIAN JONESTOWN MASSACRE『GIVE IT BACK!』
BRUCE DICKINSON『ACCIDENT OF BIRTH』
THE CHARLATANS『TELLIN' STORIES』
CHEAP TRICK『CHEAT TRICK』
CHUMBAWAMBA『TUBTHUMBER』
COAL CHAMBER『COAL CHAMBER』
CURSIVE『SUCH BLINDING STARS FOR STARVING EYES』
DEPECHE MODE『ULTRA』
DEVIN TOWNSEND『OCEAN MACHINE: BIOMECH』
DREAM THEATER『FALLING INTO INFINITY』
DURAN DURAN『MEDAZZALAND』
ERIC CLAPTON『PILGRIM』
FEEDER『POLYTHENE』
GAMMA RAY『SOMEWHERE OUT IN SPACE』
THE GET UP KIDS『FOUR MINUTE MILE』
GREEN DAY『NIMROD』
THE HELLACOPTERS『PAYIN' THE DUES』(レビュー
THE HIVES『BARELY LEGAL』
IN FLAMES『WHORACLE』
INCUBUS『S.C.I.E.N.C.E.』
INXS『ELEGANTLY WASTED』
JANET JACKSON『THE VELVET ROPE』
JESUS JONES『ALREADY』
JON BON JOVI『DESTINATION ANYWHERE』
JUDAS PRIEST『JUGULATOR』
KISS『CARNIVAL OF SOULS』(レビュー
KMFDM『SYMBOLS』
LED ZEPPELIN 『BBC SESSIONS』
MEGADETH『CRYPTIC WRITINGS』(レビュー
MORRISSEY『MALADUSTED』
MOTLEY CRUE『GENERATION SWINE』(レビュー
NAPALM DEATH『INSIDE THE TORN APART』
NASHVILLE PUSSY『LET THEM EAT PUSSY』(レビュー
OCEAN COLOUR SCENE『MARCHIN' ALREADY』
PARADISE LOST『ONE SECOND』
PAUL McCARTNEY『FLAMING PIE』
PRIMUS『BROWN ALBUM』
PULP『THIS IS HARDCORE』
THE ROLLING STONES『BRIDGES TO BABYLON』
THE SEAHORSES『DO IT YOURSELF』
STEREOPHONICS『WORD GETS AROUND』
SUPER FURRY ANIMALS『RADIATOR』
SUPERGRASS『IN IT FOR THE MONEY』
THE TEA PARTY『TRANSMISSION』
TEENAGE FANCLUB『SONGS FROM NORTHERN BRITAIN』
TESTAMENT『DEMONIC』
THIRD EYE BLIND『THIRD EYE BLIND』
TRAVIS『GOOD FEELING』
VAN HALEN『VAN HALEN III』
VOIVOD『PHOBOS』
W.A.S.P.『KILL.FUCK.DIE』
WHITESNAKE『RESTLESS HEART』
YNGWIE MALMSTEEN『FACING THE ANIMAL』


1995年から1996年初頭がブリットプップの最盛期と一昨年のブログに書き、続く1996年から1997年にかけてはその最盛期から末期に向かっていく過程と昨年のブログに書きました。では1997年から1998年にかけてはどういう年だったかといいますと、イギリスに関してはその末期の中からいくつもの名盤が誕生した“ギリギリ”のタイミングだったのかなと。OASISが『BE HERE NOW』で最大瞬間風速を見せたり、THE VERVEが国民的メガヒット作『URBAN HYMNS』を、THE CHARLATANSが起死回生の1枚『TELLIN' STORIES』をそれぞれドロップしたのが1997年でした。

そうそう、忘れてはいけないのがRADIOHEAD『OK COMPUTER』の存在ですね。この1枚の誕生が、それ以降のロックシーンを大きく変えたのは間違いない事実です。同じように、アルバムごとに変化を繰り返すPRIMAL SCREAMも『VANISHING POINT』でダブに接近したのは、非常に興味深い事象でした。そんなタイミングにSPIRITUALIZEDが『LADIES AND GENTLEMEN WE ARE FLOATING IN SPACE』で大注目を集めたり……なんだかんだけ、豊作の1年なんですよね。

