« JUDAS PRIEST『RAM IT DOWN』(1988) | トップページ | JOE PERRY『SWEETZERLAND MANIFESTO』(2018) »

2018年1月22日 (月)

KULA SHAKER『K』(1996)

1996年9月にリリースされたKULA SHAKERの1stアルバム。ブリットポップ全盛期から後期にかけたタイミングの1995年に登場した彼らですが、1996年に入ると「Grateful When You're Dead」のスマッシュヒット(全英35位)に続き、「Tattva」が全英4位まで上昇。続く「Hey Dude」も全英2位の大ヒットとなり、同タイミングに発表されたアルバム『K』も全英チャート初登場1位を記録。同年を代表する1枚となりました。

彼らがそれ以前に登場したブリットポップバンドたちと一線を画するのは、インディーズからのリリース(活動)なしに突然メジャーデビューを果たし、たった数枚のシングルで大成功を収めてしまったこと。ガレージロックとも伝統的な英国ひねくれポップとも異なる、インドからの影響が色濃いサイケデリックロックサウンドが新鮮かつ好意的に受け入れられた結果、ヒットにつながったと言えるかもしれません。

とはいえ、アルバムオープニングを飾る「Hey Dude」のドライブ感とダンサブルなビート、力強さを見せつつも適度に肩の力が抜けたクリスピアン・ミルズ(Vo, G)のボーカルと鋭いギタープレイには、一度聴いたら耳を奪われてしまうのではないでしょうか(そのルックスに目を奪われる、というのもあると思いますが)。

かと思えば、STOOGESを胡散臭くした「Knight On The Town」「Smart Dos」みたいなハードナンバーもあるのに、宗教的な色合いすら感じさせる「Govinda」(全英7位)もある。浮遊感漂うサイケポップ「Into The Deep」「Tattva」、ひたすらギターストロークがカッコイイ前半とダウナーなサイケサウンドの後半との対比がえげつない「Grateful When You're Dead / Jerry Was There」、どこか哀愁味の強い枯れたロックバラード「Start All Over」など、とにかく捨て曲が一切ない。そりゃあ画一的なシーンの中にこんなバンドが登場したら、耳の早いリスナーは飛びつきますよ。

たったアルバム1枚で国民的人気を獲得してしまった彼らですが、その正解感を追求したばかりに(そしてブリットポップブームが終焉を迎えたため)、続く2ndアルバム『PEASANTS, PIGS & ASTRONAUTS』(1999年)が全英8位まで上昇するものの前作ほどの結果は得られず、同年中に解散。2004年には再結成し、現在まで着実な活動を続けています。

そういえば、KULA SHAKERが日本デビューしたタイミングって、こういったインドテイストや宗教感を漂わせるバンドは若干微妙だったように記憶しています。だって、1995年にはあの団体による事件があったばかりでしたから……。まあ、それでも純粋な洋楽ロックファンは彼らを支持し、ソールドアウト連続のジャパンツアーは大成功したわけですけどね。よかったよかった。



▼KULA SHAKER『K』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

投稿: 2018 01 22 12:00 午前 [1996年の作品, Kula Shaker] | 固定リンク