さらにTHE CHEMICAL BROTHERSやTHE PRODIGYといったデジタル系アーティストが頭角を現し、特に後者は全米1位を獲得するという最大のハプニングまで引き起こすわけですから。そのTHE PRODIGY『THE FAT OF THE LAND』、アメリカではマドンナのレーベルからのリリースでしたね。さらにマドンナは『RAY OF LIGHT』という名盤を発表して、何度目かの黄金期を迎えたり……このへんも改めて振り返ると、いろいろ面白かったりします。

アメリカではLIMP BIZKITやINCUBUS、DEFTONESによってラウドロック/ヘヴィロックに新たな潮流が見え始めたタイミング。ドイツからはRAMMSTEINが全米進出を果たすなど、2000年代に向けてヘヴィ系が再編されていくきっかけの1年だったように思います。

方やHR/HMシーンに目を移すと、JUDAS PRIESTやVAN HALENといった大御所バンドが新たなフロントマンを迎えた新作を発表。選外でしたが、IRON MAIDENも新ボーカリストを含む編成で2作目を発表した時期でもありました。かと思えば、MOTLEY CRUEはヴィンス・ニールが復帰してオリジナル編成で8年ぶりのアルバム『GENERATION SWINE』をリリースしたり、W.A.S.P.もクリス・ホルムズが復帰して『KILL.FUCK.DIE』を発表したり、WHITESNAKEも8年ぶりの新作『RESTLESS HEART』を発表するも解散を宣言したり……あ、そうそう。KISSがオリジナル編成で復活したのもこの頃でしたね。こちらもこちらで、次のフェーズに突入するための過渡期だったと言えます。

そういえば、ミュージシャンの訃報が続いたのもこの時期でしたね。1997年は3月にノトーリアス・B.I.G.が射殺されたのを筆頭に、5月にジェフ・バックリー、6月にロニー・レーン、8月にフェラ・クティ、11月にINXSのマイケル・ハッチェンス、年明け1998年2月にはTHE BEACH BOYSのカール・ウィルソン、同じく2月にファルコが亡くなっております。個人的にはノトーリアス・B.I.G.とジェフ・バックリー、マイケル・ハッチェンス、ファルコの死が特に印象に残っています。

ちなみに日本の音楽シーンにおける1997年4月〜1998年3月といいますと、ちょうどCDの売り上げがピークに達したタイミング。引き続きTK(小室哲哉)プロデュース作品のヒット連発に加え、SPEEDやGLAYがメガヒットを飛ばし、KinKi KidsがCDデビュー。LUNA SEAの1年間活動休止に伴い、RYUICHIが河村隆一名義でソロヒットを連発させ、T.M.Revolutionが「HIGH PRESSURE」で本格的ブレイク。1997年末にはX JAPANの解散もありましたが、年明け1998年1月にはモーニング娘。、2月にはMISIAがメジャーデビューを果たしました。さらに、1997年7月には日本で最初の本格的ロックフェス『FUJI ROCK FESTIVAL』がスタートしています。

最後に。ここではピックアップしませんでしたが、1997年で特に印象に残っている1曲を紹介して、この記事を締めくくりたいと思います。



▼HANSON『MIDDLE OF NOWHERE』
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投稿: 2018 01 08 12:00 午後 [1997年の作品, 1998年の作品, Björk, Chemical Brothers, The, Cornershop, Deftones, Emperor, Faith No More, Foo Fighters, Hanson, Limp Bizkit, Madonna, Metallica, Mogwai, Oasis, Portishead, Prodigy, The, Radiohead, Rammstein, Spiritualized, Verve, The, Wildhearts, The, 「20年前」] | 固定リンク

THE BEATLES『THE BEATLES (THE WHITE ALBUM)』(1968)

1968年11月に発表された、THE BEATLES通算10作目のオリジナルアルバム(のちに公式作品化された『MAGICAL MYSTERY TOUR』を除くと9枚目)。彼らにとって初の2枚組作品で、全30曲が93分にわたり収録されています。また、ジョン・レノンポール・マッカートニーの楽曲のみならず、ジョージ・ハリスンが4曲、リンゴ・スターも1曲書き下ろしており、特にレノン&マッカートニーとハリスンノ個性が色濃く表れた意欲作、いや、異色作に仕上がっています。

「ホワイト・アルバム」の愛称で知られる本作は、オリジナルアルバムでいうと前作『SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND』の次の作品ということで、タイミング的にはライブ活動を停止してスタジオワークに没頭していた時期。前作はロックバンドのフォーマットにこだわらない、サイケデリック感を強調したポップアルバムでしたが、今作ではロックバンド感が復活。冒頭の「Back In The U.S.S.R.」や「Birthday」はライブを想定したかのようなドライブ感を味わえます。かと思えば、「Happiness Is A Warm Gun」みたいに1曲の中に複数の楽曲が存在するかのようなアレンジのロックチューンがあったり、「Helter Skelter」のようなハードロックまで存在する。もう、本当にやりたい放題。才能の爆発ってこういうことを言うんでしょうかね。


(本作収録の「Revolution 1」とはバージョンが異なりますが、同時期の作品ということで)

もちろん、ポップな楽曲も健在で、ポールによる「Ob-La-Di,Ob-La-Da」「Blackbird」、ジョンによる「Julia」みたいな楽曲もある。かと思うと、完全なるコラージュナンバー「Revolution 9」があったりで、もう支離滅裂。アルバムとしての構成がどこまで生かされているのか、怪しいったらありゃしない。

そんな中で、個性を一気に開花させているのがジョージ。エリック・クラプトンをリードギターに迎えた「While My Guitar Gently Weeps」や美しいアコースティック感とサイケデリックさが混在する「Long, Long, Long」など、オリジナリティあふれる楽曲を多数用意し、レノン&マッカートニーの暴走に追いつこうとしています。

いわゆるシングルヒットナンバーは皆無だし(国によっては「Ob-La-Di,Ob-La-Da」と「While My Guitar Gently Weeps」が両A面でシングルカットされたようですが)、全部を理解しようとすると頭が混乱するけど、実は過去50〜60年のロック史/ポップミュージック史のすべてがここに凝縮されているんじゃないか、ここに青写真が存在するんじゃないかと思うわけで。誰も彼もが好き放題すればこれができるってわけではないし、もちろん狙って作れるものでもない。あの時代に、あの4人の個性が爆発したからこそ奇跡的に生まれた。そんないびつな作品集なんじゃないでしょうか。



▼THE BEATLES『THE BEATLES』
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投稿: 2018 01 08 12:00 午前 [1968年の作品, Beatles, The] | 固定リンク

2018/01/07

DEF LEPPARD『SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE』(2008)

2008年春にリリースされた、DEF LEPPARD通算9枚目のオリジナルアルバム(カバーアルバム『YEAH!』を含めると10枚目のスタジオ作)。『YEAH!』から2年ぶりと短期間で発表された印象がありますが、オリジナル作品となると『X』(2002年)から6年ぶりと、80年代半ばから続いた3〜4年間隔を大幅に塗り替える長期ブランクなんですよね。もっとも、『X』での迷走ぶりを考えればこれだけのブランクが必要だったのかもしれませんが。

『YEAH!』で自身のルーツを振り返ったバンドは、この新作で非常にシンプルな視点に立ち返ります。それはつまり、「DEF LEPPARDらしさ」を踏まえつつも「ブリティッシュロックとは何か? 自分たちは何が好きでロックバンドを始めたのか?」という原点だったわけです。そうした結果、『HYSTERIA』(1987年)的な人工感や作り込みとは真逆の、オーガニックでシンプルな作風へと回帰したのです。

実際、本作に収録されている楽曲はすべて3〜4分台。長くても4:17ですし、全11曲でトータル39分というのも彼らの全キャリアで最短。そもそも、曲名からして「Go」とか「Love」とか「Tomorrow」とかシンプルなものばかり。時代的にもそういったサウンドに回帰しつつあったタイミングだったのかな、今振り返ってみると。

楽曲自体は、『YEAH!』の流れで聴くと非常に合点のいく作風。いわゆるHR/HMというよりは、70年代のブリティッシュロックを軸にしながら彼ららしいフレーバーを振りまいたブリティッシュ“ハード”ロック。カントリーシンガーのティム・マッグロウをフィーチャーしたロックンロール「Nine Lives」みたいなアメリカンなものもありますが、基本的には「Love」で示した方向性が本当にやりたいことなのかなと。もちろん、「Go」にしろ「Nine Lives」にしろ「C'mon C'mon」にしろ、従来の彼ららしさがにじみ出た楽曲もありますが、それらですらよりシンプルにすることで以前とは違うカラーを持ち始めているし。そういう意味では、『SLANG』(1996年)から装飾を剥ぎ取った姿と言えなくもないかも。

「Bad Actress」のようなファストナンバーでさえ、ハードロックというよりはグラムポップ的なカラーが強まっているし、比較的モダンな「Gotta Let It Go」もこのアルバムに入ると不思議と70年代的な香りが感じられる。また、彼ら特有のパワーバラードが皆無で、バラードらしいバラードが先の「Love」程度というのも本作の特徴といえるでしょう。DEF LEPPARDがロックバンドとして起死回生を目指した結果、こういう作品にたどり着いたという事実はすでに面白いですし、出来上がったアルバムのユニークさもまた面白い。そして本作が久しぶりに全米TOP10入り(5位)を果たしたという事実も、実に興味深い。

ただ、残念ながら彼らはこのアルバムを最後にメジャーレーベルから離脱。以降は自分たちのレーベルからリリースを続けています。結果、さまざまな権利関係で彼らの諸作品がデジタル配信されていないという事実を考えると、非常に残念でなりません。本作こそ、もっと多くの人に聴かれて再評価されるべき1枚なのに……。

P.S.
1月19日からDEF LEPPARDのカタログ一式のデジタル配信およびストリーイング配信がスタート。これにより、名盤の数々を手軽に楽しめるようになりました。メンバーも喜んでいるようで、本当によかった。



▼DEF LEPPARD『SONGS FROM THE SPARKLE LOUNGE』
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投稿: 2018 01 07 12:00 午前 [2008年の作品, Def Leppard] | 固定リンク

2018/01/06

THE ROLLING STONES『SOME GIRLS』(1978)

1978年初夏にリリースされた、THE ROLLING STONE通算14枚目(UK / USでは16枚目)のスタジオアルバム。前作『BLACK AND BLUE』(1976年)から2年ぶり、ロニー・ウッド(G)が前面参加した初のスタジオ作となります。本作はアルバムとしても全米1位を獲得しただけでなく、シングル「Miss You」も全米1位を記録。さらに「Beast Of Burden」が全米8位、「Shattered」が全米31位とヒット曲を連発しました。

本作はどうしても「Miss You」で取り入れたディスコビートに目が行きがちですが、「When The Whip Comes Down」や「Lies」「Respectable」「Sattered」のような疾走感の強いパンクチューンが多く含まれていることが前作との大きな違い。ミック・ジャガーが時代を意識した結果、ディスコとパンクという当時の流行を取り入れたことは間違いないでしょう。もちろん単なるフォロワーで終わっておらず、しっかりストーンズらしく仕上げられているのですからさすがです。

また、「Just My Imagination (Running Away With Me)」のようなカバー曲もあれば、ソウルとブルースの中間的な「Some Girls」、ソウルバラード「Far Away Eys」「Beast Of Burden」、キース・リチャーズがリードボーカルと務める「Before They Make Me Run」もあり、従来のファンも納得のナンバーも多い。そのへんのバランス感が優れているのも、本作の特徴かもしれません(悪くいえば、新しいことにも手を出すけど、過去の路線も捨てきれない優柔不断さが出てしまったとも)。

個人的には、「Lies」のもろパンクな“勢い一発”感に一番驚かされました。こんなむき出し感、この後にはほとんど出てきませんからね。まあ、THE CLASHに時代遅れ的に言われちゃ黙っていられなかったんでしょうね。ただ、そこでもしっかりストーンズのフォーマットに沿っているあたりに、彼らのこだわり……「なんだかんだで、やっぱりこれしかできねえ!」的潔さを感じずにはいられません。まさに「It's Only Rock 'n Roll (But I Like It)」といったところでしょうか。

そういえば、このアルバムの前後というのはキースがドラッグ問題で逮捕されたりリハビリしたりと、ある意味では大変だった時期。「Before They Make Me Run」もドラッグについて歌った曲ですしね。

また、本作は準メンバーのイアン・スチュワート(Piano)が未参加(レコーディングには参加したものの、彼が参加した楽曲は使われず)という珍しい1枚。ピアノはキースやイアン・マクレガンが弾いているのですが、それもほんの数曲で、どちらかというとギター色の強い作風なんですね。そいったところにも、このバンドのパンク精神が表れているのかもしれません。



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投稿: 2018 01 06 12:00 午前 [1978年の作品, Rolling Stones] | 固定リンク

2018/01/05

VAN HALEN『VAN HALEN』(1978)

このアルバムがもう40年前の作品だという事実にも驚かされるし、自分が聴くようになってすでに30年以上経過しているという事実にもびっくりしてしまいます。そんな、死ぬほど聴きまくった1枚であり、自分のギター感というものをひっくり返してくれた重要なアルバム。それがVAN HALENのデビューアルバムです。

もはや説明など必要ないですよね。エディ・ヴァン・ヘイレン(G)という歴史的ギタリストを世に送り出しただけでなく、デイヴ・リー・ロス(Vo)という稀代のエンターティナーを生んだ、ロック史に残すべき1枚。イギリスではパンクロック全盛でHR/HMは死んだと思われていた中、アメリカから突如現れた新たな形のハードロックバンド、それがVAN HALENでした。

THE KINKSの代表曲「You Really Got Me」をワイルドな演奏でカバーしたバージョンでおなじみの本作。オープニングを飾るヘヴィな「Runnin' With The Devil」、日本人好みのキャッチーさを持つ「Ain't Talkin' 'bout Love」といったオールタイムで演奏されてきたおなじみの楽曲が多数含まれています。また、ギターファンには「Eruption」というハードロックギターのお手本的インストが収録されていることでも知られているんじゃないでしょうか。

もちろん本作はそれだけではなく、アッパーなブギー「I'm The One」やパンク全盛期のこのタイトルか!というストレートなハードロック「Atomic Punk」、ポップさを前面に打ち出した「Jamie's Cryin'」、豪快なアメリカンロック「Feel Your Love Tonight」、ソウルフルな印象の「Little Dreamer」、デイヴのエンターティナーぶりがもっとも発揮された「Ice Cream Man」、ラストを飾るにふさわしいハードロックナンバー「On Fire」と本当に捨て曲なし。ギタープレイひとつ取っても、至るところに派手さなプレイが落とし込まれているし、それを支えるマイケル・アンソニー(B)&アレックス・ヴァン・ヘイレン(Dr)のリズム隊が生み出すグルーヴ感も聴き応え満点。特にバンド経験者や楽器を嗜む人には基礎中の基礎がたくさん詰まった、勉強になる点が多い1枚だと思います。

最近はリマスター盤もリリースされ、音がかなりクリア&迫力あるものに生まれ変わっていますが、もし機会があったらアナログ盤でも聴いてみてください。現行のリマスター盤とはいひと味違った迫力を味わえるはずですから。



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投稿: 2018 01 05 12:00 午前 [1978年の作品, Van Halen] | 固定リンク

2018/01/04

REFUSED『THE SHAPE OF PUNK TO COME: A CHIMERICAL BOMBINATION IN 12 BURSTS』(1998)

1998年秋にリリースされた、REFUSEDの3rdアルバムにして(当時の)ラストアルバム。「来るべきパンクの形」、つまり「パンクの未来」という強烈なタイトルに負けないぐらい、その内容もインパクトの強いもので、リリースから20年経った今聴いてもまったく色褪せていない世紀の傑作だと思います。

いわゆるポストハードコアバンドとしてスタートしたREFUSEDですが、作品を重ねるごとに進化を続け、本作ではジャズやエレクトロの要素を随所に取り入れています。また、アルバムの曲間にはラジオ風のSEを挟むことにより、妙なリアリティを感じさせる。パンクやハードコアをある種アートの域にまで昇華させてしまったという意味においては、これを最後に解散を選んだといのも頷ける話です(もちろん、それも結果論でしかないですが)。

オープニングナンバー「Worms Of The Senses / Faculties Of The Skull」で見せる緊張感、そこから続く「Liberation Frequency」での緩急の効いたアレンジ。これがハードコアなのかと問われれば正直答えに困ってしまいますが、その後のこのジャンルの枝分かれを考えると、本作は大きな分岐点だったのかもしれません。

かと思えば、テンションの高い演奏を聴かせる「The Deadly Rhythm」、エモっぽい「Summerholidays Vs. Punkroutine」、エレクトロ+ジャジーなインスト「Bruitist Pome #5」から名曲「New Noise」へと続く流れ……本当、どれひとつ取っても同じものが存在しない。そこから再び血気盛んな「The Refused Party Program」「Protest Song '68」へと続くのですが、曲間にあるSEのおかげで冷静さだけは保っていられる。本当に不思議な感覚を味わせてくれます。

しかも、終盤を飾る8分超の大作「Tannhäuser / Derivè」ではバイオリンまでフィーチャー。ラストの「The Apollo Programme Was a Hoax」なんて完全なるアコースティックナンバーで、もはやハードコアでもなんでもないですからね。この流れでラストナンバーにたどり着くと、本当にすごいところにまで到達してしまったんだなと感慨深さすら感じます。

2018年の耳で聴くと、こういったミクスチャー感は特に新しいものでもないし、普通に楽しめてしまうわけで。改めてこの20年の流れを考えると、そこにも感慨深さを覚えます。

なお、本作は2010年にライブCD+ドキュメンタリーDVD付きの3枚組仕様で再発されていますので、購入の際にはぜひこちらをオススメします。ライブアルバムは解散前の1998年4月のライブ。とにかく生々しくて最高。すでに本作からの楽曲も多数披露されているので、まさに90年代のベスト選曲。そして、ドキュメンタリーは日本語字幕なしですが(英語字幕あり)、バンドが解散に至った経緯を知ることができます。これを観た時点では再結成なんて想像できなかったんですけどね……。世の中、何か起きても不思議じゃないんだなと。



▼REFUSED『TTHE SHAPE OF PUNK TO COME: A CHIMERICAL BOMBINATION IN 12 BURSTS』
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投稿: 2018 01 04 12:00 午前 [1998年の作品, Refused] | 固定リンク

2018/01/03

AEROSMITH『A LITTLE SOUTH OF SANITY』(1998)

1988年秋に古巣Geffen Recordsからリリースされた、AEROSMITHの2枚組ライブアルバム。当時はすでにColumbia / Sonyに移籍しており、前年1997年にスタジオアルバム『NINE LIVES』を発表したばかり。そんなタイミングのライブ作品ではあるものの、本作には最新作からの楽曲も含まれた、当時のグレイテストヒッツ的内容となっています。

本作の大半を占めるのは、1993〜94年に実施された『GET A GRIP TOUR』の模様。第2期黄金期のピークとなったアルバム『GET A GRIP』(1993年)を携えた時期のツアーで、ここ日本でも1994年春に武道館7公演という偉業を含む大々的なジャパンツアーが実現したタイミングでした(自分もこのときは武道館2公演、横浜アリーナ1公演に足を運びました)。

なので、オープニングを飾るのは「Eat A Rich」。そこから「Love In An Elevator」へと流れる構成は圧巻の一言で、脂の乗り切った当時のエアロの姿が目に浮かびます。

で、そこに当時の最新ツアー『NINE LIVES TOUR』(1997〜98年)から「Falling In Love (Is Hard On The Knees)」「Hole In My Soul」といった、シングルヒットナンバーを追加しているのですが……これが意外と違和感がない。80年代後半以降の第2期黄金期の楽曲が中心のセットリストだから、当たり前っちゃあたり前なんですが。

では、そこに70年代のドス黒さ満載のヘヴィロックが加わっても違和感ないのかといいますと……うん、ないんですよ。「Falling In Love (Is Hard On The Knees)」と「Hole In My Soul」の間に「Same Old Song And Dance」が入っても自然と楽しめる。DISC 1には70年代の楽曲はこれだけなんですよね。で、DISC 2は70年代の楽曲メインで、そこにジョー・ペリーが歌う「Walk On Down」や、80年代のヒットナンバー「The Other Side」「Dude (Looks Like A Lady)」、90年代の「Crazy」などが含まれるのですが、こちらも違和感ない。いや、違和感ないんじゃなくて、もう耳が慣れてしまっているんでしょうね。初めて『PERMANENT VACATION』(1987年)を聴いてから10年、そりゃあもう慣れてしまって当たり前ですよね。

『LIVE! BOOTLEG』(1978年)から20年、バンドが進んだ道は正しいとも間違っているとも言い切れませんが、これはこれでバンドの歴史を語る上で重要な1枚。『LIVE! BOOTLEG』と対でオススメしたいライブ作品です。音の良くない、かつ録音時期もボリュームも選曲も微妙な『CLASSIC LIVE!』(1986年)および『CLASSIC LIVE! II』(1987年)を聴くより(あれはあれで嫌いじゃないけど)真っ先に手にしてほしいライブ作品です。



▼AEROSMITH『A LITTLE SOUTH OF SANITY』
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投稿: 2018 01 03 12:00 午前 [1998年の作品, Aerosmith] | 固定リンク

2018/01/02

SLAYER『SOUTH OF HEAVEN』(1988)

1988年初夏にリリースされた、SLAYER通算4作目のスタジオアルバム。前作『REIGN IN BLOOD』(1986年)で初のBillboardチャートイン(最高94位)を果たした彼らでしたが、本作ではそれをさらに上回る全米57位を記録。イギリスでも最高25位まで上昇するなど、MVに頼らないプロモーションで大きな成果を上げました。

前作がとにかくスピード、スピード、スピードの応酬で全10曲トータル29分という潔い内容だったの対し、本作ではオープニングのタイトルトラック「South Of Heaven」のスローでダークな作風にまず驚かされます。イントロの不穏なギターフレーズから派手なデイヴ・ロンバード(Dr)のドラミング、メロウながらもところどころで叫び散らすトム・アラヤ(Vo, B)のボーカル、のたうち回るかのようにソロを弾きまくるケリー・キング(G)&ジェフ・ハンネマン(G)。うん、最高なんですよね。速かろうが遅かろうが関係ない。

ただ、当時は「SLAYER=スピード命」みたいな固定観念が強かったため、この変化に拒否感を示したファンも少なくありませんでした。

でもね、2曲目以降は通常運転なんですよ。「Silent Scream」や「Live Undead」「Behind The Crooked Cross」はテンポこそ『REIGN IN BLOOD』収録曲と比べたら落ちるかもしれないけど、しっかり突っ走っている。このテンポを若干落とすことでヘヴィメタルバンドとしてのヘヴィさがより強調されたと思うし、ボーカルラインもよりメロディが強調されるようになった。だからといってポップになったわけではなく、メタルバンドとしての王道感がひたすら増している。結果、SLAYERという“アンダーグラウンドの帝王”がメジャー感を手に入れるという、結果オーライな変化だったのではないでしょうか。

事実、次作『SEASONS IN THE ABYSS』(1990年)への布石となる「Mandatory Suicide」みたいな曲もあるし、JUDAS PRIEST初期のナンバー「Dissident Aggressor」のカバーもあり、楽曲のバラエティは一気に増しているし。うん、化ける前のワンステップなんですよね。

力技で有無を言わせぬ『REIGN IN BLOOD』とバランスに優れた『SEASONS IN THE ABYSS』の間に挟まれたことで、多少インパクトに欠けるように見られがちな1枚ですが、とにかく良曲満載。強いて難点を挙げるなら、ベースの音量が弱いこと。もっとガリガリした音だったら迫力が増して、文句なしの傑作と呼ばれていたのかな……と思うと、ちょっとだけ残念。



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投稿: 2018 01 02 12:00 午前 [1988年の作品, Slayer] | 固定リンク

2018/01/01

PRINCE『LOVESEXY』(1988)

さて、新年一発目にふさわしいジャケットのアルバムを紹介したいと思います(笑)。

プリンスが1988年初夏に発表した、通算10枚目のスタジオアルバム『LOVESEXY』。1987年春に2枚組アルバム『SIGN O' THE TIMES』をリリースし、早くも同年末に『THE BLACK ALBUM』を発表しようとしますが、諸事情で発売中止に。そういったトラブルを経て日の目を見たのが本作でした。リードシングル「Alphabet St.」は全米8位とヒットを飛ばすも、続く「Glam Slam」「I Wish U Heaven」はチャートインせず。アルバムも全米11位と、前作までと比較すれば低調に終わりました。

内容がそこまで悪かったのかと言われると……いやいや、全然そんなことないんですよ。プリンスらしいファンキーさとポップさが両立した内容で、非常に聴きやすいし。むしろ、『PURPLE RAIN』(1984年)以降では一番ポップで親しみやすい内容なんじゃないでしょうか。前作『SIGN O' THE TIMES』が雑多な実験作だったこともあり、ここまで統一感の強い作品は久しぶりなような気がしますし。

1曲1曲をピックアップしても、オープニングの「Eye No」から「Alphabet St.」へと続くファンキーなポップチューンの連発はさすがだと思うし、サイケデリックな「Glam Slam」はなんでこれがヒットしなかったんだろうってくらい良曲だし。セクシーなミディアムナンバー「Anna Stesia」、文字通りダンサブルな「Dance On」、本作中もっとも地味な印象のタイトルトラック「Lovesexy」、『THE BLACK ALBUM』から唯一持ち越されたバラード「When 2 R In Love」、浮遊感漂うサイケポップ「I Wish U Heaven」、前曲から心地よく続く「Positivity」……改めて聴き返すと、どれも悪くないんですよね。いや、“悪くない”止まりなのがいけないのかな。確かに殿下にしては“飛び抜けて”良い曲が少ない気がするし。でも、そこまで悪いとも言い切れない。う〜ん。

で、何がいけなかったのか考えてみたんですが……もうおわかりですね。ジャケットが災いしたとしか思えない(笑)。そりゃあみんな敬遠しますわ。正直、当時高校生だった僕も本作の購入、躊躇しましたもん。しかも地元では買いにくくて、上京した際にタワレコで輸入盤を買ったのでした(しかも、当時は縦長の箱に入っての販売だったから、余計に恥ずかしかった……)。

あと、本作はCDやストリーミングで聴いている人ならおわかりのように、全9曲を1トラックとして収録という聴きにくさもあります。曲を飛ばすなよ、という殿下からの無言の圧を感じずにはいられませんが、こういうご時世だからこそ本作がストリーミングでも1トラック方式を採っているのは妙に納得してしまうといいますか。うん、黙って通して聴いてください。



▼PRINCE『LOVESEXY』
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投稿: 2018 01 01 01:00 午前 [1988年の作品, Prince] | 固定リンク